Photo of the Day

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2003年11月1日(土) SIGMA PHOTO Pro のバージョン2.0

シグマ・SD10 + 15〜30mmF3.5〜4.5
 SD9ユーザーの (ぼくにとっての) 大きな懸案がふたつあった。ひとつは撮影画像をJPEGで記録したいこと、もうひとつはAF測距性能の改善でありました。SD10になって、AF性能のほうはSD9に比べると、うん、だいぶ良くなったけれど、JPEG記録についてはそっけないほど無視されてしまいました。「そりゃあアンタ、やってやれないことはないけど、数十秒も待たされてしまうというのは、イヤでしょ?」と言われてしまえば、ああFoveon X3センサーというのは、そーゆーもんなんだよなあ、とあっさり諦めてしまいました。AFはSD9では金輪際ピント合わせ不可能だった場面で、SD10は何事もなくピントを合わせてしまいました。




 だからSD10も、RAWデータで記録し保存して必ずそれをパソコンで“現像処理”しなくちゃならない。現像処理のためのソフトが「SIGMA PHOTO Pro」であります。そのPHOTO ProがSD10と同時にバージョンアップされて2.0になって、従来の1.0バージョンからいくつか改善もされた。SD9もSD10も、他のデジタルカメラと違って、こうしたRAW現像ソフトは大変に重要であります。
 カメラ内でおこなうアナログ・デジタル変換処理のほうも大事だけど、RAWデータで記録しておけば現像処理ソフトが改良されればそれにともなってムカシ写した画像も“良くなる”可能性もあるわけだ。というわけで、ウキウキどきどきしながら、SD9の画像を (SD10ではない) バージョン1.0とバージョン2.0で処理して見比べてみたけれど、うわっというほどの違いもなく、そういわれてみればまあなんとなく…ぐらいの程度でした。ちょっと残念。でもこのバージョン2.0ではフィル・ライト (追記:その機能をカンタンに説明することは難しい、大雑把に言えばハイライト部はそのままにしてシャドー部だけを持ち上げる、ものかな) とよばれる新機能が追加され、これがなかなかオモシロい。もちろんSD9のRAWデータにも対応していて (SD9ユーザーは無料バージョンアップ) そうした意味では“良くなった”と言えるでしょう。

2003年11月2日(日) 

2003年11月3日(月) 

2003年11月4日(火) 

2003年11月5日(水) 

2003年11月6日(木) 

2003年11月7日(金) 

2003年11月8日(土) 300万画素のFX1と400万画素のFX5

パナソニック・LUMIX DMC-FX5
 FX5は1/2.5インチ型の総画素数423万画素CCDと3倍ズームレンズを内蔵したカメラで、同じCCDサイズで同じズームレンズ内蔵、同じボディサイズの334万画素CCD搭載のFX1も同時に発売された。300万画素機種だけどFX3ではなくFX1、400万画素だけどFX4ではなくFX5、というネーミングでした(FX1のことをFX3なんて、よく間違えるんですよ)。ま、ソンなどーでもいいことはさておいて、FX1とFX5だけど、はっきり言いますけど、文句なしにFX1がイイです。FX5はダメだとは言いたくはないのだけれど、FX1とFX5とを“総合的に”比べてみると「あーっそのカメラではなくて、こっちにしなさいよ」と言いたくなってしまいます。




 理由はいろいろあってこんなところでヘラヘラ話ができないけど、おすすめはだんぜんFX1です。ひとつ、ありきたりのことを言いますと、そもそも300万画素と500万画素の違いほど、300万画素と400万画素には違いはない、ということ。さらにですけど、パナソニックの(松下製の)CCDの、この1/2.5インチ型の300万画素CCDと400万画素CCDだけを比べると、ぼくの個人的な印象として、300万画素CCDのほうがずっとイイように思います。…この松下の400万画素CCDはですねえ、うーん、なんて言いましょうか、あんまり感心しないCCDです。
 ところで、FX1もFX5も、ごくフツーの3倍ズームレンズを持っているけど、そのレンズには手ブレ補正機構を内蔵させていて、もうそれだけで大いに注目していい機種だし、パナソニックに拍手喝采してあげてもよろしいです。

2003年11月9日(日) 

2003年11月10日(月) 手ぶれ補正レンズのことだけで、パナソニックは、エラい

パナソニック・LUMIX DMC-FX5
 FX5には手ぶれ補正の機構が備わっております。ごくありきたりの3倍ズームレンズ内蔵カメラに、です。この、手ぶれ補正の効果が誰にでもはっきりとわかる高倍率ズーム内蔵のカメラならいざしらず、たかが3倍程度のズームにも手ぶれ補正機構を組み込んだ、そのことにぼくは高く評価します。使ってみて、3倍ズームでもその効果は絶大であると実感しました。
 どんなに性能のレンズでもブレてしまえば元も子もないし、どんなに高画素数の高画質画像であってもブレちゃあナンにもならない。ところがユーザーの多くがこの「手ブレ」についてそれほど深刻に考えていないようなところがありまして、だから既存の多くのデジタルカメラメーカーは「ユーザーからの要求がないのだから、金も技術もかかってしまう手ぶれ補正機構などまだまだ組み込まなくてもいいよ」、とタカをくくっている (ユーザーをナメている) ところがなきにしもあらずです ―― もし、そりゃあアンタ違う、というなら、じゃあどうして、いつでもやれるだけの技術も余裕もあるのにキャノンやニコンがやらないのでありましょうか。
 だから、このことだけにかんしては、パナソニックはエラいっ、FX1/FX5はイイっ、とぼくは思うわけです。




 FX1やFX5では手ぶれ補正がはっきりと効きますから、レンズの良し悪しやほんらいの画質の程度などもわかってきますね、誰にでも。ほとんど気づかないような手ブレをしてれば、レンズが悪いのか画質が悪いのかAFの性能がわるいのかがわかりにくくなるものですよ、多くの人にとって。じじつ、ピントが悪い、レンズが悪いなどと言っている人の写真を見ると、ほとんどの場合、ブレているんですよコレが。
 というわけですから、FX1とFX5の場合、手ぶれ補正のオカゲで“ライカのバリオエルマリート・レンズの実力”のほどが“裸”になってしまいます。パナソニックとしても、自分で自分のクビを締めないようにこれからはレンズ性能も(そしてAF性能も、そしてCCD品質も)向上していかなくちゃいけませんね。ところで、これは周知の事実ですけど、FX1/FX5に内蔵の「バリオエルマリート・レンズ」はライカ社から「借りてる名前」だけでして、もしこれがライカレンズだというなら、ゾウがキリンと同じことになってしまいます。・・・・今日はくどくてゴーマンな内容ですまんでした。

2003年11月11日(火) 

2003年11月12日(水) 

2003年11月13日(木) 電源まわりの完成度の高さに感服

ニコン・D2H + 12〜24mmF4 G
 このD2Hについては感じ入るところ多々ありなのですが多言を弄して誤解されるのも不本意なのでごくカンタンに。素晴らしいデキの“プロのための”カメラです。これで、ようやくデジタル一眼レフカメラが“カメラらしく”なりました。いままでのデジタル一眼は、ややもするとデジタル部のほうだけに開発ウエイトがかかりすぎていて、それに対してカメラ部の開発のほうは少し置いてきぼりを喰らっていたような印象も受けていたのですが、D2Hの仕上がりを見てみるとようやくデジタル部とカメラ部のバランスがとれてきたようです。




 秒8コマで最大40コマの連続撮影もさんざんやってみましたし、ISO6400相当での長時間露光も試してみましたし、意地の悪い光源下でのオートホワイトバランスの実力のほどもチェックしましたが、あれもこれも感心させられることばかりでした。
 12〜24mmF4 G レンズは、イメージサークルを小さく抑えてAPS-Cサイズデジタルカメラ専用のレンズに、というかニコンはいままで同じ撮像素子サイズのデジタル一眼しか出していないから「ニコン・デジタル一眼専用レンズ」と言い切ってよろしい超広角ズームレンズです。広角側の12mmは35mm判換算で約18mm相当になります。フィルム一眼レフカメラでは18mmという超広角は見慣れた画角なのだけどデジタル一眼でこの超広角はあまり体験することはない ―― EOS-1Dsで、ぐらいか。おっ、デジタル一眼でもここまで広く写せるようになったのだなあ、とそんなことに感心しました。

2003年11月14日(金) なにかしらどこかしらソニーらしくない・・・・

ソニー・Cyber-Shot DSC-T1
 ソニーには「Pシリーズ」というデジタルカメラにしてはロングセラーでベストセラーのシリーズ機種があるが、そのボディスタイリングが(内部の機構的なデザインも含めて)やや古くなりつつあって、それに替わる(?)べき新しい「Tシリーズ」を始めた。その第一号機種がこのT1になるわけだ。想像するにかなり前からチカラを込めて開発を進めていたようです。使用されている部品 ―― たとえば内蔵レンズ、CCD、液晶モニター ―― などのほとんどは新規でその開発には大金がかかっております。




 撮像素子は1/2.4インチ型510万画素という小さなCCDサイズ大嫌いな人たちの気分を逆なでするようなセンサーを使っております。特別チームを組んでこのT1のために新規に開発したものだそうです。
 その画質は小さなCCD大嫌いな人たちが“期待”するほど悪くはありません。ただ、思い切ってミクロ的に見ればの話ですが、少し不思議な印象を受けるデジタル画質ではありました。のっぺり、したといいますか、真っ平らな、といいますか、そんな画質なんです。思うに(なんの根拠もありません)新しい画像処理エンジンの「リアル・イメージ・プロセッサー」が強く効き過ぎているのかも知れません。チカラずくで補正し修正した画像、との印象もなきにもあらずでした。

2003年11月15日(土) 若い女性をターゲットにしたコンパクトデジタルカメラ

フジ・FinePix F420
 フジのベストセラー機種であったF401につづいてF410、そしてその後継機種となるのがこのF420。スクエアタイプの薄型スタイル。F420はF410と同じ1/2.7インチ型のスーパーCCDハニカムHR搭載機種であるが内蔵の3倍ズームレンズを一新している。F401、F410と同じズームレンズだったが、F420ではそれよりも少し広角側にシフトして36〜108mm相当となっている(ちなみにF401、F410は38〜114mm相当)。




 そのほか、あれこれ変更されたところがあって、たとえば液晶モニターが1.5インチ型から1.8インチ型に大きくなった。じっさい使ってみるとコレがいちばん宜しかった。ボディサイズがぐんと小さくなったにもかかわらず液晶モニターを大きくした“努力”を認めてあげたい。モニターがほんの少し大きくなっただけでもこんなにも見やすく、つまり撮影しやすくなるものなんですねえ。感心。
 F401もF410も電池は専用リチュウムイオン充電池しか使用できなかったが、このF420からは単4型ニッケル水素乾電池2本 ―― カタログスペック表には汎用アルカリ電池の使用できるとは書いてない ―― が使用できるようになった。でも、あいかわらずフジのデジタルカメラらしくマクロ撮影モードに切り替えると、広角側に固定されてしまう“ガンコさ”はそのままでありました。

2003年11月16日(日) ネオ一眼

フジ・FinePix S7000
 S602のバージョンアップ機種。CCDサイズ(1/1.7インチ型)、内蔵ズームレンズ(6倍)、電源(単3型乾電池対応)などは同じだが、CCDは310万画素からスーパーCCDハニカムHRの610万画素になったこと、記録メディアにCFカードタイプ2が使えるデュアルスロットは同じだがS602はスマートメディアだったがS7000ではxD-Picture Card対応になった。610万画素のハニカムCCDを使って最大記録画像サイズを1200万画素相当にする機能ももちろん備えている。




 ぼくはS602の後継機種はてっきりスーパーCCDハニカムの「SR」のほうを使うもんだと思っていたがあまり評判のよろしくない「HR」を使っていましてこれが少し意外でした。でもしかしです、このS7000の「HR」にかんしてはその画質は危惧していたほど悪くはないのですよこれが。画素補間をして1200万画素相当に仕上げた画像も、はじめてHR画質を見たときのようないやーな印象もなく ―― 大きなプリント写真をルーペで覗き込むかのように観察すればシャドー部のキレのなさや輪郭部のちわちわが気にはなりますが ―― ま、これくらいならイイじゃないかという画質でありました。
 フジはこうした高倍率ズームレンズ内蔵デジタルカメラのことを「ネオ一眼」とウマい表現をしていました。で、思い出したのが「ブリッジカメラ」です。同じような高倍率ズームを内蔵させたレンズ固定式の一眼タイプのフィルムカメラがたくさん出たときのことで、コンパクトカメラとレンズ交換式一眼を“橋渡しをする”という意味を込めてブリッジカメラとかニューコンセプトカメラなんて呼んでおりましたなあ、なんだか遙かムカシのことのような気がします。

2003年11月17日(月) 

2003年11月18日(火) xD-Picture Cardのフォーマット

フジ・FinePix S7000
 S7000はCFカードとxD-ピクチャーカードの両方の記録メディアが使用できるデュアルスロット対応。で、xD-ピクチャーカードのほうで撮影を始めたところ、あれっ、ということが起こりました。以下述べることは、すでに周知の事実であってぼくだけが知らなかったことかもしれなく、じつは恥ずかしいのだが、ま、ともかく…。




 数カット続けて撮影をしたあとメディアに書き込みが終わるまでの時間をチェックしたのだが、なぜか異様に遅い。たとえば1200万画素記録モードで続けて3カット撮影、それが完全に書き込み終わるまでナンと1分30秒近くもかかるのだ。これは遅すぎる。てっきりハングアップしたと思い電源を抜いたほどでした。ところが同じ3カット撮影をCFカードでやってみると書き込み時間はあっという間の2〜3秒もかからない。xD-ピクチャーカードだと約1分30秒もかかる、何度やっても。
 あれこれ試してみたり物知りに聞いたりしたら、わかりましたよ、その原因が。書き込み時間が遅いxD-ピクチャーカードはパソコンでフォーマットしたものだったのです。そのカードをS7000でフォーマットしてみると、なんとCFカードと同じく数秒で書き込みが終わる。つまり、xD-ピクチャーカードは“必ず”カメラ側でフォーマット(初期化)してやらないと、とんでもなく遅い書き込み速度に悩まされます、ということがわかった次第です。(ところで、まだこの先におもしろいオチがありまして、それはまたなにかの機会に)

2003年11月19日(水) *ist Dの隠しワザ

ペンタックス・*ist D + ジュピター85mmF2
 *ist Dにはいろんな隠しワザが封じ込められているようでして、偶然そのひとつを“発見”しましたのでご報告。もうすでに見つけ出している人もユーザーの中にはいらっしゃることでありましょうけれど、内蔵ストロボの調光補正撮影機能です。この*ist Dには残念なことに、ほんらいは内蔵ストロボの調光補正機能を備えていません(いまや内蔵ストロボの調光補正など当たり前の機能なのに20万円近くもする*ist Dに備わっていないなんてしっかりしろよペンタックスと思っておりました)。でも、できるんですよ、コレが。




 できる、とはエラそうにいっても所詮、隠しワザですからたいしたもんではありません。じつはオートブラケッティング撮影機能を利用します。たとえばオートブラケッティング(*ist Dの場合3コマ)で1EVステップ幅を設定してみましょう。撮影モードは、ま、なんでもよろしい。そこで内蔵ストロボをポップアップして3カットのオートブラケッティング撮影をしますと、定常光の露出 ―― つまりシャッタースピードと絞り値ですね ―― は標準露出値でロックされたままで内蔵ストロボの発光光量だけがマイナス1EV、プラマイ0EV、そしてプラス1EVと変化するのであります。
 ただし*ist Dの内蔵ストロボのガイドナンバーはたかが11(ISO100のとき)程度のちっぽけなものですから、少し被写体が遠くなると効き目はがくんと落ちてしまいます。また調光補正撮影のたびにオートブラケッティングモードに設定して“3カット”撮影しなければなりませんが、ま、これはご愛敬ということで。

2003年11月20日(木) 

2003年11月21日(金) 

2003年11月22日(土) 12mmの超広角

キヤノン・EOS-1Ds + シグマ 12〜24mmF4.5〜5.6 DG
 12〜24mm広角ズームレンズといえばニコンのDXレンズを思い浮かべる人もおいでになるだろうけれどそのニコンのほうはAPS-Cサイズ画面のデジタルカメラ専用レンズで35mm判フルサイズのカメラには使用できない。いま、世界中探しても35mmフルサイズ画面をきちんとカバーする12mmからの広角ズームレンズなど、このシグマの12〜24mmレンズしかありません。まったく恐れ入ったのウルトラズームレンズです。少しぐらい無理をしてもナンとか手に入れて使ってみる価値のあるレンズでありましょう。




 12mmの超広角レンズとしてはコシナのフォクトレンダー・ウルトラワイドヘリアー12mmF5.6という単焦点レンズがあります ―― このレンズもはじめて使ったときにはその途方もない広角に感動しました。ただし、このウルトラワイドヘリアーはレンジファインダーカメラ用レンズでして、つまり一眼レフカメラのようにミラー部がありませんからフィルム面とレンズ後端部との距離(バックフォーカス)を短くできるので“比較的”超広角レンズは作りやすい。ところがこのシグマの12〜24mmはバックフォーカスを長くしたまま12mmの超ワイドにして、さらにズームレンズに仕上げておるんです。
 超広角描写がネックになっていたAPS-Cサイズのデジタル一眼レフを見据えて開発されたレンズでしょうけれど、しかしぼくなんぞはそんなデジタルカメラに使うにはあまりにもったいない(せっかくの12mm超広角の描写が体験できないではないか)と考えてしまいます。でありますから35mm判フルサイズのカメラ以外にこの12〜24mmズームを取り付けて使うつもりなんぞいまのところ毛頭ありません。

2003年11月23日(日) 

2003年11月24日(月) 

2003年11月25日(火) シグマのがんばり

キヤノン・EOS-1Ds + シグマ 12〜24mmF4.5〜5.6 DG
 数年前のことですがあるレンズ設計者と話をしていてぼくが「14mmぐらいからの超広角ズームレンズが欲しいなあ…」と言うか言わないか、相手は「そりゃムリです」とじつにきっぱりと否定されしまったことがありました。ことほど左様に似たような話はたくさんあります。そんなものできっこありませんよ、そりゃムリです、なんて否定していたことが数年後に完成して製品化されているということがカメラやレンズには(ぼくの経験では)意外と多いものです。




 あるクチの悪い人が「技術者が“できない”というのは“やりたくない”と同義語だよ。技術者と菜種は絞れば絞るほどチエは出てくる」なんて凄いことを言ってましたけど、ま、当たらずとも遠からず、ですね。
 技術者の“やりたくない”ということはさておいて、カメラにもレンズにもまだまだやればできることはたくさんあるみたいですね。ほんの二、三年前のことですが、撮像素子のいわゆるピッチサイズが3ミクロンよりも小さくなると「光学的にもまともな画像にならない」と3ミクロン限界説がまことしやかに言われておりましたが、アレはいったいナンだったんでしょうね。同じように、周辺光量不足などで35mm判フルサイズ撮像素子には既存の交換レンズは「使えない」と、これまた当然のことのように言われておりましたがコレもいったいナンだったんでしょうね。
 シグマは昨年には120〜300mmF2.8の「サンニッパズーム」という凄いレンズ ―― 文句の付けようもない素晴らしいレンズだ ―― を発売しており、今年はこの12〜24mm超広角ズームです。ニコンよりも先にニコンマウントの超音波モータ内蔵のレンズを発売したのもシグマなんですよ。

2003年11月26日(水) 

2003年11月27日(木) クリスマス、近づく

フジ・FinePix F420
 フジのコンパクトデジタルカメラに対するぼくの不満は(なんども言っているように思いますけど)マクロ撮影モードに切り替えるとズームレンズの広角側に強制固定されてしまうことです。つまり、他の機種ではごく当たり前の「ズーム全域でのマクロ撮影」ができない。そんなことはフジの技術力をもってすればカンタンなことのはずで、なにか“深い”理由があるのかも知れず、そこで、どうしてなんですか? とフジの人に聞いみたんですけど、もぞもぞ口ごもった言い方でしか返事をしてくれない。いまだに、よくわからん、のです。




 このF420は暗部でノイズが盛大に出るノイジーだと評判のあまりよろしくないスーパーCCDハニカムHRを使ったカメラです。で、ぼくも短絡的に、おっ、またノイジーなスーパーCCDハニカムHRカメラか、とタカをくくって少しばかにしておったのですが、いやいや大いに反省しました。このF420ではいままでのスーパーCCDハニカムHRとは大違いのじつにノイズレスの画像に仕上げていました。
 じつはノイズレスでつとに有名なあるメーカーのカメラ(画像処理エンジンなどで精いっぱいノイズを抑えている)と“徹底比較撮影”をやってみたんですが、あにはからんや、でしてF420のほうがずっと(ノイズにかんしては)よろしい結果がでたのです。で、そんなことを昨日、フジの新製品発表会のあと感想を少し述べたら、マクロ撮影モードの話ときとはうって変わって「えへへへっ、わかってもらえましたか、かなりがんばったんですよ…」と背中につっかい棒が必要なぐらいふんぞり返っていました。

2003年11月29日(土) 

2003年11月30日(日) 


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