Jaguar 国民性
Jaguar。 ジャガー。1980 年代にはいってから行われるようになったミッレ・ミリアのヒストリック・イベント。 ある年、ジャガー C タイプで参加していたひとりの英国人は、どうも観客の人々の反応が今ひとつであるのに気づいた。 イギリスの中でジャガー C タイプが走れば、みんなそれに見とれるほどであるのに、 イタリアの見物客たちは " ジャグア・チ、ウム、ベラ・マッキナ(いい車だ)" と、ひととおり感心する程度で、フェラーリに対するような熱狂が感じられないのである。やがて彼が導き出した結論が、車の色であった。ジャガーは濃いグリーンに塗られていて、観客の方は何が何でも赤い車にまず反応するのである。それなら次のミッレ・ミリアには、ジャガーを赤く塗り替えて参加しよう、というのがその英国人のアイディアであったが、 それを実行したかどうかは疑わしい。 現在に至るまで赤い Cタイプが参加した記録はないからだ。昔のミッレ・ミリアでも、コース脇で見守る人々が赤いイタリアの車に大声援を送ったのは今と少しも変わらないのであって、その一端をクレマンタスキの写真が示している。
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