Vittoria 勝利
Vittoria。ヴィットリア。勝利。ファンジオもモスもヌヴォラーリも、そしてタルッフィも、ひたすら勝利をめざして走り続けた。そこでミッレ・ミリアでは、数多くの物語が生まれた。ロードレースとしてのミッレ・ミリアは 1957 年でその幕を閉じたが、それから 1 / 4 世紀を経過して、人々は再びミッレ・ミリアを楽しみ始めた。今度はスピードレースとしてではなく、当時の雰囲気を味わい、ドライバーたちの苦闘を知り、そして参加者から道端で歓声をあげながら見守る子供たちにいたるまで、すべての人々がミッレ・ミリアの 3 日間を楽しむためである。 昔のイベントでは、ヴィットリアはただ 1 台の車だけに与えられた。 今はすべての人達が勝利を分けあっている。もちろん、中には車のトラブルで手を油だらけにしなければならなかった人もいるだろうし、雨にふられてびしょ濡れになった者もいよう。そのひとつひとつが、新しいミッレ・ミリアの物語なのである。そこで 1000 マイルを最初から最後まで楽しんだ者も、途中で様々な出来事があった者も、走り終えたあとではみんな気持ちの通じ合う仲間のような気がする。別れるのはつらいが、また来年、ピアッツァ・ヴィットリアで会うことができよう。それまでしばらくの間、アリベデルチ、Amici della Mille Miglia。
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