Photo of the Day

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2005年6月2日(木) 

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2005年6月4日(土) 

2005年6月5日(日) 超広角レンズと天安門前広場

リコー・Caplio GX8
 このGX8の内蔵レンズは ―― いまさらこういう説明をするのもナンなのですが ―― 広角側が28mm相当の広角ズームレンズです。そしてこれに専用のワイドコンバージョンレンズをセットすると広角側で22mm相当の“超広角”撮影ができるようになります。こうした広角、超広角レンズは、狭い場所ではとても有効に使えるのですが、だだっぴろい場所では、被写体にぐんぐんと“肉迫”してフレーミングするとか、よほど構図に工夫をしないと、ナンともマの抜けた写真になっていまいます。たとえば、京都などでは道幅が東京と比べて狭いので、スナップ撮影をするのに東京では35mm画角がもっとも気分よく被写体との間合いがとれて撮影ができるのですが、京都で同じようにスナップしようとすると28mmレンズでないと思ったように撮影ができませんでした。




 ということがわかっていたにもかかわらず、GX8にワイコンをセットしたまま広い中国の、北京の、それもだだっ広いことではつとに有名な天安門前広場にやってきました。とにかく広い建物もでかい。その天安門を広場から撮ろうしたのですが、22mmの超広角ではなかなかサマになりません。でも、そんなことにめげずに(意地もありましたので)22mmのまま押し通しました。
 ところで、昨日、6月4日は、例の天安門事件のあった日でして、1989年以来、この日はここでは毎年、ピリピリしている“要注意日”なのです。中国に詳しい人に「今日は天安門には行っちゃダメ」と言われていたのですが、そこは野次馬根性がありますから、ノコノコと行ってみました。やはり、警察官(公安)がうじゃうじゃいました。ノーテンキなぼくでも「ヤバいなあ」感じるほどのものものしい雰囲気でした。ホテルに戻ってから同行者に聞いた話ですが、ホテルの部屋でNHKの衛星放送でニュースを見ていたら、「本日の天安門前広場は…」とアナウンサーが語り始めた瞬間、突然ブラックアウトされてしまった、とのことでした。いまから思い出しても、さもありなん、と思わせるそうした雰囲気が、今日の天安門前広場には漂っておりました。

2005年6月6日(月) 

2005年6月7日(火) 天壇公園の長廊でのパフォーマンス

リコー・Caplio GX8
 GX8は前モデルのGXと操作方法や外観デザインなどはほとんど同じで画素数を500画素から800画素にアップした“だけ”であります。でも、画素数アップ“だけ”ではなく、いくつかのマイナーだけど機能アップもしています。画質については、500万画素のGXよりも800画素のGX8のほうが「良くなった」と感じられます。GXでどきどき見られたシャープネス強すぎの印象が弱まって、GX8のほうが“大人っぽい”画質になったような気もします。GXではメニュー設定でシャープネスを「ソフト」に切り替えて撮影することが多かったのですが、GX8ではいつもディフォルトのままの「標準」です。それで充分満足できる画質になってくれます。




 ぼくの使っているGX8が初期バージョンの機種だからかもしれませんが、ワイドコンバージョンの取り付け取り外しをするたびに、きゅるきゅるっキュルキュルッ、とネジの軋むいやな音がします。ちょっとしたことなのでしょうけれど工作精度が良くないんでしょうね。そんなことを、ある人に ―― リコー関係者だっ ―― 文句を言ってたら「タナカさん、それは鼻のアブラです、鼻のアブラをちょちょいとつければ治ります」と。
 たまたま持っていたぼくのGX8をひったくり、自分の鼻のアブラをきゅるきゅる鳴っているネジ部にこすりつけようとするのです。驚いたぼくは「キタナいからやめてくれ」と急いで取り戻しましたよ。それにしてもなににしても、おまじないじゃあないのだから鼻のアブラでどうこうなるなんてとても信じられない。でも、ワイコンを取り付け取り外しするたびに、いやな金属音を聞き続けなければならないのもナンとかしたい。そこで、えいっ騙された、と思ってこっそりと自分の鼻のアブラを少しネジ部にこすりつけてみました。と、ナンと驚くなかれ、あのいやな金属がこすれる音がまったくしなくなってネジの回転も大変にスムーズになりました。もし、あの、きゅるきゅる音に困っておられる人がいたら、ぜひお試し下さい、ちょっとキタナイですけど。

2005年6月8日(水) 北京、大観光旅行続く

ペンタックス・*ist DL + DA 50〜200mmF4〜5.6
 新発表の*ist DLは*ist DSの姉妹機種であります。もちろん“妹”のほうです。ボディ単体の価格は8万円前後(オープン価格)とのこと。*ist DSとのおもな違いは、ペンタプリズム(DS)がルーフミラー(DL)に、液晶モニターが2.0インチ型(DS)が2.5インチ型(DL)に、連写性能が最高8コマ(DS)から5コマ(DL)に、CCDは同じだがローパスフィルターを少し変更し絵づくりも手直し、テな具合で、DSのほうが“上”のものもあればDLのほうが“上”のものもある。ベースはそっくりDSのままで、性能をほとんど落とさずにコストダウンが可能なところは工夫と努力によって徹底させて仕上げた機種がDLというわけなのです。DLのもっともチャーミングな点は、やはり2.5型の液晶モニターでしょうね、よろしいですよこれは。




 そうそう、忘れてましたけど、AFが11点から3点式になりました。スーパーインポーズ表示もなくなりました。ぼくはどんなカメラもワイドAFはほとんど使わず中央部の一点AFだけなので3点式についてはほとんど気にはなりません(個人的には11点が3点になろうがどうでもイイ…)。でも、スーパーインポーズが省略されたのは大変に残念でありました。いまどき、AF合焦のスーパーインポーズ表示されない一眼レフカメラなんてほとんどありませんから、AF測距したときファインダースクリーン上にナニも反応がない、というのに大いに戸惑いました。AF測距しても、頑丈な石壁にもたれかかったつもりがカーテンだった、といったソンな頼りない手応え感です。そのうえ、AF測距性能がナンだかいまいちシャキッとしてないから(使用したカメラがベーター版だったからかもしれませんが)、撮影をしていてかなりイラつきました。
 ところがファインダーの見え具合はルーフミラー式になりましたけど、相変わらずヨロシイです。ミラー式にしては明るいし、ピントも合わせやすいし、さらにファインダー倍率も充分(0.85倍)にありまして、使っていてこれについてはとっても気持ちが良かった。

2005年6月9日(木) 北京の裏通りは、ちょっと怖い

ペンタックス・*ist DL + DA 18〜55mmF3.5〜5.6
 新型*ist DLのファインダー倍率は0.85倍、ペンタプリズムを使った*ist DSのほうは0.95倍です。DLとDSのファインダーを見比べてみると、やはり“相当の”違いは感じます。もちろんDSがすばらしい。でも、DLの0.85倍というのは立派です。ルーフミラー式でよくここまでがんばりましたし、ファインダースクリーンにも工夫をしてMFでのピント合わせも良くしています。でも、くどいようですがDSのほうが格段にイイ。それと、これはとっても残念なことなのですが、ファインダー内に下部に表示される撮影情報文字 (シャッタースピードや絞り値などの数値) がDLでは大変に小さくなったことです。DSに比べて感覚として1/3ぐらいにリサイズされた印象です。




 このDLにはP/A/Sモードで「オートISO」を選ぶことができます。いわゆるイメージプログラム (ピクチャープログラム) モードではオートISO機能を使っている機種もありますが、P/A/Sモードでも使えるのはデジタル一眼ではDLが初めてのはずです。あらかじめ、ISO感度の連動範囲を決められます。ただし低ISO感度側はすべてISO200からです。たとえばISO200からISO400、ISO200からISO800までといった具合に高ISO感度側を「ココまで」と自分で決める。その設定した範囲内であれば、カメラが判断をして自動的に感度を上げたり下げたりしてくれるというものです。このように「上限」が決められるのはDLだけでしょう。
 ぼくはこのオートISO感度をデジタル一眼にも、そして通常撮影モードでも採用してくれるように各メーカーの人たちに積極的にお願いをしていたのですがようやく念願かなったという気持ちです。ただしぼくが希望していたのは、オートISO感度設定の時に同時にシャッタースピードの下限も自分で決められるようにしてほしかったのです。たとえばシャッタースピードの下限を1/60秒にする。1/60秒までなら基準ISO感度のままで感度アップしない。撮影条件が暗くなって基準ISOのままでは1/60秒以下のシャッタースピードになってしまうというときに、ISO感度をアップしていく。そんなアイディアを持ち続けていたのですが、これもまた残念でした。

2005年6月10日(金) 

2005年6月11日(土) D70sの感度自動制御と*ist DLのISO AUTO

ニコン・D70s + シグマ・DC 18〜200mmF3.5〜6.3D
 北京に来る前に、もうイヤになるほどD70sとD50、そしてE-300、EOS Kiss Digital N、*ist DSなどライバル機種との比較撮影もやりました。そのまとめの原稿などで出発前日は徹夜でして、飛行機の出発時間を睨みながらようやく仕上げてきました。急いで荷物をまとめて、事務所に散らかっている機材の中からあわててカバンの中にカメラやレンズを放り込んできました。ホテルの部屋で荷物を見て「あれっ、D50じゃなくてD70sを持ってきたのか…」と気づく始末でした。ぼくは万事、こうした調子で人生を送っています。
 D50とD70sとの「画質の差」は実写する前から (だいたい、ですが) わかっていました。D50を使う前に、ニコンの開発者の人たちにインタビューする機会があったのですが (5月20日発売の「月刊カメラマン」) 、その席でD70sよりもD50のほうがイイということをちょっとにおわせてもらおうとしたのですが、ぼくのほうが少し空回りしてしまいました。




 さてところで、*ist DLのコメントのところで「ISOオートの機能の搭載はDLがはじめて」といったことを二、三日前にここで書きました。すると、1〜2名の方からメールを頂きまして (その機能はすでにD70やD100などにも搭載されておる、ソンなことも知らないのか、恥ずかしいぞ) と叱責を受けました。いや、これはぼくの言葉足らずでした。もう一度説明を繰り返しますと、*ist DLに搭載された「ISO AUTO」は連動するISO感度の上限が自由に設定できるのです。ここがポイントです。たとえばD70sに搭載されているISOオート (感度自動制御) 機能とは似て非なるものです。こちらのほうは「適正露出が得られないときに感度をアップする」というもので、さらにISO感度も最高ISOのISO1600までアップします。個人的にはこのようなオートISOは使いものにはなりません。でも*ist DLのISO AUTOは、手ブレ限界シャッタースピードになると自分で設定したISO感度までアップするのです。
 D70sなどに搭載されている感度自動制御のことなど (相当に有名な機能ですから) みなさん、すでにご存じのことと思っておりましたのでハショッて書いてしまい (もの知らずめ) と お叱りを受けてしまったようです。

2005年6月12日(日) GX8用のUSBリモートレリーズケーブルに注目

リコー・Caplio GX8
 GXは500万画素、GX8は800万画素。ボディの外観や操作系などはまったく同じで、有り体に言えば、撮像素子だけを交換して画素数だけをアップさせたマイナーチェンジ機種。でも、実際は、リコーとしては相当な苦労と努力をして、可能な限り性能の向上に努めているフシがあちこちに見えます ―― 決して多くもない開発予算と開発人数の中で良くやっていると思う。だから、ぼくは、このGX8をたんなる“マイナーバージョン機種”とは見ず、GXの“良心的バージョンアップ機種”であると好意的に見ています。500万画素から800万画素になってなによりも解像感は向上しましたし、それ以上に、色調 (画質) が相当良くなったと思います。少なくとも、500万画素GXよりも800万画素GX8のほうが、ぼくには好みの写真が得られます。




 GX8では、画像処理エンジンを一新させた、と聞きました。GXでは彩度とシャープネスの組み合わせバランスがどうも不満なときがあっても、GXでは彩度調整ができなかったので仕方なくシャープネスだけを調整して (ごまかして) 撮影などをしていました。でもGX8になって「色合い調整 (彩度調整) 」のパラメータ設定が可能になりました。そのうえ、GX8のディフォルトではGXよりも少し彩度が抑えぎみになったようで、シャープネス標準設定のままでもバランスの良い画像が得られるようになりました。また、ホットシューにセットした外部フラッシュの単独発光もできるようになったり、連続撮影機能も少し向上しました。
 ところで、このGX8の発売と同時にUSB端子に接続してリモートシャッターが切れるケーブルが発売されました (こうしたUSB端子を利用してリモートレリーズシャッターが可能なケーブルなんていままでにあったのかなあ) 。GX8でしか試してみませんでしたが、他のカメラでも使えそうな気もします。このUSBケーブルレリーズはちょっと注目のグッズですね。

2005年6月13日(月) 

2005年6月14日(火) 

2005年6月15日(水) 

2005年6月16日(木) がんばれよーっ、オリンパス

オリンパス・μ DIGITAL 800
 μシリーズのカメラですから生活防水 (保護等級4級) の仕様になっています。でもそんなふうな“防水仕様”になっているとは思えないほどデザインが (それなりに) すっきりしているところに感心。ところがいっぽう、μシリーズのカメラとしては ―― 「μ DIGITAL」と聞くとぼくは条件反射的に小型ボディ、キュートなスタイリングと思ってしまうからかもしれませんが ―― この800はいささか大きく、ドテっ、としていてチャーミングでもない、けっして軽くもないし…と、オリンパスらしさがどうも感じられません (オリンパスらしさ、って、じゃあなんだ、と問われれば応えに窮しますけれど) 。この800を見ていると、ナンだかオリンパスはいま、自信をなくしてとっても苦しんでいるように感じられてしまいます。がんばれよーっ、くじけるなよっ、と大きな声でオリンパスに声援を送りたい気持ちです。




 ISO感度がISO64から最高ISO1600まで設定できます。ISO1600の高感度で撮影できるコンパクトデジタルカメラとしては、このμDIGITAL800のほかには、リコーのGX8、フジのF10、そして先日発表されたばかりのカシオのEX-S500ぐらいでしょうか。ただしμDIGITAL800は、ISO64からISO400までは約800万画素相当 (3264×2448pixel) の画像サイズで記録できるのですが、高ISO感度のISO800とISO1600を選ぶと、記録画像サイズが約310万画素相当 (2048×1536pixel) になってしまいます。
 これはいったいどういうことかと言いますと ―― というほど技術的に詳しくないので四捨五入したハナシになりますが ―― 画素 (フォトセンサ) を数個あわせて光を受けて、それを合計することで増えた光をひとつにまとめ、それを“1画素ぶん”として画像処理をする。こうすることで無理をして電気的に増幅して高感度にしなくてもすみます。ノイズも少なくできます。これを画素加算方式などと呼んでいます。μDIGITAL800では、9個の画素をひとつにまとめているそうです。じゃあ記録画像サイズは800万画素の約1/9のサイズになるはずで310万画素相当の画像サイズにどうしてなるんだ、とぼくに聞かれても (たとえ知っていても) ソンなことわかりません…。
 まだまだ未完成な部分もありますが、こうした技術が可能になるのも多画素ならではで、ぼくが多画素撮像素子に期待をしている理由のひとつなのです。

2005年6月17日(金) 写真原理主義者

オリンパス・μ DIGITAL 800
 画素加算技術によりISO800とISO1600の高感度でもノイズの少ない画像が得られるのがこのμDIGITAL800の特長のひとつです。ただし、昨日も少しふれましたがこうした技術は始まったばかりでまだまだ不十分な点も多いです。しかしだれかが先駆けて“挑戦”していかないことには進歩も発展もしていきません。μDIGITAL800の高ISO感度の画質にしても、たとえばジャギーが目立ったりして決して“高画質”とは言えませんが、けれどその画質“だけ”を捉えて「こんなモン、だめだっ」と否定的に見てしまうのは短絡的にすぎるように思います。もっと広い心をもってデジタルカメラの進む様子を見てやっても良いではないのでしょうか。
 なお、μDIGITAL800の名誉のためにひと言くわえますが、通常ISO感度での画質はとても優秀です。輪郭部の処理をもう少しウマくすれば“コンパクトデジタルカメラの画質とは思えぬ”ほどになるでしょうね。




 μDIGITAL800は800万画素もあります。コンパクトカメラで800万画素カメラはリコーのGX8もそうです。ともに1/1.8型CCDですが撮像素子メーカーは違うようです。ま、ソンなことはどーでもいいのですが、こうしたコンパクトデジタルカメラに500万画素も800万画素も必要ないじゃないか、と文句を言う人がいます。その文句の付け所を聞いてみると (そもそもコンパクトカメラで写すような写真は大きくプリントすることもない、だから高画素なんか必要ない、しょせんコンパクトカメラなんだから) と言うわけです。でもねえ、小さく軽く気楽に扱えるコンパクトカメラを使って、よりキレイで高品質な写真を撮ってそれで「作品」を作ろうと考えてもいいではないでしょうか。いままで大判カメラを使わなくては写せなかったような高解像の画像がちっちゃなカメラでも得られる。うれしくてたのしいことじゃないですか。
 フィルムという呪縛から解き放たれてデジタルカメラが急速に進歩してきて「写真やカメラ」そのもの (の考え方) が大きく変化してきています。フィルムカメラ時代からの古くさい観念的概念的な見方 ―― これをぼくは写真原理主義と言って揶揄しますが ―― で、いまの写真やカメラを見続けていっては新しい写真表現などとても期待できません。

2005年6月18日(土) 

2005年6月19日(日) 

2005年6月20日(月) Sシリーズですがセラミックスレンズではありません

カシオ・EXILIM EX-S500
 カシオのコンパクトデジタルカメラには「P (プロ) 」、「Z (ズーム) 」そして「S (スリム) 」のEXILIMシリーズがあって、そのほかにもう一つ、QVシリーズてのがあります。で、このS500はSシリーズの新製品となるものでありまして、3倍ズームレンズ内蔵で500万画素です。Sシリーズですから薄型 (約16ミリ) です。Sシリーズには2.8倍ズーム内蔵、300万画素EX-S100、同じく約16ミリの薄型カメラがありますが、S500はその兄貴分といったところでしょうか。S100の内蔵ズームは新しいレンズ硝材のセラミックスレンズをはじめて採用して話題になったのですがレンズ描写性能がイマイチでして (と、ぼくが勝手に思っているだけですが)、その後カシオからそのテのレンズが出てくる気配がなく、ひさびさのズーム内蔵の新型Sシリーズだったのですがそのレンズはセラミックスレンズズームではなく、ごくありふれたペンタックスのズームレンズ (たぶん) のよう でありました。




 液晶モニターは2.2型です。カシオ製 (たぶん) の液晶モニターで、あいかわらず明るい場所では見え具合がよろしくありません。光学ファインダーがありませんから、戸外の撮影ではフレーミングにちょっと手こずりました。S500ではあたらしく「Anti-Shake DSP」 ―― 詳しくはよくわかりません ―― を搭載して手ブレや被写体ブレを少なくして撮影できる“機能”を搭載しました。メニューで「ブレ軽減」モードを選ぶと暗い場面ではISO感度はISO800まで自動的にアップします。またシーンモードには「高感度」モードがあって、これを選ぶと最高ISO1600まで感度アップして撮影ができます。しかし、こうしたISO800やISO1600の高感度画像は ―― ノイズ画像にかんしては寛容でラチチュードの広いぼくでも ―― ちょっと遠慮したくなる画質でありました。せっかくAnti-Shake DSPと銘打ってるんですから、もうちょっとがんばって欲しかったよなあ、と感じました。でも (と、急いでフォローするわけではないですが) 、おもしろい動画撮影機能も備えていますし電池のモチもよいし薄型ですし起動も高速で動作もきびきびしててイイところもたくさんあります。

2005年6月21日(火) 

2005年6月22日(水) 荒唐無稽なハナシ、だろうか

カシオ・EXILIM EX-S500
 サンヨーのXacti C5、キヤノンのPowerShot S2 ISなどと同じく、静止画像撮影中に動画を撮影したり、あるいは動画撮影中に静止画を撮影する機能がこのS500にも備わっています。ボディ背面には動画撮影ボタンがあります。たとえばそのボタンを押して動画 (MPEG-4) の撮影記録中に、「ここぞっ」と思ったところでシャッターボタンを押すとその場面が500万画素画像として記録できます。シャッターを切った瞬間は、動画が一瞬 (約1〜2秒) フリーズしたようになりますが、しかしその再生画像を見ていると、確かに動きが途切れるのですがそれほど気になるほどのことはありません。C5もS2 ISも、そしてこのS500も静止画撮影時に動画がフリーズしなければいいなあとは思いますが、そうするには撮像素子が二つ必要になります。




 というわけで、ぼくはいま、デジタルスチルカメラでの動画撮影にちょっと凝っています。これはこれでとってもおもしろい。そしていまのぼくの夢はといえば、APS-Cサイズ撮像素子を使ったデジタル一眼レフカメラで、液晶モニターのスルー画像を見ながら動画撮影をすることです。荒唐無稽か…。
 そう、スルー画像と言えば、一眼デジタルは、コンパクトカメラのようにボディ背面のモニターを見ながら撮影ができませんね。最近、カメラメーカーに「なぜ見えないんだっ」とユーザーから文句がたくさん寄せられると聞きました。ちょっとカメラの構造を知っていれば現行の一眼レフカメラでムリなのは百も承知千も合点ですが、しかし「なぜ見えないんだっ」と不思議に思うのはなーんにもヘンではありません。ぼくなんか、ぜひそうなればイイなあと考えてますから。フジのS3Pro、キヤノンのEOS 20Daなどはスルー画像は見えますが、見ながら撮影することができません。各メーカーとも、一眼デジタルでスルー画見ながら撮影がナンとかできないかこっそりと研究しているみたいですけど、さてどうなりますか。

2005年6月23日(木) 

2005年6月24日(金) 

2005年6月25日(土) 

2005年6月26日(日) 大型液晶モニターの時代

ペンタックス・Optio S5z
 今年の春にOptio S5n (500万画素、3倍ズーム内蔵) が発売されました。このS5zは、S5nの1.8インチ型液晶モニターを大きな2.5型にしただけのカメラです。液晶モニターだけの違いで、レンズや画素数などほかはまったく同じです (たぶん)。もともと小さなボディですからこれに2.5型モニターを搭載してますから、そりゃあ相当の迫力があります。とうぜんながら操作部の配置スペースは狭くなります。まるで、八畳間に入っていた家具をそっくりそまま四畳半一間に詰め込んだようなものです。ついうっかりしてると箪笥や机のカドに足をぶつけてしまって、あいたっ、てなことにもなります。同じようにS5nをホールドしたときに、親指の置き場所を探しているうちにセルフタイマー切り替えボタンやマクロ撮影切り替えボタンを押してあたふたすることもありました。




 今年の春頃から液晶モニターの大型化がだんだんと進んでいます。いまじゃあ、このOptio Sシリーズのようなちっぽけなカメラにも大型の2.5型モニターが搭載されるようになってきました。S5zのボディ背面を見ていると、怒ったフグがおなかを精一杯ふくらませているような感じがしないでもない。ちょっとユーモラス。でも大型の液晶モニターはイイです。構図を決めるのにもイイし (明るい場所でも視認性が良くなくちゃあいけませんが) 、メニュー画面で各種の設定をおこなうのにも楽ちんでイイです。撮影した画像を見て愉しむのにも液晶画面が大きい方が楽しみも大きくなる。カメラが多少ホールドしにくくても、ぼくは液晶画面大型のほうがウレシイです。
 ことしの秋には (たぶん) 3.0インチ型の“超大型”液晶モニターを搭載したコンパクトカメラが (おそらく) いくつかのメーカーから出てくるでしょうから、そうなら大型液晶画面大好きのぼくとしては、るんるん、の気分です。で、ところでコンパクトデジタルも一眼デジタルもちっちゃな液晶画面にこだわっているキヤノンは、さあさあどーするんですか。

2005年6月27日(月) 

2005年6月28日(火) のーんびりしすぎるぞ、起動時間

ペンタックス・Optio S5z
 メインスイッチをONにしてから撮影スタンバイ状態 ―― いつシャッターを押し込んでもすぐに撮影ができる状態 ―― になるまでを起動時間などと言っています。むろん起動時間は短いほどイイ。すばやく撮影ができますからシャッターチャンスも逃さない。つい1〜2年前のカメラでは、メインスイッチを入れてから忘れたころに「さぁどうぞ」と言ってくれるようなカメラもありました。スイッチをONにする。沈胴式のズームレンズがぐいーんっと出てくる。おっとり刀でやってきた助太刀のように液晶モニターがぽわーんと明るくなって、ようやくシャッターが切れる状態になるカメラ、なんてザラでした。でも、最近は一眼デジタルカメラでも起動時間はたいへんに短くなりました。感覚的にはスイッチONとほぼ同時に撮影スタンバイ、なんてカメラも (一眼デジタルでも、もちろんコンパクトカメラでも) 多くなりました。




 このS5zはメインスイッチをONにすると、ぴろろーんっと起動音がして沈胴式3倍ズームがするするっと出てきます。と同時に液晶モニター画面にきれいな雲が浮かんだ青空背景に「Optio」のロゴが浮かびます。スタートアップ画面です。S5zはこの画面が消えてスルー画面が表示されるまでシャッターを切ることができません。ところが、そのスタートアップ画面の表示が長いのです。いらいらするほど長いです。乾杯の前の長い長い挨拶を聞きながらじっとビールのコップを握っている気分です。手元にあるストップウオッチを使って測ってみたら平均で3.3秒もかかりました。起動時間3秒オーバーは、いくらナンでもちょっと長すぎます。ですから、S5zを持ってスナップしているとき、被写体を見て“よし、あれを写そう”と思ったら、少なくとも被写体までの距離5歩手前ぐらいでスイッチONにしておかないとスムーズな撮影はできませんでした。
 なお、このスタートアップ画面を消すモード (これがじつにわかりづらい) がありまして、そうすることで少し起動時間が速くなります。

2005年6月29日(水) 

2005年6月30日(木) 


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