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2004年9月4日(土) 

2004年9月5日(日) 画期的な薄さのズーム内蔵カメラです

カシオ・EXILIM EX-S100
 2.8倍のズームレンズを内蔵しながらも超薄型にしあげたカシオの意欲作です。その“意欲”が大きくてちょっとチカラが入りすぎたデザインになってしまった、という気もしないでもありません。もっと肩の力を抜いてアッサリしあげて欲しかったなあ。いっけん、すっきりとしたシンプルな仕上げではあるんですが、よく見ると、どうだっ、まいったかっ、と、このカメラをデザインした人の荒い息づかいが聞こえてきそうです。たとえばズームレンズの鏡筒部にはレンズの名称も焦点距離もなーんにも書き込まれていません。のっぺらぼうです。つまりこうした意図的な、みえみえのデザインがぼくをして息を詰まらせるんです。




 液晶部とレンズ部の前後幅、つまりこのカメラのもっとも厚い部分ですが、そこで16.7mmだそうです。それ以外のもっとも薄い部分では14.2mmという薄さなんです。ここまで薄くできたのは、基板の高密度実装技術などいろいろあるのですが、カシオがもっともウリにしているのがレンズです。一部のレンズに新開発の透光性セラミックスのレンズ (屈折率がとっても高い) を使って薄型小型のズームレンズがキーポイントでもあるんです。初めてEX-S100を見たときは、うわっ薄い、と驚きました。ズーム内蔵カメラにしては“非常識”な薄さです。
 ところが、撮影をしてみたら、その写りが、いやナンといいましょうか、レンズの描写性能があまり良くないのです。ただ、ぼくが使ったS100はかなり初期段階のベーター版でしたので、きっと製品版ではもっと良くなるとは思いますけど (そう期待したいなあ) 、それにしても ―― 描写性能がどうのこうのとムツかしいことをくどくど言うようなカメラでないのはわかっておりますけれど ―― いささかの物足りなさを感じました。

2004年9月6日(月) 薄いカメラでも描写性能は大事です

カシオ・EXILIM EX-S100
 内蔵2.8倍ズームレンズは、どうもカシオが独自で“開発”したズームレンズのようですね。もとはといえば村田製作所が開発した透光性セラミックスを使って、カシオが村田と共同で光学レンズ「ルミセラ」として仕上げ、それをズームレンズに組み込んだというもの。このルミセラは従来のガラスレンズと違って屈折率が高いため、ズームレンズをこのように薄く小さく作ることができたというわけです。カシオの話ですが、通常の沈胴式3倍ズームなら約25mm厚、スライディングシステム (一部レンズ群待避型) のズームでも約18mm、それがルミセラレンズを使うことと3群式を2群式するなどして約15mmまで薄型にしたということでした。




 EX-S100は薄型小型 (とデザイン) を最優先させたカメラでありますから描写性能についてあれこれ文句を言っても詮無いことはわかっておりますけれど、しかしもう少し…と思ってしまうわけです。初めて画期的とも言える「ルミセラレンズ」をつかったのですから描写性能にもそれなりにチカラを入れて、せめて文句を言われないほどの写りを確保して欲しかったなあと強く思いました。これじゃ「ルミセラレンズって、やっぱりダメなのかねえ…」なんて言われかねないじゃないですか。
 このズームレンズをどこが組み上げているのかぼくは知りませんけど (ペンタックスでないことは確かですけど) 、想像するにソコに原因があるようにも思えます。一般論ですけど、レンズを組み立てるというのは、そりゃあノウハウの塊、まだまだ職人ワザの世界のようですから、それなりの“技術”を持ってないと良いレンズはつくれません。

2004年9月7日(火) 

2004年9月8日(水) それにしても電池のモチのよいカメラです

カシオ・EXILIM EX-Z55
 Z55はZ40のモデルチェンジ機種です。同時に、同じ500万画素機種でZ50てのもの発表になりました。ボディサイズも同じ、内蔵ズームレンズも同じ、そして同じ500万画素ですが、液晶モニターの大きさが異なります。Z55は2.5型、Z50は2.0型です。パナソニックのFX7は2.5型モニターで500万画素、FX2は2.0型ですが400万画素です。ユーザー側としてみればパナソニックの商品展開のほうがわかりやすいですよね。どちらを選んで購入しても買ったあとに“後ろ髪”を引かれることはない。いっぽう、カシオは画素数は同じで液晶モニターの大きさの違いだけなので、カタログを見比べたりカメラ屋さんの店頭で迷うことも多いのではないでしょうか。




 で、どっちがおすすめかと言えば、ぼくは小さなものが見えにくい“ハンディキャップ”をおっていますから ―― トシのせいです ―― 文句なしに大きな液晶画面のほうを選びます。FX7とFX2を見比べたときもそうでしたが、2.0型でも結構大きいのですけれど、でもやはり比べてみると2.5型のほうが撮影をするときに圧倒的にラクチンでした。ただ、FX7とZ55のどちらがおすすめかと問われれば (同時に使用する機会もありましたが) これは迷いますね。カメラボディの大きさ厚さ、内蔵ズームレンズなどのスペックはほぼ同じです。FX7の液晶画面はとてもキレイ、見やすい。けれど光学ファインダーがない。Z55は直射日光下では大変見にくいですが光学ファインダーがあります。FX7は電池のモチがあまり感心せず撮影可能枚数が少ない。それに対してZ55は電池のモチはダントツに良い。
 というわけで、あとは自分で存分に悩んで下さい。

2004年9月9日(木) 

2004年9月10日(金) 明るいところでも、ちょっとよく見えるとイイけどなあ

カシオ・EXILIM EX-Z55
 2.5型の大型液晶モニターはカシオの自社製だそうです。旧Z40とボディサイズはほとんど変わりません。つまりその小さなサイズのカメラに2.5型液晶を組み込み、なおかつ光学ファインダーも備えています。Z55のもうひとつのセールスポイントはコレなんです。小さなボディに2.5型大型液晶、しかも光学ファインダー付き。
 カシオがこのZ55のために新規開発した液晶モニターで、通常こうした液晶モニターはドライバー部が画面周囲にぐるりと取り巻いているんですが、そのドライバー類を画面上部の左端を避けるように特別配置。こうして画面左端の上部に光学ファインダーのための“穴”を開けた専用液晶モニターを作りました。だから、大型液晶を小さなカメラボディに組み込んでも、パナソニックのFX7のように光学ファインダーを省略せずにすんだというわけであります。




 この液晶モニターの唯一の欠点は、明るい戸外でとたんに見にくくなることです。見にくいなあとぶつぶつ文句を言っても、「光学ファインダーがあるからイイじゃん…」と、このZ55に開き直られているような、そんな気分になることがあります。でもやはりFX7のような明るい場所でもそこそこ見える液晶を経験してしまうと、おいナンとかしろよ、とつい不満も出てしまいます。
 ところでS100にも、Z50にも入っていますが、ベストショット撮影の中に、名刺や書類、ホワイトボード、投影画面などを斜めから写しても、自動的にパースペクティブによる歪みを補正して真っ直ぐにしてくれるというモードがあります。これはおもしろいです。ぼくの事務所に来た人なんかに、ちょっとデモンストレーションをやってみると、皆さん、いちように「ほほーっ」と感心しきりです。

2004年9月11日(土) 

2004年9月12日(日) 堺町三条のイノダ本店で聞く、こてこての京都弁

リコー・Caplio R1
 28〜135mm相当の内蔵ズームレンズはズーム比で約5倍。高倍率で、なおかつ28mm相当からのズームを内蔵しているにもかかわらずレンズ収納時にはフラットボディになり、そのボディサイズそのものも小型薄型です。“リコー (のデジタルカメラ) にしては”とっても小さなカメラでもあります。でも、リコーにはもともとフィルムカメラで「R1」というネーミングの超薄型コンパクトカメラがありましたが、そのデジタルカメラ版っ、という意気込みの感じられるネーミングです。
 そのフィルム版のほうのR1ですが ―― こちらは単焦点レズ内蔵です ―― これについてはあれこれおもしろい話がたくさんあるのですが、また、話がくどくなるので省略。




 久しぶりの京都です。京都は、ま、いちおうぼくの“故郷”でして、生まれてから多感な青年時代までを過ごしました。その京都に来て久しぶりに堺町三条の「イノダ本店」でゆっくりとコーヒーを飲みました。STARBUCKSやTULL'Sなどのチェーン・コーヒーショップを京都の街角でたくさん見かけるようになりましたけれど、でも京都でコーヒーを飲むならそりゃあ「イノダ」に尽きます。
 そのイノダ本店で、これまた久々に、こてこての男京都弁を聞きました。懐かしかったなあ。ぼくのテーブルの隣に、ぼくと同年代らしきオジサン三人組が京都弁でしゃべってるんですけど ―― イノダ本店は近くにあるお店の旦那たちが(お店をほったらかして)よく立ち寄るんです ―― その三人組が、いやあ、こてこての下京区中京区あたりの京都弁でして、眼をつむってその話を聞いてると高校生のころのあれこれを思い出しました。

2004年9月13日(月) 残念ながらフォトキナに「GR1-D」の発表はないでしょう、おそらく

リコー・Caplio R1
 R1に内蔵の28〜135mm相当のズームレンズは、メインスイッチをOFFにすると沈胴式レンズがボディ内に収まるときに、構成レンズ群の一部が光軸からズレて横っちょに待避します。これによりレンズは薄くなって薄いボディにすっぽりと収まるというわけです。メインスイッチONでは、待避していたレンズ群が元に戻って28〜135mmズームとなります。ペンタックス・Optio Sシリーズで初搭載されたスライディングレンズシステムやフジのF450/440などとよく似た一部レンズ群待避方式です。もちろんペンタックスやフジとはまったく関係がなくリコーが独自に開発したものです。




 ところでR1と言えばその薄型を受け継いでのちほど高級コンパクトカメラ・GR1/GR1sが発売されたことなどを思い出すと、秋にはフォトキナですから、デジタル版R1のあとに、デジタル版「GR1-D」が発表になるんではないかとおおいに期待します。けれど残念ながら、おそらくそんなに早く発表はされないでしょうね。そのカメラはリコーの“フラッグシップ機種”になるわけですから、ここはじっくりと腰を据えてイイものを作ってもらいたい ―― 企画はされているでしょうけれど ―― とぼくは思うわけです。
 とにかくレンズには手を抜かずに良いレンズを開発して搭載して欲しい。撮像素子なんてナンでもいい。“大きくても小さくても”ソンなことどうでもいいですからレンズだけはお金をかけていいのを内蔵させてもらいたい。とにもかくにも、一眼デジタルもコンパクトデジタルも、デジタルカメラにとってイノチはレンズですから。

2004年9月14日(火) ちょっと露出アンダーぎみにすると画質はぐんと良くなります

リコー・Caplio R1
 28〜135mm相当の内蔵ズームレンズが採用している一部レンズ群待避型構造のことをリコーでは「Retracthing LENS System」と名付けているようです。カタログにそのレンズ構造のイラスト図つきで解説してありました。ただ、この図、見てもよくわからんと思いますが、腕木のような部分が旗振りのように上下にスイングするんですよね。と、同時に、このカタログを見ていましたら、なんだなんだ、R1では新開発の画像処理プロセッサーを採用しているいうではありませんか。「Smooth Imaging Engine」と命名していました。解説文の中に「プロセッサー」と「Engine」が混ざっていてちょっと混乱しますが、ま、そんなことはどーでもイイとして、絵づくりや処理速度、省電力などがこれによって改善されたんだそうです。




 さて、その新開発の画像処理ですが、そういわれてみれば画像は、ときどき見られたちょっとガサツな印象のする絵は少なくなったようです。ただ、露出オーバー傾向と、ハイコントラストぎみなこととシャープネス (エッジ強調かな) が強すぎるのは相変わらずでした (初心者向けに絵づくりがされているからでしょうか) 。露出オーバーにならないように撮影すればハイコントラストは少し防げるようです。とにかく露出オーバーには結構、神経質になりました。そんなんなら、始めっから−1/3EVほど露出補正をして撮影をすればいいではないかとおっしゃる方もおいででしょうが、いや、そうすると予想以上に露出アンダーになってしまう“ことも”あるんです。リコーのカメラはこのへんの露出の改善が急務ですねえ。
 というわけで、R1については、使いこなしのポイントとして、ひとつは露出オーバーにならないように注意すること、被写体の状況に応じてシャープネスを「ソフト」に切り替えて撮影すれば、R1の画質は奥行き感も出てきていい感じになります。ただレンズがねえ…、小さな28〜135mmもの高倍率ズームだから仕方がないのでしょうけれど、周辺部の描写をもうちょっとがんばって欲しかった。画像処理技術で一生懸命その行儀の悪いレンズ描写を躾けているような感じもしました。

2004年9月15日(水) イノダのコーヒー屋さんと京都名所案内

リコー・Caplio R1
 メインスイッチをON/OFFするたびに金属製のレンズカバーがハデな音を立てて開閉します。ズーミングするとギアの噛み合う不規則な音がします。これらの音は気になりはじめると操作するたびに、その音に気持ちが引っかかります。ズームレバーや各ボタン類の操作感などもそうですが、こうした部分の仕上げ処理がもう少しスマートになればリコーのカメラはかなり良くなると思うんです。リコーのカメラが好きなぼくとしては、このへんに対していつも忸怩たるものを感じます。ですから、もしGR1-D (仮称) の予定があるのなら ―― あるに決まってるでしょうけれど ―― 少しぐらい価格が高くてもガマンしますからレンズとともに細かな仕上げにも徹底的にこだわって欲しいものです。お願いしますねっ、…と言ったところでリコーの人はこんなところ見てないでしょうけれど。




 「三条へいかなくちゃ/三条堺町のイノダって云うコーヒー屋へね/ あの娘に会いに/なに好きなコーヒーを少しばかり …」

 1970年代はじめ、高田渡が唄った「コーヒーブルース」です。ちょうどそのころぼくは京都で続けていた陶芸をすっぱりとやめて、カメラを一台購入し (ニコマートのFTnと50mmF2) 、いまの妻ですが彼女からセコニックのスタジオマスター露出計をもらって、それらを大事に抱えて東京に来ました。
 イノダのコーヒーは“ブの厚い”独特のカタチをしたコーヒーカップに入っています。黙って注文すると始めっからミルクと砂糖を入れて持ってきます。ぼくはこれが甘すぎていやなので、いつも「砂糖は別で」と頼んでいます。とてもまろやかでコクのあるコーヒーの味。ぼくは大好きです。かって植草甚一さんがなにかのエッセイで「東京のコーヒー屋さんが三軒タバになってもイノダのコーヒーにはかなわない」と書いておりましたが、ぼくもその意見には当たらずといえども遠からず、同意です (贔屓の引き倒しか) 。
 で、今回はそのコーヒーが飲みたくなって新幹線に乗りイノダのコーヒー屋さんにやってきたというわけです。もしも京都にお出での節には、だまされたと思ってぜひ、三条堺町のイノダ本店へどうぞ。

2004年9月16日(木) 

2004年9月17日(金) 

2004年9月18日(土) オリンパスこだわりのZUIKO DIGITAL レンズ

オリンパス・E-1 + ZUIKO DIGITAL 150mmF2.0
 初めてこのレンズを見たのは (完全モックアップだったけど) 今年2月のPMAショーの会場ででした。発売予定が今年の夏、と発表されたのですが、ま、いろいろありまして、かなり遅れてようやく10月下旬に発売されることになりました。E-1用の大口径望遠レズには定価「約90万円」の300mmF2.8レンズがありましたので、この150mmF2.0も、まあ安く見積もってもオリンパスのことだから50万円ぐらいかなあと思っておったのですが意外や、定価は「約31万円」でした。焦点距離が150mmとはいえ開放F値がF2.0ですから、それ相当に大きく重く、いかめしいスタイルのレンズになっています。




 でも、E-1にセットすると35mm判換算で撮影画角は300mm相当になりますから、そう考えると大きさ重さはそれほど気にならなくはなります (あくまで気分的なもんですけれど) 。このレンズを使ってみるとオリンパスの“意気込み”がひしひしと伝わってきますねえ。じつに丁寧に作り込まれたレンズで、その描写性能についてはまったく文句もありません。とくに逆光でのフレアーの少なさ、開放絞り値での描写も素晴らしい。ただ、そのF2.0開放絞りではちょっと描写が柔らかい印象もありますが、一段ほど絞り込めばカリッとしたシャープな描写になります。1.4倍のテレコンバーターなどと組み合わせて使うことを考えるとなかなか魅力的なレンズです。
 ただ、ぼくとしては、レンズ鏡筒に大袈裟に配置されたフォーカスリミッタースイッチやフォーカスストップボタンなどは省略してもらって、もっとすっきりとシンプルなデザインの150mmF2.0レンズのほうが良かったように思いました。そして、鏡筒に貼り付けてある大きな、これ見よがしの金属製ネームプレートも、これもいりません。

2004年9月19日(日) 高性能レンズに見合ったAF測距性能があるか

オリンパス・E-1 + ZUIKO DIGITAL 150mmF2.0
 この150mmF2.0レンズは当初発表されたときの大きさや重さなどのスペックが、正式発売では多少変更があって少しですが大きく重くなりました。と同時に、最短撮影距離が発表時では1.2メートルだったのですが、1.4メートルに変更され伸びてしまいました。これがじつに残念でした。「たった20センチの違いじゃないか…」と考えるのは観念的すぎます。150mm (実質的には300mmですが) レンズで、1.2メートルまで近づいてピントを合わせができればじつにスムーズに気持ちよく撮影ができる。フラストレーションはほとんど感じません。1.4メートルでは、それが大きく違って“もう一歩”が踏み込めない不満が増大してしまいます。じっさい、この150mmを使っていてなんどか「ウッ」とうめいてしまいました。




 F2.0の開放絞り値付近では多少、柔らかな描写の印象、と昨日ここで述べましたけれど、原因のひとつはE−1ボディのAFの測距性能のせいかも知れません。たとえば、実質的に300mmものレンズを使って至近距離でF2.0といえば被写界深度はごくごく浅くなってしまいます。ほんのわずかにピントがズレただけで台無しになります。
 E−1のファインダーを覗いていると、何度か測距をやり直すたびにファインダー画像が、くッくッくッ、とだんだんとシャープになるのです。つまり、一発ですぱっとシャープにピントが合ってくれないことがあって、数回シャッターボタンの半押しをしてAF測距を繰り返してから撮影するということがありました。最近のニコンやキヤノンの一眼レフに比べて、なんとなくですが、E−1のAF測距性能が見劣りするようにも感じるのです。だから、最短撮影距離が1.2メートルから1.4メートルにスペック変更されたのは、じつはこうしたE−1のAF測距能力の限界を考えてのことではなかったのか、なんてつい、穿った見方をしてしまいました。

2004年9月20日(月) 

2004年9月21日(火) 新しいμ-デジタルシリーズ、このカメラはイイねえ

オリンパス・CAMEDIA μ-mini DIGITAL
 良くできたいいカメラです。機能的にもデザイン的にも。コンセプトが明快なカメラです。でも、ズーム比が2倍しかないとか写りがどうのこうのとか、コンセプトを理解せずに文句だけ言う人っているだろうなあ。
 ボディデザインはじつにシンプルでユニークであります。この斬新で現代的なデザインでその上、生活防水 (JIS保護等級4級) の機能が備わっていて、さらに音声録画再生用のマイクとスピーカーが内蔵されていて、そして小さい。いやあ、キュートで魅力的なカメラですね。




 メニュー画面のGUIも少し変化があってこれも好感です。いままでのヤヤこしい表示からちょっとだけシンプルになって操作性も良くなった。そして、小さなボディですが1.8型の、このボディサイズにしては“大型”の液晶モニターを内蔵しています。その見え具合もなかなかよろしい。
 これだけのスマートなデザインのカメラに仕上げられた理由のひとつは ―― デザイナーががんばったこともあるでしょうけれど ―― レンズバリア開閉に「トップシェルバリア方式」という新メカニズムを採用したためです。このおかげでレンズバリアが閉じた状態でもボディ表面はフラットになっています。レンズバリアの動きは大変にスムーズでスピーディー。「ウチも研究をしてたんだけどなあ…サキを越されたなあ」と、X社とZ社の開発者がこのカメラを見てとっても悔しがっておりました。

2004年9月22日(水) 

2004年9月23日(木) もうそろそろフォトキナが始まります

オリンパス・CAMEDIA μ-mini DIGITAL
 内蔵ズームレンズは3群5枚とシンプルなレンズ構成の35〜70mm相当の2倍ズームです。撮像素子は400万画素1/2.5型CCD。カラーバリエーションが「6色」あって、どの色もとっても魅力的です ―― ぼくはすべのカラーバージョンが欲しいぐらいで購入するとなると店頭で相当悩むでしょう。撮影シーンモードには「フィッシュアイ」や「ソフトフォーカス」などの“お遊びモード”も入っていて、これなんか使ってみると意外や、おもしろいんですよね。




 今月末にドイツ・ケルンでカメラショー「フォトキナ」が開催されます。そのショーに向けて国内のカメラメーカー各社は、新製品の発表会をしたりNDAレベルの事前のプレゼンテーションをやったりと、ここ数週間そんな日が毎日のように続いています。さらに、毎年のことですがこのころになると、年末商戦に向けての新型プリンターなどの事前説明会をあちこちのメーカーがやったりしますから、今年の初秋は、なんだかんだと“異常な”ほどのデジタル新製品ラッシュでした。そうした発表会や事前プレゼンなどが、同日同時刻におこなわれてバッティングしてしまい、結局いっぽうのメーカーの説明が受けられない、なんてこともありました。
 昨日も、あるカメラメーカーがフォトキナで正式発表する新型機種についての事前説明会がありました。そんなこんなで、ぼくの事務所には内緒の資料やら発表前のカメラやらプリンターが渾然一体になっています。

2004年9月24日(金) R-D1はモノクロモードで撮影するのもおもしろいですね

エプソン・R-D1 + リコー・GR28mmF2.8
 いくつかの“決定的な不満点”もありますがそれさえガマンすれば使っていてじつに愉しいカメラです。ぼくにとっては、「写真を写すそして写真で表現する」ということをもう一度じっくりと考えさせてくれるカメラでもあります。デジタル一眼ともコンパクトデジタルとも、そしてフィルムを使用するレンジファインダーカメラとも、まったく違った感覚で撮影ができますからとにかく新鮮です。オートフォーカスの機能もないしズームレンズも使えませんから、ワンカット写すのにもそれなりの“苦労”をしなくちゃあなりません。でも、使っているうちにその苦労が、最近、ちょっと忘れかけていた写真的視覚を呼び起こしてくれます。




 決定的な不満点のひとつは、ファインダー視野率です。28mm、35mm、50mmのレンズの画角に対応したブライトフレームに切り替えることができるのですが、この視野枠がじつにアバウトなのです。フレーミングに神経質なぼくにはこのアバウトさが耐えられません。その点、やはりライカは素晴らしい、とつくづく思いました。
 たとえば28mmレンズをセットするとR-D1では約42mm相当の画角になります。しかし、R-D1内蔵のブライトフレームを見てフレーミングすると、とても42mm相当の画角とは思えない、まるでぶかぶかのパンツをはいているようで、まったくもってシマリません。そこでぼくはもっぱらフォクトレンダーの40mm外付けファインダーを利用して撮影をしていました。同じように、35mmレンズをセットしたときは、R-D1のフレームは「28mm用」のフレームに切り替えて使うとちょうどイイ具合になります。

2004年9月25日(土) デジタル白黒写真プリント

エプソン・R-D1 + リコー・GR28mmF2.8
 来年あたりになると「デジタルカメラでモノクロ写真」が、いまよりももっと一般的に楽しまれるようになるのではないでしょうか。デジタル白黒写真がハヤるんではないかと思います。というのも、最近のデジタルカメラにはモノクロ撮影モードが盛り込まれている機種が多い。このR-D1もそうですし、キヤノンのEOS 20Dにもモノクロ撮影モードが入っています。コンパクトデジタルカメラではもっと以前からモノクロ撮影モードを入れている機種もありましたし、増えてもいます。プリンターも最近の機種は、きれいにモノクロプリントもできるぞ、ということもウリのひとつにしています。市販の画像処理ソフトにも、モノクロプリントが手軽にきれいにできることをアピールしたものもあります (AIソフトの「フォト工房」なんかそうですね) 。




 ちょっと古風なスタイルのカメラであるR-D1には、ナンとなく白黒写真がピッタリするような気もして、で、久しぶりにじっくりと白黒写真に挑戦してみました。だがしかし、デジタルプリンターの性能がまだまだッ、ということを思い知らされました。キレイに白黒プリントができるとは言ってるけれど、しかし、とてもあの銀塩フィルムを使って白黒写真プリントに仕上げたようには仕上がりませんでした。
 いや、プリンターのグレイバランスをしっかりと調整すればできなくもないのでしょうけれど、プリンターのグレイバランス調整が誰にでもそう簡単にできるというものではない。で、しょうがなくグレイバランス未調整のプリンター (ほとんどがそうした状態でしょう) で出力してみると、その仕上がりを見てがっかりします。なんじゃこれは、です。とくに、ムカシから白黒の銀塩プリントをやってきた人にとっては、耐えられない仕上がりです。
 これじゃあ、せっかくの白黒写真撮影モードも充分に生かせない。エプソンもキヤノンもhpも、ぜひ、きれいな白黒プリントが出力できるようなプリンターを作って欲しいものです。

2004年9月26日(日) 

2004年9月27日(月) またモノクロ写真のハナシと、そして…

エプソン・R-D1 + SUMMILUX 35mmF1.4
 R-D1のモノクロ撮影モードでは赤や緑などの“モノクロ写真用フィルター”を選んで撮影することができます。さらにRAWで撮影をしておけば、RAW現像ソフトのPhotolier (フォトリエ) でも同じようにモノクロフィルターを選んで現像処理することができます。ところが、RAWでモノクロ撮影をしたときに赤フィルターを選んでストレートに現像した画像と、撮影時にはノンフィルターを選んでからRAW現像するときに赤フィルターを選んで処理した画像とは、エプソンによると微妙な違いがあるらしいのですが、ぼくが見比べた限りではさっぱりその違いがわかりません。




 それに、そもそもベイヤー方式の撮像素子に“モノクロ写真用フィルター”を使って、ほんものの銀塩モノクロフィルムのような効果が発揮できるのか大いに疑問です。ま、いろいろフィルターを選んで試してみましたが「ああ、そうですか」といった印象でした。擬似的な (シロウトを騙してるような) フィルターのような気もしまして、ぼくは実際の撮影でもRAW現像でもノンフィルターで通しました。
 ところでR-D1の場合は、RAWで撮影をしておけば現像時にカラーにすることもモノクロにすることもできる。しかしEOS 20Dでは、RAW現像ソフトにはモノクロ変換モードがありませんから撮影時にしっかりとモノクロモードかカラーモードかを選んでおかないといけません (20Dもモノクロ用フィルターが選べます) 。ぼくのように、モノクロにしようかカラーにしようか、と、しょっちゅう心変わりするような人間にはR-D1のほうが親切ですね。

 というわけで、R-D1で撮影した京都の写真ですが、これは10月20日発売の「デジタルフォト11月号」 (ソフトバンク社) に、表紙と巻頭のグラビアとして掲載してもらうことになりました。ただ、モノクロ写真ではなくカラーです。写した写真を見たらやっぱりR-D1はカラーでした。渋い独特の色調で、それが京都の街とぴったりあってました。

2004年9月28日(火) 

2004年9月29日(水) 90万円かぁ…

キヤノン・EOS-1Ds Mark2 + EF24〜70mmF2.8
 1Ds Mark2は、フルサイズ版EOS-1Dsの後継機種であります。ほぼ2年ぶりとなるモデルチェンジ。初代1Dsが約100万円でした。で、この二代目1Dsは、オープン価格ではありますが約90万円と予想されています。性能は格段に良くなって“10万円も安く”なっておりますから、お買い得かといえば、ジョウダンではなく、90万円ですからそう気安く手が出るカメラではありません。ベータ版機種ですが貸してもらってさんざん愉しませてもらってます。やっぱり良いカメラです (あたりまえですが)。魅力いっぱいです。画素数は初代1Dsが1110万画素だったのに対して二代目1Dsは1670万画素になりました。DIGICUを採用して、画質も良くレスポンスも良くなりました。




 でも、それにしても、90万円とはいくらナンでも…と、皆さん、そう思いませんか。2年もたって10万円しか安くなってないんですよ。てなことを事前発表の席で開発の責任者に聞いてみました。タナカ「ベースは半年前に出した1D Mark2をそのまま“流用”してるんじゃないですか。撮像素子が違うだけですよね、なのに、どうしてもっと安い価格にはならなかったんですか」オオハラさん「タナカさん、そう言いますけれどフルサイズのCMOSもローパスフィルターもめちゃくちゃ高いんです」タナカ「同じことを2年前の1Dsが発売されたときも言ってましたよね」オオハラさん「こうした大きさのセンサーになると、そう簡単に値段が下がらないんですよ…」。
 確かに、撮像素子やローパスフィルターの価格 ―― フルサイズになるとAPS-Cサイズとは比べものにならぬほど極端に製造時の歩留まりが悪くなる ―― が90万円の原因だと言うことはわかりますけど、それにしても、ぶつぶつ…。

2004年9月30日(木) 使いこなしの難しいカメラです

キヤノン・EOS-1Ds Mark2 + EF24〜70mmF2.8
 見かけは35mm判一眼レフカメラではありますが、そのカメラで写した写真画像はまるで“大判カメラ”です。ですからココロして撮影に挑まないと1Ds Mark2の実力をじゅうぶんに発揮することはとてもできません。まず、正確なピント合わせとブレ防止は必須条件でしょう。レンズ性能もますます重要になってきますので、レンズの選択はもとより保守点検も大事になってきます。
 この程度のシャッタースピードなら手持ちでも大丈夫だろう、なんて甘い考えは捨ててそれ相当の三脚 ―― ヤワな三脚なら使わない方がよろしい ―― は積極的に使うことです。ピント合わせにも (AF/MFを問わず) かなり神経質にならなくてはいけません。絞り値の選択も、中判大判カメラを使っての撮影でもそうですが、3割から5割増しぐらい絞り込んで撮影しておかないと大失敗の元にもなりかねません。




 フォトキナが始まりまして山田久美夫くんなどが向こうからニュースを送ってくれてます。いやあ、ほんと彼のがんばりにはいつも感心させられます。いい加減なぼくなんかがフォトキナを見に行ったって、ざっと見てそのあとはライン川のほとりで「ピルスナー・フォン・ファス」とかなんとか言いながらビールばかり飲んでいるのが関の山でしょうねえ。
 その山田くんが送ってくれているフォトキナ・ニュースを見ていると、ぼくが予想していたようなビッグニュースもなく (いまのところ) 少し拍子抜けであります。ただ、個々のカメラに注目すべきものはなさそうでしたが、写真とカメラを取り巻くインフラが少し変化しつつあるようでそれに興味を持ちました。たとえばコダックが提唱し、いくつかのメーカーが賛同している「イメージリンク・プリントシステム」や写真の保管と管理の共同規格などはそのひとつです。ここでも、キヤノンとソニーがまったく“しらんぷり”を決め込んでいるというのも、これまたおもしろいです。

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