Klemantaski 走るフォトグラファー
Klemantaski。 ルイ・クレマンタスキ。フォトグラファー。デニス・ジェンキンソンと同様、クレマンタスキも幾度かナビゲーターとしてミッレ・ミリアに参加し、助手席から写真を撮った。 中でも、1957 年にピーター・コリンズの操縦するフェラーリの中から撮影した写真が、彼の代表作として知られている。いったんスタートすると途中でフィルムをつめかえることなど不可能なので、カメラをふたつ首から下げて、そのフィルムがすべて、そしてコリンズに絶えず指示を出さなければならないから、撮影のチャンスはごく稀であったという。それでも、その中には、腕をまっすぐに伸ばしてステアリングを操るコリンズや、フェラーリの赤いボディ、そしてコース脇で手を振り上げて応援する人々の姿などがみごとに収められている。この年、クレマンタスキはカラーフィルムを用いていたのである。ただ、イタリアのナショナルカラーの赤といっても、フェラーリやマセラティ、それにランチアが用いていた色は、それぞれ微妙に異なっていた。
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