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2003年12月1日(月) “初めてづくし”のソニーの一眼デジタルカメラ

ソニー・Cyber-Shot DSC-F828
 レンズ交換式一眼レフカメラに真っ向勝負のソニーのデジタルカメラ開発者の意地をかけたレンズ固定式一眼カメラです。T1も最近にないソニーの意欲と意地(と膨大な開発費も)を感じるけれど、ぼくはこちらのF828のほうにずっとソニーらしいウイットと、ソニーの真面目さが感じられて好感が持てます(T1はソニー・ウイットが希薄すぎるように思います)。前モデルのF717とスタイリングや操作系は似てはいるけど、手にして使ってみると大幅に「こりゃ違うぞ」との印象を受けました。各部分が大いに洗練されて、操作はマニュアル指向いっぱいです。使っていて楽しいカメラです。




 2/3インチ型800万画素CCDはソニー初で、R/G/Bに加えてE(エメラルド色)を使った4色カラーフィルター方式CCDであることもソニー初。28〜200mm相当のカールツァイス・バリオゾナー7倍ズームもソニー初のT*レンズだし、CFカード(タイプ2)とメモリースティックの両方が使用できるダブルスロット方式もソニー初で、RAWデータ記録ができるデジタルカメラもソニー初だし、このF828が発表された時点では新画像処理エンジンのリアル・イメージ・プロセッサーも初めての採用(発売はT1のほうが速かった)。
 画質は、ま、2/3インチ型CCDに800万画素ですからそこそこの(それなりの)写りですが、でもよくがんばってここまで仕上げたと思います。画像処理エンジンの改良が進めば将来的にもっともっとよくなるはずです、きっと。色については4色カラーフィルターの効果は確かに出ていまして、とくに赤色の色再現性が他のデジタルカメラよりも良いとの印象でしたね。

2003年12月2日(火) 

2003年12月3日(水) T*レンズのコーティング

ソニー・Cyber-Shot DSC-F828
 F828のISO感度モードはオートISOのほかISO50からISO800までワンステップづつ設定ができる。ISO400でもスゴイと思うだがISO800の設定文字を見たとき、さすがに、うへっと驚いた。うへっと驚いたのはそのISO800の画像だが(もちろんブツブツで粗れ放題)、でも別に粗れていてもイイでなないか、と思うようになった。ちょいと前のISO800のフィルムなんて、こんなもんじゃなかったしそれに比べれば“上等舶来”ではないか。
 このISO800の画像を見て、もうひとつ、おおソニーは変わったなあ…と感じ入りました。




 内蔵7倍ズームレンズはソニー初のT*カールツァイスレンズでありますが、T*のマークが付いているかどうかはレンズコーティングがチガウのだそうです。言わずもがなのことですが、こうしたカールツァイスレンズもライカレンズも、ま、言ってみればブランド名だけで、カールツァイスやライカで作っているなんてワケありません(夢のないハナシですまんです)。じつはこの7倍ズームも作っているところを知ってはいるのですが(見てしまった)でもソンなことは、あーた、口が裂けても言えませんが。
 ところでT*のコーティングですが、こればかりはカールツァイスのアイデンティティーでもありますから、ドイツ・カールツァイスからやってくるレンズ技術者はこのコーティングの材料が入った小瓶だけは肌身離さず持ち歩き、とうぜんながらコーティング処理をするときは、余人近寄らさず己ひとりでおこなう、なんてもっともらしいハナシを以前、京セラ・コンタックスの関係者から聞いたことがありますが、はてさて、彼の大ボラかな。

2003年12月4日(木) 

2003年12月5日(金) 

2003年12月6日(土) 

2003年12月7日(日) 曰く言い難い魅力

ソニー・Cyber-Shot DSC-F828
 希望小売価格16万円というのがこのF828だが実際は店頭では13〜14万円ぐらいで売られるんではないでしょうか。ソニーのことだから強気でしょう。が、EOS Kiss Digitalがあの EF-S 18〜55mmF3.5〜5.6 ズームレンズとのセットでそのくらいの、いやそれ以下の価格でいま売られておりますから、いくら強気のソニーでも、これはちょっと困ったなぁかもしれませんね。
 でも、まあ、F828がイイとそれを候補にあげたひとはおそらくKiss Digitalと比較なんぞしないで“わき目もふらずに”F828を購入するであろうと思います。じじつ、ぼくなんぞでさえその気持ちはわからぬでもないほどの、いわく言い難い魅力をF828に感じましたから。だから、そんなカメラふんっ…なんて言っている人も、実際に手にとってあちこちいじっているそのうちに、ふらふらとレジカウンターに並んでいるかも知れませんぞ。




 4色カラーフィルターCCDを生かして、このF828では色再現モードとして従来の“イッツ・ア・ソニー・カラー”に似たややハデめくっきりシャープの「スタンダードモード」と、“ジ・アダルト・ソニー・カラー”とでも言いましょうか彩度少し抑えめシャープネスほどほどの「リアルカラーモード」が選べるようになっております。ぼくは、そりゃあリッパなアダルトでありますからして、リアルカラーモードのほうに好感を抱きまして、これを選んで撮影をしておりました。
 ところでF828を使っていてぼくがもっとも気になった点は ―― 小さな気になる点もあれこれありましたけど ―― シャッターレスポンスの緩慢さでした。シングルAF、シングル撮影のとき、シャッターを切ったあとのつぎのシャッターがこれがなかなか切れない。画像処理と書き込みの時間が長いからです。4色カラーフィルターCCDで800万画素ですから、いくら最新の画像処理エンジン・リアルイメージングプロセッサーを使っても処理作業がきっとタイヘンなんでしょうね。処理アルゴリズムの改善などでもっとスピーディーにはなると思いますので(ドシロートのアイディアですが)、ぜひ早急な改良ファームを期待したいものです。

2003年12月8日(月) 来年1月発売のカメラですけど

フジ・FinePix F610
 1/1.7型スーパーCCDハニカムHRのCCDで630万画素。それを画素補完処理をして1200万画素相当の画像サイズでも記録できる。ということはつまりちょっと前に発表になったS7000と同じでありますが、このF610は、なぜかフジがこだわり続けている“縦型スタイル”の3倍ズームレンズ内蔵です。S7000は6倍ズームレンズ内蔵“ネオ一眼スタイル”のカメラ。同じCCDを使っているけれど、ISO感度がF7000がISO200からなのに対してF610はISO160から手動設定できる。




 そんな、基準ISO感度がISO200だろうがISO160だろうがたいしたことじゃあないか、とお思いの向きもあろうかと思いますが、いやこれがたいしたことなのですよジツは。と言いながらソノ詳しい説明はハナシが長くなって内容もややこしいんで省略しますが、ともかくスーパーCCDハニカムHRは ―― 出始めたときは、なんだこりゃ、と評価が低かったのですが ―― だんだんと良くなってきているように感じます。CCDの製造技術だけでなく画像処理技術もおおきく向上したのでしょうね。つい先日発表になったS7000と比べてもその画質はF610のほうがかなり良くなった印象を受けました。というよりも、F610に内蔵された3倍ズームレンズの性能がこれまたとっても良いようなんですよ。

2003年12月9日(火) 

2003年12月10日(水) ヒマにあかせて

フジ・FinePix F610
 縦長スタイルのカメラです。縦長でホールディングして構えます。でありますからどうしてもカメラをグリップしにくい。そんじょそこらにあるカメラとは見た目も違った雰囲気がありますから注目度も高いでしょうしカッコイイのですがブラさずにしっかりとカメラを持とうとするとこれが難しい。格好良く使いこなすにはそれなりの工夫と努力と我慢が必要です。横位置撮影のときはともかくも、縦位置構図で撮影するとなるとかなりアクロバット的な保持をしなくちゃなりません。




 内蔵3倍ズームレンズはF700と同じものです。そこで、ヒマにあかせて同じ条件でF610とF700で撮り比べをしてみました。F610は“極小CCD”のスーパーCCDハニカムHR(630万画素)、F700は大小CCDで幅広い階調描写が自慢のスーパーCCDハニカムSR(大が310万画素、小が310万画素)を使用しています。F610を単体で使っていたときは「こりゃあ良いレンズだなあ」とその描写に感心していたのですが、F700のそれと比べると結果的にはF700の画質のほうが上回っていました。とくにエッジ部の描写が、F610もけっして悪くはないのですが、F700が自然さ、滑らかさでは勝っているように感じました。
 F700はF610とは正反対なほどの横長スタイルでホールディング感もすこぶる良いカメラです。どちらでも、持って行っていいぞ、と言ってもらえるなら文句なしにF700を持って逃げます。

2003年12月11日(木) 

2003年12月12日(金) 

2003年12月13日(土) 

2003年12月14日(日) ベスト・オブ・ザ・コンパクトデジタルカメラ、かな

パナソニック・DMC-FX1
 手ブレ補正システムを内蔵させた300万画素デジタルカメラ。35〜105mm相当のズーム比3倍の、ごくごく普通のレンズを内蔵させたコンパクトカメラで、これに手ブレ補正システムが入っておりまして、だからその効果はてきめんです。3倍ズームレンズごときに手ブレ補正など必要ない、なぞと荒っぽいことを言う人がおりますが、いいえとんでもありません、3倍ズームだからイイんです。手ブレ補正システムの手助けをちょいと借りるだけで、とくにデジタルカメラを使っての撮影領域は格段に広がります。




 いささかおおげさな言い方ですが、ぼくはこのFX1を最近ずっと、ほとんど手放せないほどに重宝して使っています。シャッタースピードが極端に低速になってもへっちゃらほいほいシャッターを切って写しておりまして、そりゃあブレることもたまにありますが、確率としていままでとは格段の違いでブレの目立たない写真が得られます。(えーっと、言わずもがなのことですが、手ブレ補正システムとは手ブレを“防ぐ”ものではなく“目立たなく”するだけのもので正確に言うならブレの量を限りなく小さくしているに過ぎません)
 ただし、このFX1は(同じレンズ同じボディの400万画素モデルのFX5もそうだけど)撮影機能でいささかへんちょこりんなところが多々あって(パナソニックの、このカメラの開発担当者の設計意図がさっぱり理解できない)それが気にはなりますが、でも、手ブレ補正システムが入っていることですべてユルしてしまいそうな気分です、いま。

2003年12月15日(月) 色飽和した、いちごの串団子

パナソニック・DMC-FX1
 FX1の撮影モードにはプログラムAEモードのほかいわゆるシーン撮影モードがマクロや風景、夜景など5種類から選べる。プログラムAEではシャッタースピードの連動範囲下限は1/8秒までで、これよりもシャッタースピードが遅くなる低輝度被写体では露出アンダーになってしまう。そこで夜景撮影モードを選べばシャッタースピードは最長8秒まで連動するので“適正露出”で撮影することができる。




 ところが、この夜景撮影モードは、オートホワイトバランスモードを選んでいても自動的に(強制的に)色温度を下げてしまう仕様になっている(タングステン光の色カブリを補正してやろうとしてるんだろう)。たとえばオートホワイトバランスのまま暗い室内を撮影したりすると強いブルーかぶりの出た写真に仕上がってしまう(オートホワイトバランスの役目を果たしてないと思うけど)。で、仕方なくデーライトモードに切り替えて撮影することになる。
 さらに、夜景撮影モードにすると強制的にスローシンクロ撮影モードに設定されてしまう仕様になっている。だからストロボOFFで夜景撮影をしようとすると、そのつどストロボ発光禁止モードにも切り替えてやらなくちゃならない。ま、これはイイとしても(ほんとはイイことないのだが)、さて、こんどはクローズアップしようとマクロ撮影モードに切り替えると、このモードではプログラムAEと同じく1/8秒までしか連動してくれない。つまり1/8秒以下になるような暗い場面になると、結果的には、こんりんざいクローズアップ撮影できないことになっておるようなんです、このカメラは。

2003年12月16日(火) 

2003年12月17日(水) 

2003年12月18日(木) でも、まぁ、写りはこんなモンじゃないかな…

カシオ・A5403CA
 ハーイ、これは携帯電話です。その電話に内蔵されたデジタルカメラは200万画素です。で、レッキとしたデジタルカメラに使用されております1/2.7型のCCDを使っていて、そう、この携帯電話を作ったのはカシオでありまして、カシオの1/2.7型200万画素CCDのカメラと言えば薄型EXILIM EX-S20なんかがあります。ところがそのS20は固定焦点式なのでピント合わせはお仕着せですけど、ところがドッコイ、こちらの、携帯電話にオマケのデジタルカメラのほうはAFに対応しており、さらにマクロモードに切り替えても(測距スピードはメチャ遅いけれど)AFでピント合わせもできるのであります。




 けれど、やっぱりナンダカンダといっても、やはりその写りは“カメラひと筋”のS20のほうが格段によろしい(当たり前だ)。まあ、有り体に言えばオモチャです(というのがぼくのストレートな印象です)。悔しいからオモチャなどと言ってるんではなくて、よくできたオモチャとしてワリきってこのデジタルカメラ機能を使えばそれはそれで楽しいと思う。そのかわり、ムツかしいこと言ったり ―― レンズがどうの、ノイズがどうの、AFがどうの、などなどあれこれ文句を言っちゃあダメです。
 ホワイトバランスモードも備えていて切り替え可能だし、画質モードもファインとノーマルでJPEG圧縮率を変えることもできるし、なんと、5種類のシーンセレクトモードも備わっておるんですから、オジサンとしてはたまげました。

2003年12月19日(金) 内蔵レンズの焦点距離は「非公開」

カシオ・A5403CA
 ま、いちおう、ぼくもデジタルカメラ機能を内蔵した携帯電話を持ってはおりますが、そのカメラ機能を“使う”ことはまったくない(携帯電話そのものもあまり活用していないけど)。手に入れたときは物珍しさで数カット、我が家の家族やネコを写して、ふーんっ、だけで終わってしまいました。ハッキリ言って、その内蔵カメラで「写真を撮ろう」などとツユとも思いません。ぼくにとっては、グリコのおまけ、程度の価値しかありませんが(誤解しないで欲しいけど)しかし、だからといって携帯電話内蔵のデジタルカメラを否定するものではありません。




 自分の使っている携帯電話に内蔵のカメラのスペックについても、だから、まったく興味がありませんが、けれど、この200万画素のA5403CAについては「そのスペックに関しては」おおいに興味があります。
 そこで製造元のカシオに、内蔵レンズの焦点距離と開放F値、連動するISO感度範囲、通常撮影モードとマクロ撮影モードでのAF連動距離範囲を尋ねたのですけれど「詳しいスペックについては注文主であるKDDI(au)に公表していいかどうか確かめてみないと教えられない」という返事で、しばらく待ったあとに、結局、焦点距離と開放F値、ISO感度については「非公開」でした。レンズ構成など、聞いてるワケじゃないのに…。
 しかし、ナンでこんな基本的なスペックを“隠し”たりするんだろうかと、いぶかしく思いました ―― ま、いろいろ理由があるんだろうけど、でも非公開なんて言われるとますます知りたくなるよなあ。

2003年12月20日(土) 

2003年12月21日(日) 

2003年12月22日(月) 

2003年12月23日(火) 

2003年12月24日(水) 

2003年12月25日(木) 忙中、少しだけ閑あり

ニコン・COOLPIX SQ
 久しぶりに手にするSQ。発売直前だったか直後だったかに使ったSQは、撮影したその画質があきれるほど芳しくなかった記憶があったのですが、久しぶりに使ってみて、画像を見て「あれっ」とディスプレイ画面にしばし見入ってしまいました。あの、だらしないノイジーな画質ではなく、ごくごく普通の、いやそれ以上の画質になっていて(以前と比べれば)大変身をとげておりました。
 ファームウエアのバージョンを見てみると「1.3」でして、なんだなんだということでニコンに確かめましたところ「つい先頃、画質向上のファームウエアのバージョンアップをしたよ」とのことでした。以前に写した画像のExifを見ると「Ver.1.0」や「Ver.1.2」などがありました。




 例年のことながら年末進行のせいで ―― お正月休みのために締め切りが前倒しになって、こんなときに限って手間のかかる仕事が多い ―― なんだかばたばたした生活をしています。気持ちばかりが先行して、前の方につんのめりそうになって、おっとっととと日々過ごしている状況でありまして、そんな中、エアーポケットに入ったようなうららかな日和の本日は、がらーんとした浜離宮公園で撮影の仕事でした。
 砂利道をとぼとぼ歩いていて見上げたその上には、秋のなごりの紅葉とまだまだがんばっている色鮮やかな緑の葉っぱが対照的で、しばし見とれておりましたが、おーい、タナカさーん、と無粋に呼ばう声を聞いてわれにかえった次第です。

 忘れておりましたが、メリークリスマス。

2003年12月26日(金) 六本木はまるでお祭り

ニコン・COOLPIX SQ
 売り出し直前や直後のSQの画質と比べて、その後、数ヶ月たってファームウエアがバージョンアップされたSQの画質がこれほど違うなんて、こんなことそうザラにはありません。もともとSQは発売日が遅れに遅れて、いったいどうしたんだっ、と盛んにブーイングが出ていたいわくつきの機種で、きっと、ニコンはほとほと困り果てて生煮え状態のまま発売してしまったのではなかろうか、と今になるとそんなふうに勘ぐりたくなる。
 SQに使われているCCDは多くの他のメーカの機種にも採用されていて、それぞれの機種がそれなりの画質に仕上げていたわけで、ニコンのSQだけがあんな画質だったのかが不思議でしたが、つまりは、未完成のまま市場に出してしまった、というわけなのかなあ。




 一昨夜、昨夜の、六本木ヒルズの人混みは、そりゃあ凄いもんでした。夜、仕事を終えたあと、事務所を出て地下鉄に乗って帰ろうと日比谷線六本木駅の改札に向かったのですが、切符を買うために自動販売機に長蛇の列で、もう、そのあたりは人で大混雑。改札までたどり着くことさえ容易ではない状態でした。長年、六本木駅を利用してますけど、こんな混みようは初めてのことでした。
 12月になってから六本木ヒルズはあちこちでなかなか凝ったライトアップをおこなっておりまして、それを見に来たりする人で“満員状態”になっています。フィルムの現像所に行くときに、ぼくはいつもこの六本木ヒルズを通り抜けるのですが(いちばん近道だから)、でも夕暮れ時以降は、人たちにぶつからないように歩くのがタイヘンなぐらいで少し遠回りをしています。

2003年12月27日(土) カールツァイスT*レンズとKYOCERAレンズ

京セラ・Finecam SL300R T*
 300万画素3倍ズームレンズ内蔵で撮影時にレンズ部を回転させ持ち運びするときは約1.5センチ程度の薄型フラットになるという(これをイージーフレーミングボディなんて名付けておりますが)そのSL300Rの、こちらはT*カールツァイスレンズのモデル。レンズ名は「カールツァイスT*バリオテッサー」なーんて。いっぽうのT*なしのSL300Rは「KYOCERAズームレンズ」とそっけないが、レンズ構成も開放F値ももちろんズーム域もなにもかも同じレンズで、では、何が違うんだと言えば、T*カールツァイスレンズかKYOCERAレンズか、の違い。
 いや、もう少し詳しく言えば「カールツァイス基準のレンズコーティングが施してある」のがSL300R T*ですが、でもこんなこと、カメラオタッキーでもなけりゃ興味もありませんよね。




 以下はカメラオタッキーに向けたハナシです。
 ぶっちゃけて言いますと、SL300RとSL300R T*とはカメラボディもレンズも撮影機能も、基本的にはなにからなにまでまったく同じものです。違うところと言えば、レンズにカールツァイスT*コーティングがしてあるかどうか、価格が実販ベースで1万円ほどの差があり、絵づくり(つまり画質)が少し変えてあって、ボディデザインがちょっとだけ違うこと、などでしょうか。
 京セラは「T*コーティングならではのフレアやゴーストのきわめて少ないクリアな描写」と言っておりますが、じっさい、SL300RとSL300R T*を比較撮影してみましたけれどそう大言壮語するほどのカールツァイスT*レンズでもないように思いました。むしろ違いは絵づくり、画質のチューニングの違いのほうに差がありました。これは好みの問題でしょうけれど、ぼくには断然、SL300R T*のほうの画質のほうが良かった(あくまで2機種の比較でのハナシです)。約1万円高いけれど、もし画質に(めちゃくちゃ)こだわっているならT*モデルのほうがおすすめでしょう。

2003年12月28日(日) 画像処理プロセッサー・R-TUNE

京セラ・Finecam SL300R T*
 SL300Rにも、このSL300R T*にも、画像処理プロセッサー・R-TUNE(アールチューン)が搭載されていることがウリのひとつになっております。このR-TUNEの“おかげ”で、ノイズの少ない階調描写力の豊かな高画質に仕上げられている、高速の画像処理をおこなって最高画質モードでも最高3.5コマ/秒でメモリーカードいっぱいまで連続撮影ができる、ということになっています。R-TUNE画像処理プロセッサーは、別シリーズのS5RやS3Rにも採用されていて、同じように高速連写撮影などがウリになっています。
 画像処理プロセッサーとは ―― メーカーによっては映像エンジンとか画像信号処理システムなどとよぶこともありますが、ま、おなじようなもん、です ―― 撮像素子で受けた光信号データをデジタル画像ファイルに仕上げてからメモリーカードに書き込むまでの、いちれんの処理をいっきにおこなうようにLSI化(ハードウエア化)させたもの。




 なんだかじつに、まどろっこしい説明をしてますが、正直に言いますとぼくにもそのへんの詳しい内容はよくわかってなくて、いやそれよりも、こうした画像処理システムこそが各デジタルカメラメーカーが、いまもっとも力を入れているところで(開発費用が膨大にかかる)だから詳しい内容はもちろん内緒にしています。
 そして各メーカーによって、この画像処理システムを自社で開発しているところ、どこか専門の画像処理メーカーからLSIを“買って”搭載しているところ、いくつかに分かれた画像処理LSIを“組み合わせて”搭載しているところなどなど、いろいろです。で、京セラのR-TUNEの場合は、アメリカのベンチャー企業・ニューコアテクノロジー社からLSIの供給を受け、京セラでそれを独自にチューニングをしている、ということらしいですが、これ以上話せば長くなるしデリケートな部分にも触れそうなので、きょうはこのへんで。

2003年12月29日(月) 

2003年12月30日(火) 

2003年12月31日(水) そういえば「ブリッジカメラ」ってのがありましたねえ

フジ・FinePix S7000
 S7000は、レンズ固定式の ―― レンズ取り外しができない ―― いわゆる「レンズ固定式一眼デジタルカメラ」です。レンズ交換式一眼レフカメラのように反射ミラー(レフレックスミラー)を備えていないため「一眼(レフ)タイプ」とよぶ人もおります。じじつ、ぼくもそうよんでいます。前にも少し述べましたが、フジではこのタイプのカメラを「ネオ一眼カメラ」とよんでおりまして、それを聞いてムカシ、同じようにレンズ固定式の一眼タイプのフィルムカメラを「ブリッジカメラ」とか「ニューコンセプトカメラ」とよんでいたのを思い出しました。




 ところで、しかしコンパクトカメラでも同じように撮影レンズが一本しかないから「一眼タイプのカメラ」ではないか、と言い張る人もおりまして、でもそうなるとステレオカメラ以外はすべて一眼タイプカメラとなってしまいヤヤこしい、と説明しましたが、なんだか納得できない様子でした。
 その「ブリッジカメラ」の名称の意味ですけれど、機構的に一眼レフカメラとコンパクトカメラの間にあるようなカメラで ―― 反射ミラーを備えた機種もあったようです(ムカシのことで忘れちゃいました) ―― 、それで両機種の“橋渡し”をするようなカメラだからブリッジカメラと名付けたと、ウソのような、これはホントの話です。今ではブリッジカメラなんてよぶ人はほとんどいなくなりました。そのカメラもほとんどがすっかり姿を消してしまいましたが、オリンパスの「L-5」がただ一機種残っているだけです。

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