Photo of the Day

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2004年11月1日(月) 

2004年11月2日(火) 

2004年11月3日(水) 

2004年11月4日(木) シーズンオフの沖縄

ペンタックス・Optio X
 レンズ部回転式の薄型デジタルカメラです。つまりレンズ部と、液晶モニターやその他操作部とが分離されてそれぞれの角度を自在に変えて撮影することができます。このOptio Xはレンズ部に例のスライディングレンズシステムの沈胴薄型3倍ズームレンズを内蔵。ですからカメラはそうとう薄型に仕上げられています。大きめの2.0型液晶モニターやクイックボタンの採用、シャレたカメラデザインなど、イイところはあるのですが、ただ、カメラのデザインを優先させたあまり操作性に、ちょっと、のところもありました。とっても持ちにくいカメラでして、落としそうになったり、必要のない操作ボタンを間違って押してしまう、てなことがなんどかありました。カメラストラップがボディの左側につけられているというのはいけませんね。




 暖かい、いやまだまだ暑いとさえ感じる沖縄です。東京は天気の悪い日が続いているようですがここ沖縄は快晴。というわけで半徹夜あけに、久しぶりの大好きな沖縄に来て、毎日、どっぷりと「日光浴」を愉しんでおります。かって沖縄には仕事で毎年のように同じ季節に ―― なぜか1月か2月なのです ―― 来ていましたが、今ごろの秋の季節に来るのは初めてです。だからとても新鮮でした。那覇から北に向かってクルマで走っていきましたが、相変わらず58号線は走りやすい。高速道路もなんどか利用したことがありますがもっぱら58号線です。あちこち寄り道をしながら北上していくのが楽しいんです。だから、仕事できているのにいつもリゾート気分にさせてくれます。

2004年11月5日(金) 波止場食堂

ペンタックス・Optio X
 このOptio Xがイマイチ注目をされていないようで、なんだか少し肩すかしを食らったような気持ちです。じつは使ってみれば、昨日も言いましたが、少し使いづらい部分もあるのですが、でも、それはぼくが勝手気儘に感じたことであって、そんなこと気にするもんか、という人が大勢いても不思議ではありません。カメラのデザインに惹かれて注目する人が結構いるんではないか、と思っていたのですが、そうでもなさそうですね。なぜなんでしょうか。




 沖縄北部の国頭村あたり、海沿いの道路をクルマでのんびりと走っていてみかけた「波止場食堂」です。近くにちっぽけな漁港がありましたが、立ち寄ったのが夕暮れ時ではなく午前中の陽射しの強い時間帯だったので余計に“波止場”のイメージとはほど遠かった。でも、そのギャップがいい。ぼくは「波止場食堂」の店名にめっちゃくちゃ惹かれました。
 ひなびた感じの建物もよかった。波止場食堂のまわりの雰囲気も空の色も雲のカタチも、そして屋根瓦の色もなにもかもが良かった。長い時間をかけてお店のまわりを歩き回り写真を撮りながら中を覗くと、お店はやっているようなのですが客は誰もいない。入ってナニか注文をして、そして念願だった沖縄のぜんざいを ―― そばやさんにもぜんざいのメニューが必ずありますがまだ食べたことがない ―― こうした店で食べてみるというのもいいなあと、ぼんやり眺めていましたが、しかしさきほどホテルで朝食をたっぷり食べたばかりで残念残念とぶつぶついいながらクルマに戻りました、とさ。

2004年11月6日(土) ソーキそばと、Orion生ビール

オリンパス・μ-mini DIGITAL
 ぼくが使っているμ-miniのカラーはブラックです。さんざん悩んだ末にブラックを選んだのですが、このカメラを沖縄に持っていってその強い陽射しの下で眺めてみると、いやぁもっと明るいカラーのモノにすれば良かったなぁと反省をしました。ところで、このμ-miniをぼくはかなり荒っぽく使っています。結局、沖縄の海に浸してやることはできませんでしたが、転がしたりぶつけたりはさんざんしてますがそのキャシャなスタイリングに似合わず意外にタフなので驚きました。金属製のチェーンストラップをつけっぱなしにしています。でも、もちろんヘコミもしないしキズもまったくありません。こうしたスタイリングに凝ったカメラは、キズがつきにくい、頑丈である、というのは案外大事なことかもしれません。




 また、沖縄のハナシ。
 早朝の飛行機に乗って沖縄に着きましたので58号線を走っているうちにすっかり空腹になりました。そこでどこかでソーキそばでも食べようと、適当な小道をクルッと左に曲がって海沿いに向かいました。道路はがらーんとして空だけが青くところどろこに白い雲が見え隠れしています。海に突き当たるそのあたりに一件だけ、おそば屋さんが開いていました。客もほとんどいない。こんな店だいじょうぶだろうかな…と心配しながら ―― たかがソーキそばを食べるのに心配することもないのですが ―― 入ってメニューのトップにあった「浜屋そば」てのを頼みました。ところが、店内のうらぶれた様子とは大いに違ってこれがうまかったのです。あまりうまかったので、急いでオリオンの生ビールを注文しました。そうこうしているうちに店内がだんだん混み始めました。どうも様子がおかしい。こんな辺鄙な場所のうらぶれたそば屋にしては客が多すぎる。
 なんだか気になりましたので東京に戻ってからちょっと調べてみると、その「浜屋そば」はとっても有名なお店らしくてわざわざ遠くからそこにやってくる人が絶えないということでした。というわけでぼくは偶然とはいえちょっと珍しい体験をしました、とさ。

2004年11月7日(日) 

2004年11月8日(月) ポケットに入る一眼レフカメラ

ペンタックス・*ist DS + DA 18〜55mmF3.5〜5.6 AL
 以前にも少し感想を述べましたが、やはり旧*ist Dに比べるとこの新*ist DSは“格段に”良くなっています。*ist Dユーザーがどれだけ地団駄を踏もうが意地を張ろうが*ist DSのほうがイイのだからしょうがありません ―― じつはぼくも、いまソノままの*ist Dユーザーのひとりなんですが。カメラを総合的に見てみると、とってもバランスの取れた仕上がりになっていました。カメラボディが小さく軽いのも魅力的でした。ぼくは「世界初のポケットに入る一眼レフカメラ」ではないかとさえ思っています。




 *ist DSには画像仕上げモードとして「鮮やかモード」と「ナチュラルモード」のふたつがあります。ディフォルトは「鮮やかモード」になっておりまして、彩度、コントラスト、シャープネスが“強烈”に設定されています。とくに、シャープネスといいますか輪郭強調が強すぎて、この画像にはぼくは腰が引けてしまいます。ま、今回はテストもかねてもっぱら「鮮やかモード」で撮影をしてみましたが ―― 次号の「デジタルフォト」を見て下さい ―― ぼくの好みは文句なしに「ナチュラルモード」のほうでした。で、それに少し画像調整パラメータを加えるのがもっとも良いように感じました。
 この*ist DSは良好なレンズと最適な画像設定モードを組み合わせると (セットになっている18〜55mmズームはあまり感心しません) 相当の高画質が得られる実力を持っております。

2004年11月9日(火) やはり、RAWとJEPGの同時記録をしたい

ペンタックス・*ist DS + smc TAKUMAR 50mmF1.4
 *ist DSでは、スクリューマウントレンズや古いKマウントレンズを使ってピント合わせをするときに、AF機能を利用してフォーカスインジケータが作動するようになりました (フォーカスエイド機能) 。手動でピント合わせをしたとき、合焦するとグリーンランプが点灯してシグナル音も鳴ります。ピント合わせがとても楽ちんになりました。ところで、こうした古いレンズを使用するときは露出には充分に注意しなければなりません。とくにAEモード、分割測光モードのままだと適正露出からはずれることが多々あります (レンズによって露出のズレ量が異なる) 。中央重点平均測光またはスポット測光に切り替えて、さらに段階露光撮影をしておくのがより確実でしょう。




 *ist DSに標準添付されるRAW現像ソフト「PENTAX PHOTO Laboratory」のバージョンが1.0から2.0になり、これまた以前のバージョンに比べると“格段に”使い勝手がよくなりました。カメラ側で設定する画像調整モードや各種のパラメーターなどがそっくりそのままこの現像ソフトでも処理ができるのがイイです。ですから、RAWで撮影をしておけば「鮮やかモード」でも「ナチュラルモード」でも、あとで自在に設定して処理することができる。
 とはいえ、ぼくにとって残念なことは、*ist DSではRAWとJPEGの同時記録ができないことです。これからはRAWとJPEG同時記録はあたりまえの機能なのですから、ここはナンとかして欲しかった。そしてもうひとつの残念だったことは、このRAW現像ソフトで数十カットをイッキに現像処理をしようとすると、途中でがくんっと処理速度が落ちてしまうことです。どうもメモリーの解放がウマくいっていないようで、これは至急改善して欲しいなあ。

2004年11月10日(水) 

2004年11月11日(木) 階調描写にこだわる人のための一眼デジタル

富士フイルム・FinePix S3Pro + AF-S 18〜70mmF3.5〜4.5G
 画質こだわり派にはおすすめ、注目のデジタル一眼です。価格がやや高めですが ―― 実販価格は25〜6万円ぐらいだろうか ―― その価格について、高いぞ、などと不満を感じるようならハナからこのカメラに興味を抱かないほうがよろしいでしょう。他の一眼デジタルには「ナイ」ものがこのS3Proには「アリ」ますから ―― たとえばD-レンジモード ―― だからぼくは決して高いとは思いませんね。ボディのベースは旧S2Proと同じくニコンのF80ですが、さまざまな点で改良をほどこし大幅に良くしています。ファインダーを覗いただけでS2ProとS3Proとの違いがわかると思います。あの、トンネルの向こうの風景を見ているような感じはなくなりました。




 S2Proがどうだったかよくおぼえていないのですが、S3Proでは再生画像表示のスピードが“かなり”遅いのが使っていて、まず初めに気になったことでした。RAW画像の表示は比較的早いのですがJPEG画像となると (とくに1200万画素モードでは) がっくりと表示スピードが遅くなるんです。液晶モニターに表示させる画像なぞ、いっちゃあナンですけど、そんなのテキトーでいいんです。もっとスピードを大事にしたほうが良かったんではないでしょうか。
 S3Proは撮像素子にスーパーCCDハニカムの「新型SR」を使っています。S画素とR画素でそれぞれ画像を生成してそれを「合成」し、ダイナミックレンジの広い画像に「仕上げ」るといっためんどうなことをしています。でも手間をかけているだけあってなのでしょうね、他のカメラでは階調の描写が難しい場面でもキチンと描写しているを見ると、多少のレスポンスの遅さは、まぁイイか、と思ってしまいます。

2004年11月12日(金) 高ISO感度でもノイズが少ないカメラでした

富士フイルム・FinePix S3Pro + AiAF 20mmF2.8
 このS3Proも*ist DSなどと同じくRAWとJPEGの同時に別々記録ができません。*ist DSのRAWファイルにはフルサイズのJPEG画像が内蔵されているのですが、にもかかわらずそれが別々に記録できないというのもおかしな話ですけど (オリンパスのE-300は同時別々記録できます) 。S3Proにも同じようにJPEG画像が“添付”されています。こちらはフルサイズではないのですが専用ソフトを使ってのちほど抽出することはできます。




 RAWファイル現像ソフトの「Hyper-Utility2」がバージョン3.0(別売)になって性能も向上しました (操作上ちょっと難ありですけど)。このソフトをウマくつかってRAW現像をするとカメラ側で処理保存した画像よりもぐんっと画質を向上させることができます ―― だったら、はじめからRAWだけで撮影すればいいじゃん、と思われるでしょうけれど、ソレとハナシは違いますよ。
 S3ProはISO100からISO1600まで感度設定ができます。ISO感度をアップしてもノイズがとても少ない (ちょっとシャープ感は低下しますが) 好印象の画質でした。ISO1600はともかくとしてISO800ぐらいまでなら“ヘイキ”で使えますね。そのうえ1234万画素相当の巨大な画像として得られるのですから魅力的ではあります。でも、ま、このカメラはそうした高ISO感度で積極的に撮影をするというスタイルのカメラではなく (そうそう、S2Proからだそうですが天文撮影をしている人たちから隠れた人気機種で、そうした人たちはどんどん高ISO感度を使うでしょうけれど) 、ISO100に設定してD-レンジモードを生かしてじっくりと撮影するカメラでしょうね。

2004年11月13日(土) 

2004年11月14日(日) 

2004年11月15日(月) 液晶モニターでスルー画像が見られます

富士フイルム・FinePix S3Pro + AiAF 85mmF1.8
 デジタル一眼レフカメラ (レンズ交換式) では初めて、撮影レンズを通してその画像を液晶モニターでプレビューできる機能を持っています (まったくもってややこしい表現ですが)。メニューの中の、いちばん最後に「スルー画表示」の項目があって、これを選んでOKボタンを押すとリアルタイムでモノクロ画像が見られます。バルブシャッターを利用した機能です。MFにしておけばピント合わせができる。ただし、画像を見ながらシャッターを切って撮影することはできません。




 より正確にピントを合わせて撮影したいというブツ撮りのスタジオカメラマンや、天体撮影をしている人たち ―― 詳細は不明なのですが望遠鏡と組み合わせたときこれを利用するとピント合わせが容易になるらしい ―― そうした人たちから「強い要望があった」そうです。このスルー画像の表示は30秒たつと自動的に終了します。CCDへの加熱を避けるためだそうです。なぜカラー表示にせずにモノクロ (白黒) 表示にしたのかについては、以前フジに聞いたことがあるのですが、忘れました。
 この機能を“活用”して撮影する人はきわめて少ないとは思いますが (ぼくもそうです) 、でもスルー画像を見ながら撮影できたり一眼デジタルで動画撮影ができるようになったりすれば、将来に向けてこれはこれでおもしろい注目すべき機能だと思います。一眼デジタルにそんな機能などイラナイと否定的に考えていちゃあ、すべからくそうですが、いつまでたっても写真はおもしろくなっていきません。

2004年11月16日(火) 

2004年11月17日(水) オモシロさは少ないがひじょうに安心できるカメラ

キヤノン・IXY DIGITAL 50
 3倍ズーム内蔵、400万画素の薄型IXY DIGITALです。もうひとつ、外観デザインを変えて300万画素CCDを載せたIXY DIGITAL 40があります。ともに“新世代”のIXY DIGITALです。先月でしたか、ここで両機種のファーストインプレッション ―― 楽しくないお役所的カメラだとかなんとか悪口を言ってました ―― をお話ししましたけれど、でもしかしこの約一ヶ月間でもっともよく使っていたコンパクトデジタルカメラがこのIXY DIGITAL 50だったんです。使っていて心うきうきするというカメラではないのですが、その「写り」が信用できるんです。




 確実に (ほぼ) 思った通りに写ってくれる信用できるコンパクトデジタルカメラではないでしょうか。ぼくのようなチョットおたくっぽい人間が (自分ではそうは思いたくないのですが) 楽しいなあと思えるようなカメラじゃぁないですが、各ボタンやスイッチ類の操作性や液晶モニターの見え具合の良さ、メニュー表示の簡潔さとわかりやすさ、まったく破綻のない良好な画質、なにげないようだけど良くできたオートホワイトバランスモード、レンズ周囲の土星のワッカのような光り物がぼくはイヤですが全体的に良くまとまったボディデザイン。しばらく使っているうちに、そんなことやこんなことに感心しておりました。
 じつにウマい作りの、完成度の高いカメラだと思います。数あるコンパクトデジタルカメラの中でももっとも失敗をすることの少ないカメラではないでしょうか ―― 撮影者の失敗ではなくカメラが“失敗”する、という意味です ―― 。やはりカメラもまたじっくりと使ってみないと「良さ」はわかりにくいもんです (反省) 。

2004年11月18日(木) 1に構図、2にピント、3、4がなくて5に露出

キヤノン・IXY DIGITAL 50
 この新製品もまたそうなのですが、IXY DIGITALのすべての機種はシャッタースピードと絞り値の表示がでません。このことはくどいほど繰り返し言っておりますが、IXY DIGITALを使っていていちばん「かちんっ」とくることのひとつなのであります。にもかかわらずヒストグラム表示なんて (画像再生時ですが) ムツカシイ表示機能を備えております。このIXY DIGITAL 50と40の製品カタログには「正確な露出状況が確認できるヒストグラム表示」なんて解説もあってイバっておりますが、ヒストグラムを見てきちんと露出が判断できる人なんてそうはザラにはいないはずです (自慢じゃあありませんがぼくはさっぱりわかりません) 。




 ヒストグラムにとってもこだわっている人がいますけれど、たとえば、たかがコンパクトデジタルカメラにですよ、スルー画像表示中にヒストグラムを表示させろ、なんて過大な要求をする人がいますね。ヒストグラムの様子を見て露出を決めるのだ、とおっしゃるんですが、でも露出を変えるったってねぇアナタ、シャッタースピードと絞り値のたった二つのパラメータを変えるしかないんでありまして、ヒストグラム表示をじっくりと読みこんであれこれ考えて、で、どうするのかわかりませんが、そうして“適正露出”で撮影をして、それがいったいなんぼのもんじゃとぼくは思うわけです。
 そんなことをする余裕があるなら、ちょっと段階露出をしたり構図に工夫して数カット写しておくほうがずっと合理的です。それに、そもそも写真は「勢い」です。おっイイなっ、と感じれば「新鮮」なうちにパパッと写すのがいいのです。多少露出が不満足でもシャッターチャンスがよければ、人を感動させることもできます。イチに構図、ニにピント、サン、シがなくてゴに露出、というぐらいですから、露出にこだわりすぎるとあまりよくないと思いますけどね、と、ハナシが飛んでしまいました。

2004年11月19日(金) こちら、使っていて楽しいカメラです

オリンパス・μ-mini DIGITAL
 キヤノンのIXY DIGITAL 50や40を「文句のないデキだけどちょいと面白味のないカメラ」なんて言っておりましたけれど、こちらμ-miniは、使っていて持っていて楽しいカメラであります。小さくて可愛くて使いやすいカメラはどんなのがイイですか、と尋ねられればぼくは迷わずこのカメラをすすめております。ソニーのCyber-Shot L1やキヤノンのIXY DIGITAL L2などもありまして、それぞれ魅力的なカメラではあるんですけれど、やはり (じっさい使い込んでみますれば) μ-miniがよろしい。ぼくなぞ ―― あほかいな、と思われるでしょうけれど ―― 色違いのμ-miniがもう一台ほしいぐらいです。




 コンパクトデジタルカメラなんぞ使っててナニが楽しいのだ、やはり一眼レフでないと「作品」は撮れないよね、などと言う人がいますけど、ぼくは、なに言っトンだ、と思いますね。一眼レフじゃないと作品が撮れないなんてそんなこと考えていればどんなに素晴らしい高性能な一眼レフを使ったって金輪際いい作品など写せっこありませんぞ。純粋に画質やレンズバリエーションを比べれば、もちろん一眼レフのほうがイイのは言うまでもありませんが、しかし写真は画質や超望遠、超広角表現だけでキマるもんではないのです。そのへんをどうも誤解している人たちが多いようでありまして、コンパクトデジタルは画素が小さいために画質がノイジーだとか絞り込んで撮影ができないとか、ね。そんなことはじつにつまらん観念的な見方じゃあないでしょうか。
 いまのコンパクトデジタルカメラの画質はどれも「作品」を作る上でまったく問題はないとぼくは考えておりますけどね。小さくて使い勝手の良いカメラでフットワークよく楽しく写せば、きっと素晴らしい「作品」が得られるんではないでしょうか。写真ってそうゆうもんです。そう思いませんか。

2004年11月20日(土) 

2004年11月21日(日) 

2004年11月22日(月) 

2004年11月23日(火) それにしても長い道のりでした

コニカミノルタ・α-7 DIGITAL + AF17〜35mmF2.8〜4.0
 ようやく、ほんと (言えないことも) いろいろありましたが、やっと発売にこぎつけました。いやはや長い道のりでしたね。「ミノルタ」から「コニカミノルタ」になってあれやこれや (まだまだ) ぎくしゃくしていますが、ま、それはそれとして、良いカメラが発売されてよかったです。いや、ホントのことを言えばもっと早くに発売すべきカメラでした。でもしかし、もしももっと早くに出てきていたとすれば、はたしてこれだけの完成度の高いカメラに仕上がっていたかどうか、あのミノルタのことですから、大いに疑問ではありますけれど。




 αレンズを持っていた人たちを長い間、イライラムカムカさせたわけですからこれぐらいの製品を出さないことにはミノルタはミノルタファンに償いはできません。価格がちょっと高めなのが気になりますけれど、しかしそれなりの価格相当の実力は備えていると思います。αレンズ所有者がもし、デジタル一眼の購入を考えているならもちろん第一候補の、ぜったいおすすめの機種となるでしょう。
 ただ、αレンズを一本も持ってなくてイチからボディとレンズとを揃えて、となると、しばし立ち止まって考えてみるべきでしょう。とくに、いままでコンパクトデジタルカメラを使っていて、さてそろそろ一眼デジタルを…と考えている人たちには、いまならペンタックスの*ist DSやオリンパスのE-300のほうをじっくりと検討した方がなにかにつけて得策かもしれません。

2004年11月24日(水) 

2004年11月25日(木) 一ヶ月早いメリークリスマス

コニカミノルタ・α-7 DIGITAL + AF17〜35mmF2.8〜4.0
 部分的にあれっと思わせるところはありましたけれど、でも、シャクになるほど良くできたカメラです。まったくもって“ミノルタらしからぬ”ほどの完成度の高いカメラに仕上がっておりました。使っておりますと堺のあの古びた建物の中で歯を食いしばってこのカメラの開発をしてきた何人かの人たちの顔が浮かびます。だからこそ、販売や宣伝担当者、広報担当者は東京で(いままでみたいに)のほほんとしてちゃあだめですよ、ほんと。きっとはじめの売れ行きは予想以上にイイでしょう。でもそれに漫然とあぐらをかいてたらだめです。αレンズを持っている人たちはほっといても買ってくるでしょうけれど、これからはそれ以外の人たちにも買ってもらえるようにがんばらなくちゃいけませんよね。




 α-7DIGITALの魅力は手ブレ補正内蔵と大型液晶モニター、各種操作部やそのユーザーインターフェースが良くできていることでしょうか。とくに手ブレ補正は最大の魅力です。いちおう手ブレ補正機能のON/OFFのスイッチがありますが、このスイッチをOFFにして使うことはぼくはまずあり得ません。常時ONです。手ブレ補正機能をOFFなんかしたらα-7DIGITALの魅力は半減どころかほとんどなくなってしまいます。なんだかカンチガイをしている人がいるようですが、手ブレ補正の効果はナニも低速シャッタースピードの時だけではないのです。むしろ中速域のシャッタースピードでダントツの効果を出してくれます。ブレるかブレないか微妙なシャッタースピードでのブレを確実に補正してくれますからレンズの性能さえ良ければダントツの描写が期待できるはずです。

2004年11月26日(金) いくつかの気になった点

コニカミノルタ・α-7 DIGITAL + AF17〜35mmF2.8〜4.0
 AFが、AFの精度がどうもオカシい。何本かのレンズで試してみたのですが正確にピントを合わせてくれない現象が頻発しました。ファインダーを見て判別できるほどのピントずれです。いままでたくさんのαシリーズのカメラを使ってきましたが、経験したことのないハデな非合焦の現象でした。ナニか深い“病根”がありそうな気もしないでもない。ただし数台のα-7DIGITALで使って同じように起こった現象ではないのでナンとも言えませんけれど、でも、手ブレ補正がどれだけぴしっと効いてもカンジンのピントがずれていたのではなんにもなりませんもんね。もっとも気になった点でした。




 露出がややアンダー目になることもあってこれも気になった点。他社のデジタル一眼と比べて(同一撮影条件で)このα-7DIGITALだけが「おやっ」と感じるほどの露出アンダーになることもありました。いままでとは違うちょっと“強いクセ”を持つ測光アルゴリズムにしたようで、ぼくはいささか戸惑いました。
 使っていてイチバン困ったことは不用意にISO感度が変わってしまうことでした。メインスイッチをONにしたままカメラを肩から下げていただけで、まったく気付かないうちにISO感度設定ボタンと十字キーが押されていてISO感度がISO100からISO1600に勝手に設定されており、びっくりしました。こうしたことは、さっそくα-7DIGITALを手に入れて使ってらっしゃる人の中にも、あれれっと思われた人もいるんではないでしょうか。

2004年11月27日(土) 

2004年11月28日(日) 

2004年11月29日(月) 

2004年11月30日(火) 安かろう良かろう

オリンパス・E-300 + ZUIKO DIGITAL 14〜45mmF3.5〜5.6
 その14〜45mmの ―― 35mm判換算で28〜90mm相当の ―― ズームレンズとセットになって10万円以下の“びっくり価格”のデジタル一眼であります。ボディの外観デザインなどそのツクリ(仕上げ)を見ると決して高級感があるとは言い難いですが、でも、かんじんのデジタルカメラとしての実力(写りと性能、機能)のほどはとても10万円以下のカメラとは思えません。さあぼちぼちデジタル一眼でも、と考えておられる人たちには、今秋に発売されるデジタル一眼の中ではいちばんの注目機種といってよいでしょう。なにせ、標準ズーム付きで税込み10万円以下ですから。




 高ISO感度でややノイジーになったりオートホワイトバランスが不安定だったりしますが、しかしぼくはそのことだけを取り上げてこのカメラを短絡的に急いで評価はしたくありません。すべからくそうだと思うのだけれど、カメラもまた“総合力”で見るべきであります。たった一、二点のささいな欠点を発見して、このカメラはダメだ、と決めつける(キミのことだ)、そんな評価の仕方はそろそろやめようね。
 APS-Cサイズと比べて少し小さな4/3型(フォーサーズ)CCDを使用した800万画素です。キヤノン・EOS 20Dの撮像素子(CMOS)はAPS-Cサイズ相当でこれまた800万画素です。というわけで、さっそくEOS 20DとこのE-300で“撮り比べ”をしてみましたら、条件によってはE-300のほうが写りが良かった場面もありました。くどいようですが、E-300の価格はEOS 20Dの「半分以下」です。

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