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2006年1月1日(日) E-500にxD-ピクチャーカードスロットなど必要なかったよね

オリンパス・E-500 + ZUIKO DIGITAL 35mmF3.5 MACRO
 E-500には記録メディア用のスロットがふたつ備わっている。CFカード用とxD-ピクチャーカード用である。E-1もE-300にもCFカード用スロットだけで、xD-ピクチャーカード用のスロットは備わっていない。E-500でxD-ピクチャーカードも使えるようにした理由は、じつに単純至極、コンパクトデジタルカメラのユーザーのステップアップを狙ってのものだった。いま使っているxD-ピクチャーカードを無駄にせずにそのまま一眼デジタルにも使えるからいいぞ、なんてと思う人がたくさんいるのではないか、とユーザーを見下したような考え方がいけない ―― だいたいこうした姑息で単純な思い込みがどれだけ製品の進化を妨げているかオリンパスはわかっておるのだろうか。




 そもそもE-500にxD-ピクチャーカードのスロットなどまったく必要ないと思う。じっさいに、E-500ユーザーのうち“わざわざ”xD-ピクチャーカードを使って撮影している人なんて、さあどれくらいいるのだろうか。きっと1〜2パーセントもいないに違いない。E-500にダブルスロットの画期的な活用機能が盛り込まれているというなら話は別だけどそうでもない。xD-ピクチャーカードスロットを喜ぶ人が少ないことなんぞ、そんなことは当初からわかっていたことで、だから、こうしたこと ―― E-500にxD-ピクチャーカードスロットを搭載するということ ―― も、きっとカメラ開発側から出たアイディアなんぞではなく、目先のちっぽけな儲けだけを考えた営業販売側から強引に出た貧困なアイディアに違いない。まったくもって無駄で、邪魔で、夢のないE-500のxD-ピクチャーカードスロットであります。ファインダーと、このxD-ピクチャーカードスロットをのぞけば、ほんと良くできたカメラだと思うけどねえ。

2006年1月2日(月) 例のマグニファイアーアイキャップとEOS 20D

キヤノン・EOS 20D + タムロン11〜18mmF4.5〜5.6 Di II
 小さな不満点はあるけれど、20Dは「これはなかなか良いカメラであるなあ」と今さらながら ―― 近いうちに、画素数をオーバー1000万画素にしたり2.5インチ型液晶モニター (いや2.2インチ型の有機ELかな) を搭載し、ピクチャースタイルを取り入れた新しい後継モデルが発表になるに違いないだろう ―― あらためて評価し直している次第であります。EOS 5DやニコンのD200などオーバー1000万画素機種に比べると (比べると、だ) やや解像感の点で劣るところもなきにしもあらずだが、階調描写力にかんしては互角またはそれ以上の実力を持っていると思う。とにかくトータルバランスに優れたカメラで、かりに後継モデルが出てきたとしても決してこの20Dの高い評価が変わることはない。




 オリンパス製の1.2倍マグニファイアーアイキャップが20Dにセットして使用できると先日ここで書いた。で、20Dにそれを取り付けて使ってみたけれどぼくは眼鏡をかけているために ―― 昔からそうなのだがファインダーの視度補正を調整して裸眼で、つまり眼鏡を外してファインダーを覗くことはゼッタイにしない ―― ほんのわずかだがアイポイントが遠くなってしまって、画面の四隅まできちんと見渡せなくなった。これは困る。
 試しに眼鏡を外して覗いてみたら、ファインダー内画像が思った以上に大きく見えてこれがなかなかによろしい。まるでフルサイズのEOS 5Dの画面を覗いているような感じだ。とくに画面下の情報表示文字などは「うわっ」と言うほどに大きく見えて邪魔に感じるほど。画面周辺部で像が流れたり、じっと見ているうちに鼻の奥がつーんっとすることもなく、マッチングはすこぶる良い。でも、ぼくは裸眼でファインダーを見ない主義だから、画面がすっきりと見渡せないのがいやなので結局、取り外してしまったけど。

2006年1月3日(火) 

2006年1月4日(水) EOS 5DとEOS-1D Mark2 NとD200の液晶モニター・その1

キヤノン・EOS 5D + EF24〜105mmF4L IS
 5Dの2.5インチ型液晶モニターは階調描写性能も良く広視野角で斜めからもよく見える。ただしそれは薄暗い場所での視認性の良さであって直射日光のあたるような戸外ではとたんに見にくくなる (はっきり言えば、見えない) 。それに、なんだかヘンにブルーに色が偏っており使い始めたときからこれが最大の不満でありました。この5Dの液晶モニターはEOS-1D Mark2 Nも同じものを使っているから、1D Mark2 Nも同じように明るい場所ではへなちょこな見え具合なのだ。




 ところで5Dと1D Mark2 Nのその液晶が、なんとニコンD200に使っている液晶と“同じメーカーらしい”と聞いた…。その見え具合があまりにも違うのと、撮影画像を再生表示させたときそのが5D、1D Mark2 Nと、D200とでは表示画面サイズが違ったりしていたので (D200がひと回りほど小さい) 、ハナっから「ウソだろっ」と思ってしまった。でもD200も同じく広視野角で170度の角度まで見えると言ってるし、事情通 ―― 古くからの友人でときどきデタラメを言うことがあるけど ―― に確かめてみると同じメーカー製ということはどうもホントのことらしいのだ。それにしても、D200のほうは (ちょっと明るすぎるのが玉にキズだけど) クリアーで色の偏りも少なく明るい場所でもくっきりと良く見えるじゃあないか。同じメーカーの液晶を使ってるのになぜこうも見え具合が違うんだろうか…。

2006年1月5日(木) EOS 5DとEOS-1D Mark2 NとD200の液晶モニター・その2

キヤノン・EOS 5D + EF24〜105mmF4L IS
 5D、1D Mark2Nに使用している液晶と、ニコンD200の液晶が実は同じメーカー製らしいというハナシの続き。でも、その見え具合はぜんぜん違うのだ。たとえば5DとD200の2台それぞれで、同じ被写体を同じ露出値で撮影して、再生表示してそれを並べて見比べてみれば一目瞭然。もし仮に同じメーカー製の液晶だとすれば、こんなにもはっきりとした違いが出るのはいったいどうした理由だろうかというのが疑問だった。以下、ふたたび事情通のハナシなのだが、バックライトが違うこと、液晶を駆動させるためのドライバーが違うことが原因ではないかと。ことほど左様に、同じ (似たような) 部品を使っていたとしても、ちょっとした調整の違いで出力結果が大きく違ってくるわけで、たとえば同じメーカーの同じCCDを使っているからと言って似たような画質、色調になるとは限らないわけだ (DSPのメーカーが違うこともあるし) 。




 さてところで、その液晶の見え具合と色が不満だった5Dと1D Mark2Nのための新しいファームウエアが昨年末にキヤノンから発表された。液晶の“明るさ”を改善したというものだ。で、さっそくファームウエアをバージョンアップして液晶モニターをチェックしてみた。ところが残念、ぼくが期待したほどのことはなく、ごくわずかに明るくなったかな、と感じる程度でありました。どれだけ良くなったのかわくわくしながら、手元にある5Dと1D Mark2Nのうち、まず5Dをファームアップし1D Mark2Nはそのままにして見比べた。でも、ナンだかがっかりしましたね。ブルーに偏る色調もそのままだし…。せっかくファームウエアを新しくしてくれるのなら、以前とははっきりと違いがわかるぐらいにもっと“思い切った改善”をしてくれればいいのにねえ、ぶつぶつ…。

2006年1月6日(金) いやあ、めちゃくちゃオモシロいカメラですねえ

コダック・EasyShare V570
 コダックがほぼ二年半近くかかって仕上げたという画期的なコンパクトデジタルカメラであります。コンパクトデジタルカメラはこれからがオモシロくなる、ってぼくが言っていたこれがその手始めかも知れない。このカメラをコダックからはじめて見せてもらったとき「こりゃあニホンの各カメラメーカーの開発者たちがきっと驚くだろうなあ…、もし驚きも感心もしないヤツがいればソイツはよほど感受性が鈍いか欠落しているに違いない」とまで思ったほど。で、使ってみたら、ますますその印象が強くなったね。でも、このカメラのハナシを聞いて (実物を見てもいないくせに) とある“評論家”は「そんなもん一時的なキワモノ商品だ、苦し紛れの商品だ」なんて寝起きのブタのようなことを言っておったが、ソレを聞いて思わずのけぞってしまった。




 V570はカメラそのものとしてはまだまだ“未完成”な部分もいくつかあるけれど、まあイイじゃないかソンな些細なことは、と思わせるほど思い切った発想とアイディア満載のカメラだ。
 このカメラにはデジタルカメラとしての“世界初”が三つあって、そのひとつがデュアルレンズ・デュアルCCDの機構を持ったカメラであること、ふたつめが23mm相当の超広角レンズを内蔵していること、そしてみっつめが撮影した複数画像をカメラ内で自動的につなぎ合わせ (ステッチング) してパノラマ写真に仕上げる機能を備えていることである。そのどれもがめちゃくちゃおもしろくてハナシをしたいことがウンとたくさんある。が、ここでハナシをしすぎるとせっかく書いた原稿のタネばらしをしてしまうことになり1月20日発売の雑誌が売れなくなってしまう。というわけで、とりあえず23mm相当の超広角で撮影してそれを自動ステッチングして仕上げたパノラマ写真を貼付しておくね。これで左右の画角は180度以上。

2006年1月7日(土) つなぎ写真の愉しさ

コダック・EasyShare V570
 23mm相当の超広角単焦点レンズと39〜117mm相当のズームレンズには「シュナイダー・クロイツナッハ・Cバリオゴン・プリズムレンズ」なんて大袈裟な名前が付いているけれど当然ながらシュナイダー製でない。レンズメーカーはちょっと意外な会社で、こうしたレンズが作れる技術があったのかと少し驚いた。いわゆる屈曲型とか屈折光学系などと呼ばれているレンズだ。光を直角に曲げる部分にはプリズムを使っている。鏡を使っているレンズもあるがプリズムのほうが製法は難しい。そのレンズメーカーは (たぶん) はじめて手がけた屈曲型レンズだったせいか、レンズの仕上がり ―― つまり描写性能 ―― は決して良いとは言い難い。とくに23mmワイドレンズのほうはマジメに描写云々を語るほどまでには仕上がっていない。ピントが固定式、というのもちょっとナンである。でも、イイのだソンなことは、取りあえずそこそこ写ればいいのだよ、この手のカメラは。




 写真の自動つなぎ合わせの機能を利用した「パノラマモード」がおもしろい。とにもかくにも、カメラ内でステッチング処理がおこなわれ、その結果がリアルタイムに確認できることが画期的で愉しいのだ。つなぎ写真の技法はフィルムカメラの時代からあったのだが、デジタルカメラの出現で画像をピクセル単位でつなぎ合わせる処理ができるようになってその仕上がりは格段に良くなった。まるで一台のカメラでワンショット撮影したかのような写真に仕立ててしまうこともできる。ステッチング機能を利用することで画素数の少ないカメラであっても、被写体を分割撮影してステッチング処理することで“巨大画像”に仕上げたり“超広角画像”に仕上げたりできる。ただし、いままでは撮影した画像をいったんPCに持ち込んで専用ソフトで処理しなければならなかったのだが、このV750では処理そのものをカメラ内でごく短時間におこなってしまうというところがミソなのだ。そのステッチング処理もかなり融通性があって、ナンの脈絡もない連続性もない3カットでも“強引”につなぎ合わせてくれる ―― じつに良くできた優秀なステッチングソフトだ。こうしてできあがった写真の視覚的おもしろさは、いままでの常識的なパノラマ写真では経験できなかったことで、新しい写真表現のひとつになるかもしれない。

2006年1月8日(日) 

2006年1月9日(月) 写真の愉しさカメラの将来

コダック・EasyShare V570
 いまほど「カメラ」がおもしろい時代はないのではないかと思う。写真を愉しんだり表現したり、そしてそれを鑑賞するのに、こんなにも幸せな時代はいまだかってなかったはずだ。フィルムカメラはあるし (まだまだ健在だ) つぎつぎと新しいデジタルカメラが出てくる。新型カメラだけじゃなく、市場には“使える”中古カメラも依然たくさんある。フィルムは近い将来にはだんだん種類が少なくっていくだろうけれど、いまなら多種多様なフィルムが選べるし、それを使って古いカメラで撮影を愉しむこともできる。写真を「見る」手段も道具もたくさんある。
 デジタルカメラはといえば、数年前に比べれば写りも画質も格段に良くなっている、低価格のコンパクトデジタルカメラでもほとんど不満のない程度に写る。写真の撮影を愉しんだり、写真を表現したり記録するための新しく便利な機能や機構が、これからもどしどし開発されたり搭載されたりするに違いない。




 とはいえカメラはしょせん道具にすぎない。写真を写すための道具だ。でも、しょせん道具だからこそ、カメラは誰でもがカンタンに扱えて確実に写せることがいちばん大事なことじゃないだろうか考えている。昔に比べればカメラの操作はかなり容易になったし、デジタルカメラになってから失敗も格段に少なくなったし、写真がほんとうに楽しめるようになった ―― 写すという行為も含めて。AFやAEなど自動撮影の機能が飛躍的に向上したためと、写した結果がリアルタイムで確認できるというデジタルカメラの即時性のおかげだ。
 しかし、誰でもが、もっとカンタンにもっと確実に思った通りの写真を得るための道具としては、いまのカメラはまだまだだと思う。もっともっと自動化がすすみ使いやすくなるべきで、そう、理想を言えば、まず手始めにカメラから「露出」という概念をなくして欲しい。絞りもシャッタースピードも感度もなにもかも、とにかくややこしいことを考えなくても写せるカメラが欲しい。そうすれば被写体の輝度 (明るさ暗さ) にかかわらず、ただカメラを向けてフレーミングしてシャッターを切るだけで期待した通りの“きれいな写真”が撮れる。写真で記録すること、写真で表現することだけに、もっと集中できてさらに愉しめるはずだ。まったくの初心者もベテランのプロも、カメラを操作して写真を写す、というそのことにかんしてはまったく同列になれる。いいことじゃあないか。

2006年1月10日(火) 

2006年1月11日(水) 

2006年1月12日(木) 

2006年1月13日(金) 

2006年1月14日(土) 残念ながら、はなはだ期待はずれのカメラでありました

マミヤ・Mamiya ZD + AF35mmF3.5
 いわゆる中判デジタルカメラで、使用している撮像素子 (CCD) のサイズは48×36mmのデカさ。その有効画素数は2130万画素。ボディ単体の価格が実販で約130万円。これに別売のデタッチャブルのローパスフィルターが約18万円である。よって、その他もろもろを含めると150万円コースとなる。さらに、必要な交換レンズを数本、これに加えると、ま、200万円近い買い物になるわけだ。
 で、かんじんの、中判デジタルカメラZDは200万円の価値ありやいなや、なのだが、先月末に発売されて、きちんとした製品版をさんざん使ったのだけれど、はっきり言って「200万円の価値」はとてもとてもぼくには感じられなかった。期待はずれ。たとえば液晶モニターだけど1.8インチ型でその画素数もかなり低い。あまりにもプアーなモニターだ。そもそも1.8インチ型といえばその画面サイズは約37×27mm程度しかない。なんと、搭載しているCCDよりもずっとずっと小さい。いくらナンでもそりゃあないだろう。




 ぼくがこのZDをウマく使いこなせなかったからかも知れないけれど、2130万画素の解像感なんてこんなもんだろうか…違うんではないか、と思わせられたのが手始めで、そして、なんでこんなに階調描写力がないのだろか (ハイライト部の描写が腰砕け ―― 白飛びしすぎる) 、色調にどうしてこんなに深みがないのだろうか (まるで、古びてくすんだセロファンの色のようだ) 、高感度はノイズが激しすぎてISO50しか使いものにならないなんていまどき (ノイズに寛容なぼくでもISO100も使いたくない) 、と不満たらたらだったのは、そりゃあしょうがないじゃないか、あれやこれやで200万円もするカメラのことを考えればどうしても「費用対効果」を期待する。3万円のコンパクトデジタルカメラを買ったけれど期待はずれで笑って済ましてしまうというのとは ―― ほんとは笑って済ませられないけれど ―― ちょいとワケが違う。
 使用しているCCDはダルサ社。ダルサはモトはといえばはあのコンタックスNデジタルのCCDであり、苦渋の末に途中放棄したペンタックスのフルサイズデジタルカメラのことを想い出してしまう…。

2006年1月15日(日) 画素ピッチは9ミクロン

マミヤ・Mamiya ZD + AF35mmF3.5
 どんな製品でも商品として市場に出ている限りは、どこかイイところがあるはずで、まったく箸にも棒にもかからないものが「商品」とはなりえるはずがない (たぶん)。このMamiya ZDにしたってむろんイイところ、魅力的なところはあるはずで、そうした部分も見てやらなくてはいけないのだが、ZDにかんしてはそれに気づくアンテナをぼくが持っていなかっただけのことだ。たとえば画質だけれど、RAWで撮った画像をウデとセンスの良い画像処理テクニックを持ったひとがレタッチをして仕上げれば (たぶん) 48×36mmのビッグサイズの2130万画素CCDの実力を充分に発揮させることも不可能ではないだろう。実際、RAW画像を処理してみたときにそんな印象を大いに受けた。でも、ぼくにはZDのRAWファイル画像を満足できる画像に仕上げるウデもセンスもヤル気もないだけで ―― 専用のRAW現像ソフトがちょっと扱いにくいけどね ―― ZDを使ってRAWで撮ってじっくりと処理することをいとわないひとにとっては魅力的でイイ商品になる (かもしれない)。
 その商品の利点と欠点を天秤にかける。その天秤が自分にとってどちら側に傾くかをよく見ればいいだけの話だ。




 ノイズがひどすぎてISO50でしか使いもにならない、と昨日、ここに書いたけれど、それはまったくもってぼくの価値基準で判断した印象であって、言うまでもないがISO200やISO400の画像を見て「べつにイイじゃないかこれで」と考えてもまったくナンの異論もない。ぼくはただ単に、画素ピッチが9ミクロンもあるCCDにもかかわらずそのISO400の画像は、500万画素1/2.5インチ型CCDのISO400の画像よりノイジーに見えて、9ミクロンもあるのにそりゃあないじゃないかと思ったにすぎない。ところで、ハナシは少し横道にそれるけれど、画素ピッチサイズが小さくなるとノイズが多くなるッ、だから小さなサイズの高画素撮像素子はダメなんだッ、と叫んでいる人たちはこのZDの画像をどう見るんだろうか…。
 でもこのノイジーであることも、また別の見方をすれば、わざわざMamiya ZDで高ISO感度で撮影する必要などまったくないことは自明のことだ。高感度で撮影がしたければ別のカメラを使えばいいのだ。ZDとはそういうカメラなのだ。マミヤが、ZDにノイジーになることを覚悟でISO200やISO400の感度設定ができるようにしたのは、「おまけ」と考えればいい。

2006年1月16日(月) 

2006年1月17日(火) 

2006年1月18日(水) 

2006年1月19日(木) 

2006年1月20日(金) お手軽ハイビジョン撮影

サンヨー・Xacti DMX-HD1
 デジタルスチルカメラというよりもデジタルムービーカメラで、だからスチル撮影機能は“おまけ”と考えた方がいい。それは当然のことで、このHD1のイチバンのセールスポイントは動画撮影機能であり、その動画は1280×720pixel (30fps) の画像でハイビジョンに対応している。2GBの記録メディア (SDカード) を使用すれば最長40分のハイビジョン撮影が可能であるという。そのハイビジョン撮影中に510万画素の静止画像を撮影し記録できる。ただし、静止画撮影をするとその処理の間 (1〜2秒ぐらいか) 、ムービー撮影は“一時中断”されてしまう。




 ハイビジョン対応の「デジタルカメラ」としてはすでにパナソニックのLUMIX LX1があるが、このLX1のハイビジョン画像はパナソニックの一部のハイビジョンTVでしか観られないのが欠点。ところがHD1は、D4端子を備えたハイビジョンTVであれば、メーカーを問わず高精細なムービー画像が観られる。わが家の東芝製ハイビジョンTVでさっそく試してみたけれど、いやあやはりキレイでありました。ただし、ぼくの動画撮影技術がヘボだったので ―― 昔、アリフレックスやボレックスを使ってさんざん撮影はしていたけれど ―― あまりオモシロくなかったが、三脚を使うなどしっかりと腰を据えて撮影すれば、それ相当の“観ていて愉しい”ハイビジョン画像が撮れるだけの実力を持った小型軽量カメラだと思う。
 内蔵レンズは、昨日ちょっと残念な発表があったコニカミノルタ製の10倍ズームレンズ。

2006年1月21日(土) 楽しいねえ、ハイビジョンムービー

サンヨー・Xacti DMX-HD1
 HD1はハイビジョンムービー撮影の機能を搭載した「カメラ」としては世界最小最軽量であると。いま手元にあるプレスレリーズによると「体積は約200cc」で「質量は約210g」とのことであります。で、その体積約200cc質量約210gの“小ささ軽さ”については、HD1発表会の会場で小さなパック入りのジュースを手にかざして「だいたいコレと同じなのです、この中にハイビジョンムービー撮影機能が入っています」と説明をしていたけれど、すごくよく、サンヨーの言いたいことが伝わってきました。というわけでハイビジョンムービー撮影機能を搭載してるカメラとしては大変に小さく軽く、そして手軽に撮影ができる。ただし、撮影するときについ気楽な気分になってぞんざいに撮影してしまい、ブレたりピンぼけになったりして、せっかくのハイビジョン画像を台無しにしてしまった、てことにならないように注意する必要は大いにありますねえ。




 デジタルカメラに内蔵された動画撮影機能は、すぐにとは言えないけれど、いずれはハイビジョンモード搭載が“当たり前”になってくるだろう。地上波デジタル放送が本格的に始まれば、どの家庭にもハイビジョンTVが入り込んでくるだろうし、そうなればそのTVで滑らかできれいなハイビジョン画像が見たいと思うのはごくごく自然な成り行きだろう ―― とにかく640×480pixelのVGA画像なんてばかばかしくて観てられないほどハイビジョン画像はきれいなのだ ―― 。そして、カメラとハイビジョンTVとが無線LANかなにかでワイヤレス通信ができて、手元にあるカメラをカンタンに操作しながらTVで写真や動画を観る。そのハイビジョンTVとプリンターがこれまた無線LANで繋がっていて「これ、いいなあ」と思えばすぐにプリントができる…なんてことが決して夢ではないと思う。
 でも、HD1でハイビジョン撮影したMPEG-4の画像ファイルを (ぼくのプアーな) PCで再生すると、カクン、カクンと、とても“滑らかな表示”とはいえない。ハイビジョン画像の画像処理をするパワーがぼくのPCにはないのだ。てなことを経験してみると、無線LANでどうのこうのなんて、まだまだ先のことかなあ、なんて、いきなり夢がしぼんでしまう、けどね。

2006年1月22日(日) 

2006年1月23日(月) 

2006年1月24日(火) 

2006年1月25日(水) “当社比”、3倍明るくなった液晶モニター

カシオ・EXILIM EX-Z600
 EX-Z500のモデルチェンジ機種。液晶モニターの“明るさ”と、画素数が500万画素から“600万画素”になったことが変更点のおもなもの。このほか、いくつかの“楽しい機能”や“役立つ機能”も追加されたけれど、基本的なスペックはZ500と同じだ。それにしても、EXILIMシリーズは、もういい加減に「3倍ズームレンズ内蔵薄型」から脱却して、たとえば5倍ぐらいの高倍率ズームを採用するとか思い切って屈曲型ズームを採用してボディデザインを一新するとかしてはどうなんでしょうか。どうも最近、カシオのカメラは保守的ムードが蔓延しているように感じられますね。カシオからは、カシオらしいもっと革新的で斬新な発想のカメラが出てきて欲しい。




 液晶モニターは2.7インチ型で15万画素、これはZ500と同じだが明るさが3倍になった。モニターの明るさはメニューで「0」、「+1」、「+2」の3段階に切り替えられるほか、「オート1」、「オート2」という明るさを自動的に変更してくれるモードも選べる。オートモードは被写体輝度を見て ―― つまりレンズに入ってくる光の強弱 ―― 自動変化する (ただし変更するEV値は非公開)。オート1とオート2の違いは、オート2のほうが「より敏感に反応」するモードらしいのだが、なぜか使用説明書にこのことの記述がみあたらない。快晴の昼間、強い太陽の光を液晶画面にダイレクトに当てていても、いやあ良く見えますねえ。数年前の、あのだらしない見え方しかしなかったカシオの液晶モニターのことを思うと隔世の感があります。

2006年1月26日(木) 

2006年1月27日(金) 総合的にはとても良くできたカメラなんだけど…

カシオ・EXILIM EX-Z600
 レスポンスも良いし使い勝手も良いし液晶もとても見やすいし電池のモチも良いし、画質もまあそこそこ、というよりもこのクラスのカメラとしてはほとんど不満のないレベルだし、という具合に総合点ではとてもイイのだけれど、ナンといいましょうか、いまいち魅力が薄い。ぐーんっと惹きつけられるところがないのであります。エラそうに言うつもりはないけれど、ひとつには、個性的でない、のがその理由ではないだろうか。カメラ外観デザインも、あまりにもありきたりすぎるように思う。いまのカシオはもっと冒険してもいいのではないでしょうか。




 おもしろい撮影機能としては「フラッシュ連写」。3コマ/秒のスピードで、最大3コマまでフラッシュ同調撮影ができるモードがフラッシュ連写だ。ワンカット、フラッシュ撮影をすると、しばらくナニすることもできずに待っていなければならないカメラが多い中で、このZ600のフラッシュ連写撮影モードはスゴいです。なかなかいいアイディアだ。いままで写せなかったモノが写せる、という意味で画期的と言ってよいでしょう。このほか、ちょいとお遊び的な機能と言えなくもないけれど、色褪せた古い写真を複写したとき色鮮やかに元通りに再現してくれる「よみがえりショット」や、同じように複写した写真や印刷物などを色調を整え鮮やかに補正してくれる「退色補正」の機能がある。この「よみがえりショット」も「退色補正」も、写真などを複写することを前提にしていて、そのために斜め方向から撮影して傾いて写ってしまった画像を自動修正してくれる「アングル補正」の機能とセットになっている。ためしに、人物を撮影してから「退色補正」を試みたのだが、「この画像は補整できませんでした」と、きっぱりとZ600に拒否されてしまいました。

2006年1月28日(土) 

2006年1月29日(日) 

2006年1月30日(月) コストパフォーマンスの高い注目ズームレンズです

ニコン・D200 + シグマ・17〜70mmF2.8〜4.5 DC MACRO
 良いレンズだ。良く写るし、使い勝手もすこぶる良い。17mm広角端のF2.8開放絞り値での描写も、予想していたよりずっと良かった。写してみて少し驚いた。画面の四隅周辺部で、ごくわずかに描写が甘くなるようだけどそれにしたって1000万画素以上のカメラを使ってピクセル等倍で見ての話だから“かなり良い描写”と言ってもいいだろう。70mm望遠端の描写は開放絞り値から文句のない描写でありました。最短撮影がズーム全域で20センチというのもスゴいではないですか。




 レンズ全長が約8センチ (縮長時、17mm側) で、それにカメラボディの厚みが加わるわけで、そうなるとレンズ先端部から被写体まで数センチの距離まで近づけることになる。ちなみに、最短撮影時のワーキングディスタンスは17mm側で約7センチ、望遠側の70mmではズーミングしてレンズ全長は約13センチぐらいに伸びるからそのワーキングディスタンスは約3センチになる。なお、レンズ交換式一眼レフカメラで最短距離をいうとき、撮像面から被写体までの距離のことで、レンズ固定式のコンパクトカメラなどでは最短距離はレンズ先端部から被写体までの距離を言う。焦点距離70mmで20センチまでの最短撮影が可能ということは、たとえば、CFカードを画面いっぱいに写し込めるほどの撮影倍率になるわけでありまして、この“マクロレンズ殺し”のズームレンズが、25.5〜105mm相当の画角 (DXフォーマット時) もカバーしてくれて、価格も安く、こりゃあなかなか優秀なレンズでありますねえ。

2006年1月31日(火) 


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