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2004年8月1日(日) 

2004年8月2日(月) 

2004年8月3日(火) DOレンズは「魔法の素子レンズ」かな

キヤノン・EOS-1Ds + EF70〜300mmF4.5〜5.6 DO IS
 「DOレンズ」は回折現象を利用した光学素子レンズでありまして、その詳しい説明はぼくの手には負えませんので省略しますけれど、ま、キヤノンが言うのには「魔法のレンズ」だそうです。この「魔法レンズ」を撮影レンズに応用したのが70〜300mmズームです。400mmF4 DO ISにつづく、二本目のDOレンズとなるわけですが、初のDOズームレンズとなるわけでもあります。で、またキヤノンが言うのには「ズームレンズにDOレンズを使って製品化させたこと画期的なできごと」だそうなんです。従来の2積層型DOから、70〜300mmのために3積層型DOを新規開発して、そりゃあもう技術的には涙なくしては語れないほどのものだったそうです。




 でも、ぼくにはどこがそんなに“凄いこと”なのかピンときません。じっさい70〜300mmDOズームをしばらく使ってみたけれど、ふーんっ、てな程度でした。いや誤解されると困るんですけど決して悪いレンズ、描写がどうのこうのというようなズームレンズではないけれど、うわっ、と感動するような写りではなかったということです。“魔法の”と言うなら、その魔法をぼくにも見せてくれよ、と言いたくもなりました。たしかに、DOレンズならではの色収差補正や球面収差補正は効果的にあらわれてはおりますが、ソンなのならちょっと重く大きくなるけれど特殊低分散ガラスや非球面レンズを使えばすむことじゃあないか、と思ったりもしました。
 重さや大きさ、価格を比べると相当な違いですが、同時にEF28〜300mmF3.5〜5.6L ISと撮り比べてみました。結果は (かなり個人的な好き嫌いの評価ですが) 、28〜300mmのほうが良かった。70〜300mmの描写は、なにかが足りないようなそんな気がしました。というわけで「3本目のDOレンズ」に期待するところ大です。

2004年8月4日(水) ひさびさに感動的な単焦点レンズでした

ニコン・D70 + AiAFニッコール VR 200mmF2.0G
 200mmF2.0クラスのレンズといえばすぐに思い浮かぶのは、キヤノンのEF200mmF1.8L (カタログから消えているからディスコンになったのかな、良いレンズだったけどなあ) 、そしてコンタックスマウントのカールツァイス・アポゾナーTスター200mmF2.0 (ぼくは持ってるけれど最近ほとんど使ってないなあ) などですが、いずれも「大きい重い高いけど描写性能抜群」が共通しています。ニコンの200mmF2.0も、その写りは凄かったです。素晴らしかった。




 キヤノン200mmF1.8、ツアイス200mmF2.0のレンズと、ニコン200mmF2.0が決定的に違うのは ―― アタマひとつ抜き出ている印象だ ―― ニコンには手ブレ補正機能 (VR) が入っていることだと思います。このVRのおかげで、レンズが備えている高性能がきちんと引き出せてるんではないでしょうか。どんな性能の良いレンズといえども、ブレちゃあ、なにもかもがおしまいですから。
 ニコン200mmF2.0を使って、やっぱり単焦点レンズは素晴らしいッ、と再確認をしました。優れたズームレンズを褒めるときに「単焦点並みの描写性能」なんて言いますが (ぼくも、よく言いますけど…) 、それは言い過ぎおだて過ぎ、うぬぼれるなズームレンズ、です。良い単焦点レンズには、どれだけ優れたズームでも肩を並べることさえできません。単焦点レンズは“性能いちず”でけなげなところがありますが、ズームレンズは“八方美人”ちゃらちゃらお調子もの (でも、ぼくはソレが好きですけど)、なんて気もしないでもありません。というわけで、久しぶりに感動的な描写のレンズを体験しました。

2004年8月5日(木) 高倍率ズーム内蔵カメラの中では“イチオシ”でしょう

コニカミノルタ・DiMAGE Z3
 Z1、Z2には手ブレ補正 (AS) の機能が入っていなかったし、背面液晶とEVFとの切り替え動作が ―― メカニズム的にはケッサクだとは思うけれど ―― あまりにもちゃちっぽかったし、なによりもそのボディ外観スタイルが珍奇すぎまして、せっかく備えている“実力”を正しく評価してもらえなかったようですが、Z3になってようやく手ブレ補正が入り、あれやこれや機能も使い勝手もブラッシュアップされてとっても良いカメラに仕上がりました。ここでも、旧ミノルタ伝統の“クセ”がいかんなく発揮されまして、それはナニかと言えば、二代目、三代目とバージョンアップ、マイナーチェンジされるたびに初代とは見違えるようにカメラが良くなることです。




 高倍率ズーム内蔵で手ブレ補正機能を備えた同クラスのカメラとして、キヤノンのPowerShot S1 IS、パナソニックのLUMIX DMC-FZ3があります。ちょうどそれら3機種を同時に比べることができましたが、その総合的な印象はといえば、ダントツにZ3が優れていましたね。ボディサイズは適度なコンパクトさがあり、ホールディング性もよい。備わっている撮影機能も充分だし使い勝手もすこぶるよろしい。操作レスポンスもはきはきしているし、AF測距性能も予想以上にスピーディーで確実。画質については ―― ま、このクラスのカメラで神経質に画質云々などあまりしたくはないけれど ―― 色調、階調描写など、他の2機種に比べればずっと“大人っぽい”仕上がりになっていました。ぼくは好きな画質、色調でした。

2004年8月6日(金) オーソドックスでソツのないツクリのカメラです

ソニー・Cyber-Shot DSC-W1
 W1をはじめて見たのは今年2月のラスベガスPMAショーの会場でした。じつにオーソドックスなスタイルでしたが、印象は決して悪くありませんでした。で、使ってみても、ほぼその時の印象と大差はありません。ただ液晶モニターが戸外などでちょっと見にくいのが難でしたが。モニターは2.5インチ型で大きさには文句はありません。単3型乾電池を2本使用するのですが、それにしてはよくコンパクトにまとめたと感心もします。もうひとつ不満といえば、あのソニーらしい“ウイット”がどこからも感じられない。「堅物」の印象の強いニコン製、といってもヘンにも思わないカメラです。




 せんじつソニーからP-150という700万画素のカメラが発表になりました。1/1.8型CCDの700万画素 (総画素数は740万画素) です。ということは、このW1も1/1.8型CCDを使っておりますから、ひょっとするとこの秋にも700万画素の「W2」かなんかが発表されても不思議でもナンでもありませんよね。というわけで、秋には各社からばたばたと700万画素コンパクトデジタルカメラが発表されるでしょう。
 こうした高画素化の傾向についてはじつはぼくは賛成なのですが ―― 理由はちゃんとあるんですがソレを言うと長くなる ―― でも、ひとこと、そんなことを発言したりすると、ごく一部の人たちからヒステリックに、まるで非国民であるかのように叫ばれ糾弾されるというのも奇妙なもんです。ふんっ、言っときますけれどね、700万画素なんてすぐになくなって、あっという間に1/1.8インチ型で1000万画素の世界になる可能性大ですよ (ある問題が解決すれば) 。

2004年8月7日(土) ユーザーの顔の見えないカメラ

フジ・FinePix E550
 フジのFinePixシリーズとして新しく加わった「Eシリーズ」です。「E」とは「Egrip (イーグリップ) 」の頭文字をとったものらしく、「E」つまり「イイ (良い) 」てなことのようです。発表会でもらったプレスレリーズには「優れたホールド性で撮影しやすいEgrip…」云々と書いてありましたが、しかし、だからナンだ、と少しつっかかりたくなるような印象の薄い (パンチのない) カメラです。でも、えらく保守的なスタイルのカメラでもありますから、ムカシからのフィルムコンパクトカメラに親しんでいたような人にはほっと安心できるのかもしれませんね。ただ、なにかこう、なんと言えばいいのか、デザイン的なもうひとひねりの工夫が欲しかったです。




 E550とE510の2機種が同時に発表になりました。E550のほうは1/1.7型スーパーCCDハニカム「HR」を搭載して有効画素数は630万画素。で、画素補完処理 (ハニカム画像処理) をして最大記録サイズにしたとき1230万画素もの画像にもなります。もう一台のE510はスーパーCCDハニカムではなく1/2.5型のごく一般的な520万画素CCDを使っています。ともに、2.0インチ型の大型液晶モニターを備えているのは同じですが、内蔵レンズがちょっと違います。E550は4倍ズームで32.5〜130mm相当、E510は3.2倍ズームで28〜91mm相当となっております。ボディスタイルはいっけんすると“うり二つ”ですがよく見ると、大きさも少し違いますしあちこち小さな違いもあります。
 というわけで、両機種を少し使っては見たのですが、E550とE510のそれぞれのユーザーターゲットがさっぱり見えてきません。フジがいったいどんな人たちに向けてこの2機種を出したのでしょうか、それがわかりません。欧米ではそこそこ売れるかもしれないけれど、さて日本ではどうなんでしょうか。

2004年8月8日(日) アルファ、ロメオ、ミラノの三匹の子猫

ペンタックス・*ist D + DA 16〜45mmF4 ED AL
 ペンタックスファンのひとりとして、ペンタックスにはもっともっとがんばって変わって欲しいと思う。デジタルカメラに参入するのに他のメーカーに比べて少し遅かったぶん、旧態依然としたスタイルをいっそう払拭してがんばらねばならないのだけれど、どうも外から見ていると開発スタッフは相変わらず“殿様ふう”なんですよ。いや、オレたち一生懸命やっとるよっ、だいぶ変わってきてるよ、と言われても、うーむ、てな感じです。ずっとムカシからカメラの設計開発部の人たちは、同じように板橋区前野町の路地の奥まったところにある建物の中で仕事をしている。先日、ちょっとした取材で、久しぶりにそこに行きましたが、なんだか10年前にタイムスリップしたような気分で、ムカシとぜーんぜんかわっとらんじゃあないか。




 わが家にもネコがいっぴきおります。こんなふうに、いつもごろんっと寝てばかりです。10年以上も前のことですがひょんなことから取材先でもらってきたネコです。白いチンチラなんですが、子猫が三匹います。いっぴきもらってくれませんか、と言われて、それでわが家にやってきました。ネコの元飼い主は古いアルファロメオ・ジュリア・スーパーのオーナーでして、三匹の子猫に、アルファ、ロメオ、ミラノ (アルファロメオはイタリア・ミラノにあります) と名前をつけていました。タナカさん、どれがイイですか。いやあぼくにはわかりません。じゃあ、真ん中のロメオはどうですか、いちばん性格がよさそうです。というわけで、ロメオの名前のまんま奈良から新幹線に乗って来ました。いま、ぼくの横でごろんっとロメオは気持ちよさそうに寝ています。

2004年8月9日(月) 

2004年8月10日(火) 

2004年8月11日(水) 

2004年8月12日(木) スーパーCCDハニカムはヤヤこしいなあ…

フジ・FinePix F810
 このF810は16:9の横長ワイドの液晶モニターを搭載したF710の“兄弟”機種であります。F710は大小のハニカム素子を使った有効670万画素のスーパーCCDハニカム「SR」で、F810は同じ大きさのハニカム素子を並べた有効630万画素のスーパーCCDハニカム「HR」を使用しています。内蔵レンズや外観スタイル、操作ボタン類などのメカ部分はF710もF810も“まったく”同じです。撮像素子が違います。




 ぶっちゃけて言えば、「SR」は階調描写力重視、「HR」は解像力重視のスーパーCCDハニカムです。以下ちょいとヤヤこしいですが、16:9のワイド画面を選んだとき最大記録画像サイズは、「SR」F710が約4MP、「HR」F810は8MPとなります。通常の4:3画面に切り替えたときは、F710が6MP、F810が12MPにもなります。ISO感度は「SR」F710のほうはISO200〜800 (ISO1600では1MPサイズとなる) 、「HR」F810はISO80〜400 (ISO800では3MP)です。さらに、F710を初心者用プログラムAEモードにするとISO400か800しか選べなくなったのですが、F810ではそんなヤヤこしいことにはならず通常撮影モードと同じです。この暑いのに、こんな細かいことどうでもイイでしょうけれど。
 で、どっちが好みか、と言えば、ぼくはF710です。しかし、カメラとしてのデキはF810のほうが優れています。

2004年8月13日(金) 700万画素のコンパクトデジタルカメラ

ソニー・Cyber-Shot P150
 1/1.8型CCDながら700万画素を越える高画素のコンパクトデジタルカメラです。使ってみましたら、当初予想していたよりもずっとデキが良かった。同じ1/1.8型サイズの500万画素CCDと比べて、一部の人たちがあーだこーだと言うほどノイジーでもなかったですし、いやむしろ、その圧倒的な解像力 (と同時に画像処理技術の向上) のおかげか、500万画素の画像を越えていました (あたりまえか) 。こうした高画素デジタルカメラの使いこなしのポイントは、まずブラさないことです。カメラが小さいから、ついつい安易にホールディングして、ほいっ、なんて気軽にシャッターを押してしまいがちですが、でもブラしちゃあナニもかもおしまいですからね。




 小さなCCDサイズのまま高画素化すればいろいろと弊害が出てくるだろうことは承知の上ですが、しかし同時に進行している新しい技術や仕組みをウマく応用することで“弊害”を目立たなくすることも不可能ではないと思っています。おそらく近い将来にはこのクラスのCCDできっと1000万画素になるでしょうけれど ―― そのためにはレンズがひとつのキーになってくるでしょう ―― そうなったときに、なにか新しいデジタル写真の世界が始まってくるような、ぼくはそんな期待をしています。とにもかくにも、いちどその世界を経験してみないことにはハナシは始まりません。なのに、観念的に情緒的に、“極小画素”はダメだ、とか、そんな高画素が必要あるのか、とかムキになって否定していてもしょうがないじゃあないですか。ま、ぼくはかなり楽天的ですけど、高画素化がどんどん進んでいけば、ひょっとするとまったく新しい写真表現が起こることもなきにしもあらずでして、それに期待をしているというわけです。

2004年8月14日(土) 新リバーサルフィルム「フォルティア」の売り切れ

ソニー・Cyber-Shot P150
 同じ1/1.8型サイズのCCDを使って500万画素機のほうがP100です。P150はCCDだけを載せ替えた700万画素機で、だからレンズもボディスタイルもまったく同じです。と、書いたところで、ちょっと心配になってソニーのカメラスペックを機種ごとに比較できるページで調べたら、おおっやっぱり、CCDを載せ替えただけのようです (“だけ”でなないことは言うまでもありませんけどね)。ほんらいな、もうちょっとナニか変化が欲しかったよなあ。
 ただひとつ、この比較表を見ていておもしろいなあと思ったことは、ソニー独自の「スマートズーム機能」を使ったときの最大ズーム倍率でした。P100では約12倍だったのがP150では約14倍になっています (ともにVGAサイズ)。これなんかは、高画素化による“恩恵”のひとつと考えてもいいのではないでしょうか。




 以下、デジタルカメラのハナシではありません。銀塩フィルムのハナシであります。

 富士フイルムから数量限定で「フォルティア(fortia)」という名前のリバーサルカラーフィルムが発売されました。これが (ぼくの予想を大きく覆して) 大人気でありまして、7月下旬に発売が始まってあっという間に店頭品切れが続いたそうで、情報通の話によりますと「もう流通在庫だけになってしまったようだよ」とのことでした。
 135タイプと120タイプがあってそれぞれ5本パックのみの販売で、限定生産数量の合計7万パック (35万本) がいまや“売り切れ近し”なんだそうです。以前のドハデなベルビア (ISO50のほう) よりもさらにドドハデな発色とコントラストが特徴のフィルムです。デジタルカメラで彩度強調を選んで撮影している人が多いとの情報を得て、そんじゃあフィルムでもいっちょやってやるか、と企画が始まったそうです。ぼくは数ヶ月前にさんざん比較テスト撮影をしてみましたが、うんざりするほどのケバケバな色調でありまして、だからそんなフィルムが売れに売れるというのが、いやはやナニがドーナっておるのか奇妙であります。

2004年8月15日(日) 

2004年8月16日(月) Mercedes-Benz・300SL と LEICA・M3

ソニー・Cyber-Shot P150
 こうした小型コンパクトボディのカメラで500万画素や700万画素、はては1000万画素ともなればカメラブレが大きな問題となってきます。カメラブレはカメラの大きさにはあまり関係がない (大きくて重いカメラほどブレにくい、と思っている人がいるようですけど)。ブレるときはブレる。ただ、小さなカメラだと、つい気軽な気持ちになってしまいがちで、片手撮りなんかもヘイキでやっちゃう、だからブレる確率も高くなるということです。というわけで、今後、ぜひ欲しいのは手ブレ補正機能です。コンパクトデジタルカメラではパナソニックやキヤノン、コニカミノルタがブレ補正機能を内蔵させた機種を出していますが、ソニーなんか、いつまでものほほーんとしてないで、さっさと手ブレ補正機能を入れたカメラを出して下さいね。




 Mercedes-Benzの300SLです。1954年に発表になった (ニューヨークのモーターショーだったかな) 高級スポーツカーであります。この300SLのレーシングモデルに、「300SLR」というクルマがありまして、これが1955年6月のル・マン24時間レースで大事故を起こしました。ジャガーDタイプと優勝争いをしていてちょっとしたはずみで満員の観客席に飛び込んでしまい100人近い死者を出してしまいました。300SLを見るといつもその事故のときの写真を思い出してしまいます。そしてもうひとつ思い出すのは力道山と石原裕次郎です。二人ともこの300SLに乗っていてね、六本木の誠志堂書店の前なんかでときどき見かけたよ、と年配の自動車評論家がよく話をしてくれました。
 300SLが発表になった1954年というと、そうです、ライカM3がフォトキナで発表になってカメラの歴史が大きく動いた年でもあります。ちょうど今年で50年目の節目にあたりまして、だから9月末に開催されるケルン・フォトキナではライカ社はきっとM3の記念的な機種を発表するに違いありません。

2004年8月17日(火) 

2004年8月18日(水) 

2004年8月19日(木) P100よりもP150のほうがレスポンスはよろしい

ソニー・Cyber-Shot P100
 こちらのP100は500万画素のほうです。CCDのサイズは700万画素のP150と同じ1/1.8型です。内蔵3倍ズームレンズはP100もP150も“まったく同じ”ということになっていますが、しかし二つのカメラで同じ被写体を写して比べてみるとどうも少し“違う”ような気もします。P150のレンズのほうが少し良くなっている感じがします。むろん、画素数や画像処理のことはさておいて見るようにしていますが、そうカンタンに切り離すことも難しいのですが。ですから、ナンとなく…です。




 そんなことよりP100からP150になって明らかに良くなった点があります。
 ワンカット写して、さらに続けてもうワンカットを写そうとしたとき、P100ではオートビュー (ポストビューとかレックビューとか言いますが) の表示中はいっさいナニもドンな操作も受け付けてくれない。その表示が消えるまでじっと待ってなければならないのです。ところがP150ではオートビュー表示中でも、シャッターボタンをちょいと半押しするだけでポストビュー表示が即中断されて撮影スルー表示になり、いつでもシャッターが切れるようになりました。だから、記録する画像ファイルサイズは大きくなったけれど、P150のほうがずっとレスポンス良く気持ちよく撮影ができます。 こんなこと、他のメーカーのカメラでは“あたりまえ”のことなので、だからP150をそうそう“褒めすぎる”こともできませんけど。

2004年8月20日(金) 

2004年8月21日(土) 

2004年8月22日(日) とても視認性の良い2.5インチ型大型液晶です

パナソニック・LUMIX DMC-FX7
 いいカメラです。チャーミングなカメラで気分良く写せます。使っていて楽しい。いくつか細かな注文はありましたが総合的に見れば完成度はひじょうに高い。このFX7と同じボディサイズでFX2が発表されました。FX7は500万画素で2.5インチ型液晶モニター、FX2は400万画素で2.0インチ型液晶モニターのちがいがあります。価格はオープンなんですが、FX7は5万円チョイぐらい、FX2は4万円ぐらいと予想されていましてちょうど1万円の“差”があります。その両機種を使ってみたぼくの感想はもしFX7かFX2かで迷ったら、“迷うことなくFX7”だと思います。




 FX7の2.5インチ液晶モニターはなかなかの迫力があります。ボディサイズが小さいから2.5インチが余計に目立つ。ボディ背面は大型液晶画面でほとんど埋め尽くされているかのようです。それにこの液晶モニターが見やすいのがなんと言ってもイイです。強い直射日光の下でもよく見えます。室内や日陰でキレイに見えているのに明るい場所になるととたんに霧の中の景色を見ているようになるモニターもありますが、FX7もFX2もそうしたイクジのなさはありません。
 2.5インチ大型液晶を採用したコンパクトデジタルカメラとしては、ソニーのT1、T11、W1や、オリンパスのAZ-1などがありますが (もうすぐ、あるメーカーからも2.5インチ型搭載コンパクトが正式発表になるでしょうけれど) 、液晶画面のキレイさと見やすさ“だけ”は評判の良いAZ-1と同等、と言って良いでしょう。

2004年8月23日(月) 撮影の基本を守ってこその手ブレ補正機能

パナソニック・LUMIX DMC-FX7
 手ブレ補正機能を備えたコンパクトデジタルカメラです。メーカーでは「シャッタースピードで約3段分以上」のブレ補正効果があると言っております。1/60秒ならぎりぎりブラさずに写せる人でも、そこから3段分、すなわち1/8秒のスローシャッタースピードで撮影しても1/60秒のときと同じようにブラさずに写せる、というもの。ただしこれを“鵜呑み”にしてはいけません。いつでも、どこでも、だれでもが、どんなふうにシャッターを切っても「3段分以上の効果」があるとは限りません。むろん、手ブレ補正の効果はないというわけではありませんが、使い方によっては1段分の効果ぐらいしか発揮できなこともあります。




 言うまでもないことですがFX7に搭載されているのは手ブレ「補正」機能であって手ブレ「防止」機能ではありません。このへんをちょっとカンチガイして「ブレるじゃあないかッ」と文句を言う人もいるかもしれませんが、手ブレをなくしてしまう (防止する) という機能ではないのです。ブレ量を目立たない程度に「補正」しているに過ぎません。だから、ブレ補正機能を備えてるからといって、ぞんざいなカメラ保持のままシャッターを切ったりすれば間違いなくブレます。
 ブラさないようにきちんとカメラをホールディングして落ち着いてシャッターを切る基本は忘れてななりません。その基本さえ守って撮影すれば、ときには、3段以上の補正効果も得られます。加えて言えば、低速シャッタースピードになるほど複数カットを撮っておくことです。手ブレ補正機能はちょっとしたタイミングで補正効果が違ってくることがありますから、たとえば3カット写してそのうちのワンカットだけがばっちりとブレ補正されているということもよくあることです。

2004年8月24日(火) 

2004年8月25日(水) 手ブレ補正は常時ONにして使うべきです

パナソニック・LUMIX DMC-FX2
 このFX2は400万画素のほう。500万画素のFX7とはボディサイズや内蔵レンズ、機能などは基本的には同じです。ただ、画素数と液晶モニターの大きさが違います。FX2は2.0型でFX7の2.5型に比べると“小さい”ですが、でも2.0型といえども (あたりまえだけど) 1.8型や1.5型と比べるとじゅうぶんに大きくて見やすい。またFX7には4色のカラーバリエーションが揃っていますが、こちらFX2はシルバーのみしかありません。
 ところでFX7もFX2も使いこなしの上でちょっと注意しなければならないのは電源セーブです。うかうかしているとすぐに電池残量がなくなってしまいます。対処方法としては頻繁にメインスイッチのON/OFFをすることです。撮影時あるいは画像チェック時以外はできるだけメインスイッチをOFFにして省エネに勤めるべきです。




 手ブレ補正はON/OFFの切り替えスイッチがボディ上部に独立して設けられております。手ブレ補正ONにはさらにモード1とモード2が選択できます。モード1は常時手ブレ補正機能が働いています。モード2はシャッターを切った瞬間、つまり露光される直前にブレ補正機能が作動します。具体的に言いますと、モード1では補正レンズ群がふらふら動いている状態で“運が悪ければ”端っこにいることもあります。ところがモード2では補正レンズ群は常に真ん中、ニュートラルな状態にありますから“最短距離”で所定の位置に移動することができます。このため、使用説明書にも「モード2のほうがブレ補正効果は高い」と書いてあります。
 ところがぼくが実際にモード1、モード2を切り替えて撮影してみた結果では“圧倒的”にモード1のほうが補正効果はありました。少し不思議。でもしかし、どんな場合にモード1とモード2を選択して撮影をすればよいのか、そのへんの的確なアドバイスがパナソニックからなされておらず、これはちょっと不親切ですね。

2004年8月26日(木) S70の話も、少し

キヤノン・PowerShot G6
 500万画素であるG5の後継モデルです。G6では700万画素になりました。ボディ外観のデザインも“一新”されて、各操作部のレイアウトも大幅に変わりました。ボディサイズは横幅が縮められてコンパクトなスタイルに変身。また、カメラを構えたときにちょうど右手親指の当たる部分が広くなったことと、グリップ部の形状も大きくなってホールディング性はそうとうに良くなりました。液晶モニターはG5と同じくバリアングル方式ですが、G6では画面サイズは2.0型と大きくなりました。レンズは“いちおう”同じものです。




 G5からG6になって、ま、最大の変更点といえば、700万画素の高画素CCDを採用したことでしょう。もちろんボディデザインは大きく変化して使い勝手はかなり向上はしていますが、しかし、有り体に言えば“ただ、700万画素にしただけ”との印象もあります。とくに、同時に発表された700万画素のPowerShot S70なんかは、ボディデザインもなにもかもS60のままで、ただ500万画素を700万画素にしただけ、というナンの芸もない傲慢なカメラです。その点、このG6は、いちおうあれこれと工夫を凝らしていますから、まあマシなほうでしょうけれど。
 とにもかくにも、ぼくはこれからもデジタルカメラがどんどん高画素化していくことには賛成なのですが、しかしS60をS70にしたように (あるいはG5をG6にしたように) 、ホレ高画素カメラに仕上げてやったよ、とただそれだけのことでエラそうな顔をされても困ります。高画素にしたならその高画素を生かした、ナニか新しい提案や工夫 ―― 写真表現のための ―― があってしかるべきだと思います。これからはそのへんをしっかり見極めてカメラを評価しなければなりませんね。

2004年8月27日(金) 

2004年8月28日(土) 画像処理で収差を補正する時代になったのか、な?

キヤノン・PowerShot G6
 G6はG5と同じ35〜140mm相当の4倍ズームレンズを内蔵しています。この4倍ズームは開放F値がF2.0〜F3.0と明るいことが特長。ただ、G5のときから少し指摘されていたことですが、パープルフリンジと呼ばれている色滲み ―― 明暗差のある被写体を写したときその境目に紫色青色のゴーストのようなものが発生する現象 ―― が出るというものです。開放F値が明るいからよけい出やすい。
 ぼくはこの現象はてっきり色収差だと思っていたのですが、とある物知りに聞いたところ「軸上色収差のようなものではあるが厳密に言うと色収差ではない」と、ナンだかわかったようなわからないような説明を受けました。というのも、このパープルフリンジはちょっと絞ると、すっと消えるというのです。色収差は、軸上色収差も倍率色収差も絞り込んでも消えることはありません。




 で、G6なんですが、このG6についての商品説明を受けたときに、「光学的な工夫と画像処理で色滲みを大幅に低減した」というのです。うんっ?、とぼくは興味を持ちまして、どんな光学的な工夫でしょうか、とさらに突っ込んであれこれ聞いたのですが、しかし「これ以上は企業秘密なのでいっさい申し上げられない」の一点張り。
 G6を貸してもらって写してみましたが、確かに、G5に比べてG6では色滲みの発生はきれいサッパリとなくなっておりまして、ほほーっと感心するほどでした。ぼくの知っている限り、同じようになにかの工夫をして (手法はまったく違う可能性はありますが) 色滲みを目立たなくしているのは、パナソニック、ソニー、そしてオリンパスのようです。ただし、このへんのことをメーカーに聞いても、詳しい説明をしてくれないか、まったくシラを切るかのどちらかなんですけど。

2004年8月29日(日) G6は良くできたデジタルカメラだと思いますけれど…

キヤノン・PowerShot G6
 このG6には“ぼくにとって”の不満がいくつかありました。低輝度被写体を撮影しているときAv、Pモードではシャッタースピードが1秒以上に連動してくれません。1秒以上の低速シャッタースピードには金輪際、露出連動してくれないのです。マニュアル露出モードを選んだとき、シャッタースピードと絞り値を調節して「適正露出値」にするのが大変タイヘン厄介です。わかりやすいバーグラフでも出してくれればもっとスピーディーに撮影ができるのに、ねえ。マニュアルフォーカス (手動ピント合わせ、ですね) のときファインダー画面の中心部が一部拡大されるのですが、これを見て正確にピント合わせをすることは至難の業です。たとえばフォーカスエイドの機能で手助けしてくれるとか、ナンか方策があるはずです。こんなことキヤノンならできないことはない、と思います。




 この際ですので、些細な不満のつづき。スローシャッターを切ったとき、疑似シャッター音がするのはイイのですが、これがいささかマヌケなのです。たとえば1秒のシャッタースピードなら、1秒経過して、つまり露光が終了した時点で「かっしゃーん」と音がするだけです。シャッターボタンを押しこんで露光が始まったときはG6はしらーっとしています。人生すべからくそうでありましょうけれど始めと終わりは大事です。G6のやり方じゃあ、物事をおこなうときの心構えもなにもあったもんではありません。
 こうした不満点はフィルムカメラではあまり経験しなかったことで、デジタルカメラになってから (似たようなことは他社カメラでも) あたりまえのように見かけます。当初は「しょうがないなあ」とがまんはしていましたけれど、もうそろそろ…。キヤノンに限らず各メーカーとも、いつまでもデジタルだからといって甘えていちゃあいけませんよね。とくにG6などは8万円近くもするカメラなんですから、それ相応の気配り、心配りは欲しいです。

2004年8月30日(月) 

2004年8月31日(火) 


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