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2005年12月6日(火) 人でごった返す真如堂の紅葉であります

ニコン・D200 + DX VR 18〜200mmF3.5〜5.6
 ここ2〜3週間ほど撮影や原稿や打ち合わせや遊びやらが入り交じって少しとっちらかっていまして、気づけば12月もだいぶ過ぎてしまっています。その忙しい中、しばらく京都の紅葉の景色を見てなかったのでそれを数日かけて見に行ったわけですが、いやあ、凄い人出でした。驚きました。どこも ―― 普通の季節なら人っこひとりいないようなお寺でも ―― ごった返すような人でした。
 せっかくこの季節に京都に来たんだからと、よせばいいのに清水寺の夜間ライトアップを見に行ったのですが、凄まじい人で舞台にたどりつこうにもいっこうに前に進みません。まるで宵山の祇園祭と大晦日の八坂さんのおけら参りが一緒になったような、ま、そんな感じでした。




 で、人混みを避けて東山にあるとあるお寺に (紅葉風景ではそこそこ有名です)、早朝、出かけました。ウイークデーで、夜が明けてまだ陽が出る前の時刻ですよ。いくらナンでもこの時間なら誰もおるまいとタカを括っておりましたが、そのお寺の小さな門をくぐったとたん、庭には4〜5人がすでに三脚を立ててこちらを睨んでおりました。
 さてぼくも一緒に撮影させてもらおうと三脚をセットしはじめたら、「ここは三脚禁止ですよっ、やめてくださいねっ」とお寺の人の声が響きました。それを聞いてぼくは慌てて三脚をしまったのですが、すでに場所を確保して三脚をセットしている人たちのほとんどは、ま、有り体に言えば「無視」でした。そりゃあないだろう、やめてくれ、といってるんだからさっさと三脚をしまえばいいのに、だからカメラマンがイヤがられるんです。数分後、また同じように「三脚はやめてくださいっ」とお寺の人のキツい声がして、ようやくしぶしぶ三脚をたたむ人が二、三人。ま、三脚がなければ到底、撮影ができるような明るさではありませんから、三脚禁止はすなわち撮影禁止ですからかわいそうではありますけど。
 で、ぼくはといえば、優秀な手ブレ補正内蔵ズームとISO感度をアップしてもそれほど気にならないカメラとレンズを持ってましたから、どしどし手持ちで撮影を続けることができました、とさ。

2005年12月7日(水) ウソのようなホントウのハナシ?

ニコン・D200 + DX VR 18〜200mmF3.5〜5.6
 携帯電話の使用説明書も、すごいページ数と詳細な記述がされていますが、D200の使用説明書も、携帯電話のそれとまではいきませんがカメラの使用説明書としては相当なページ数の冊子になっています。厚みは約1.5センチほどあってページ数は約330ページです。抜群の“読み応え”があります。読んでいて (ぼくには) とにかくおもしろいしタメになることがいっぱい書いてあります。カメラを使っていたり原稿を書いたりするときには頻繁に参考にします。他の (とある) カメラメーカーの使用説明書のように“読めば読むほどわからなくなってしまう”というものではありません。その記述は懇切丁寧 (ちょっとクドいと感じるところもありますが) 。本文の下段に「ヒント」だとか「関連データ」、「チェックポイント」などが少し小さな文字で書いてあって、その説明が親切でツボをついていてこれがイイのです。




 以下、ウソのようなホントウの話です。だいぶ前のことですが、有名な話なんです。
 とある高名なカメラマンの依頼でニコノス ―― レンズ交換式の水中カメラ、昨年、生産が中止になてしまいました ―― を貸し出しました。で、そのカメラマンがニコンに返却に来たときに、「なんだっこのカメラは。水中でレンズ交換したら壊れてしまったじゃないかっ」と怒ったということです。担当者は驚いて「いえ、このカメラは水中でレンズ交換もフィルム交換もできません…」と返答したらしいのですが、くだんのカメラマンは「そんなこと、使用説明書のドコに書いてあるのかっ」とさらに怒ったということです。いやウソだよ、そんなこと、とお思いでしょうけれど、ほんとうのことなんです。
 その“事件”があってニコンでは使用説明書の改訂版を出したのか次機種の使用説明書だったかに「水中でレンズ交換、フィルム交換はしないで下さい」との記述を加えたということです。こうしたことが積もり積もってニコンの使用説明書には、そんなこと常識じゃあないか、と思われるような記述があちこちにあって、それを見つけて読んでいるだけでもこれまた愉しいのです。

2005年12月8日(木) GR DIGITALの話を少し

リコー・GR DIGITAL
 いいカメラですねえ。使えば使うほど、手に馴染み、気持ちが軽ろやかになります。写真を撮ることがこんなにも愉しいことだったのかと、いまさらながらあらためて思わせてくれます。操作性の良さもさることながらレンズも良いし画質も良い。トータルバランスの良いカメラです。ほとんど不満らしい不満を感じさせない最近では希有なカメラです。このカメラについてナンだカンだとおせっかいな言いがかりやマトはずれなコメントを述べてる人がいるようでありますが、不思議な気がしないでもありません。ぼくは ―― 何度もいいますけど、いいカメラだと確信して使っています。それでイイんです。カメラなんて、もともとソンなもんじゃないでしょうか。自分が気に入って、こりゃあ使いやすいぞ、良く写りそうだぞ、気分がよいぞ、と思えば思うほど、いい写真が写せるもんです。けっきょく、いい写真 ―― 自分で良く撮れたなぁと思った写真 ―― が写せればカメラのあれこれうんぬんなどどーでもいいことです。それはなにもGR DIGITALに限ったことではありません。




 さて、少し前のことになりますが、デジタルフォト誌 (ソフトバンククリエイティブ社) からMOOK本として「GR DIGITAL パーフェクトガイド」が出版されました。一冊まるごとGR DIGITALの本です。ぼくも少しお手伝いをさせていただきましたが、この本がナンと、あっという間に“ほぼ完売”になったそうです。で、その本の中でGR DIGITALの開発者たちとインタビューをさせてもらいました。前々から気になっていたことが一つあって、あらためてその場で聞いてみたのですが、まさかの答えで、いささか驚いてしまいました。撮像素子の交換のことです。その答えとは、将来的に、もし可能ならボディやレンズはそのままで撮像素子 (CCD) だけを最新型のものと交換するサービスをやるつもりがある、というものなのです。以下、少し省略して抜粋。
田中「撮像素子の換装サービスが……これは本当なのでしょうか?」
畑「具体的な話はまだ進んでいませんが、その可能性はあります。……開発段階から常に考えていました。……これから具体的に検討していきたいと思っています。」
 と、まったくもってぼくの予想外 (想定外) の返答だったもので、唖然としてしまい、それ以上つっこんで聞かなかったのが、いまさらながら残念なことをしました。

2005年12月9日(金) GR DIGITALの話を、もう少し

リコー・GR DIGITAL + 専用ワイコン (GW-1)
 GR DIGITALには専用のワイドコンバージョンレンズが用意されています。内蔵28mm相当のレンズが、このワイコンをセットすると21mm相当で撮影ができます。GXシリーズのワイコンもそうでしたが、このワイコンはとくに、マスターレンズにベストマッチングするように「かなり気合いを入れて作った」 (リコー談) というだけあって、そんじょそこいらのワイコンとはまったく別物の写りの良さです。これがワイコンをセットして写した画像かっ、と思うほど良い描写です。言うまでもないことですがワイコンをセットしても開放F値には変化がないのもイイです。ただしワイコンのレンズ部が15000円で、そのレンズをGR DIGITALにセットするためのアダプター (GH-1) も必要ですから、少しためらう価格ではあります。でも、ぼくは買ってけっしてソンはないと思いますね。28mmと21mmのブライトフレーム付きの外部ビューファインダーよりも、ずーっと“役立ち”ます。




 ワイコンをGR DIGITALに取り付けるには、まずGR DIGITALのレンズ鏡筒まわりにある細いリングキャップ (バヨネット式) を取り外してワイコンアダプターをセットし、そこにワイコンレンズを取り付ける (ねじ込み式) 必要があります。で、モンダイは取り外した細いリングキャップの収納場所です。GXシリーズではワイコンアダプターにリングが取り付けられるようになっておったのですが、このGR DIGITALのワイコンアダプターにはそれがありません。この細いリングをいったいどーしろというのか、と憤慨していたのですが、ふとなにげなしにアダプターにワイコンレンズをねじ込む、その部分にリングをかませてみると、あつらえたようにぴったりと収まりました。ココにリングをセットしてレンズをねじ込むんです (ワイコンアダプターに少し細工をしてます、オリジナルではありません) 。
 ということを開発技術者の人たちにインタビューしたときにその話をしたら「ええっ、ソンなことができたんですか」と驚いていました。いや、でも、誂えたようにぴったりとハマるんですから、きっとはじめから考えてデザインなどを決めたに違いありません。ぼくに華を持たせようと、知ってて知らんぷりをしてくれたのかも知れません…。

2005年12月10日(土) D200の仕上がり設定よりもEOS 5Dのピクチャースタイルがイイ

キヤノン・EOS 5D + EF 24〜105mmF4L IS
 5Dの魅力は、四捨五入して言えば三つあります。一つは、言うまでもないですがフルサイズ撮像素子 (CMOS) を搭載していること。二つめは、画像仕上げの「ピクチャースタイル」を採用していることです。三つめは高ISO感度でのノイズの、驚くほどの少なさです。
 性能のよい1280万画素のフルサイズ撮像素子のおかげなのでしょうね、5Dのディテール描写力はさすがです。素晴らしいです。800万画素のEOS 20Dと同じ被写体を撮り比べると、やはり、というか当然というか、解像力にはっきりとした“差”がでます。でも、20Dの名誉のためにつけくわえますが、20Dの階調描写力はなかなかなものです。せんじつ、5Dと20D、そしてニコンのD200でさんざん撮り比べをしたのですが、あらためて (というか、予想以上に) 20Dの階調描写性能が良いのに驚かされました。5Dと比べても、解像力はともかくとして、階調描写性については20Dのほうが良かった場面もいくつかありました ―― ライティングや被写体状況によって5Dが良い場合もありましたが。




 「ピクチャースタイル」は、これはとてもイイ機能です。大変に便利で使いやすい。RAWで撮影するひとにはあまりありがたみを感じないでしょうけれど、ぼくのようにJPEGでどしどし撮影をしてしまうものにとってはとっても重宝します(ほんとうはRAW撮影派にも便利で役立つんですけど、ね)。
 そのピクチャースタイルでとくに、こりゃあいいぞ、と思ったのは各設定モードでシャープネスや彩度、コントラストなどの画像調整パラメータがかなり幅広く、きめ細かく設定できて、そんなふうに自分流に“手直し”したスタンダードモードや風景モードなど各モードを記憶させておけることです。ニコンD200にも、ピクチャースタイルと似た「仕上がり設定」があるのですが、しかしこちらは各モードでパラメータのきめ細かな設定ができません。カスタマイズモードを選んで、イチから各パラメータを設定していかなくてはなりません。使い勝手のうえからは、文句なしにEOS 5Dのピクチャースタイルのほうがよろしいです。

2005年12月11日(日) 液晶モニターのメニュー画面で設定できること

キヤノン・EOS 5D + EF 24〜105mmF4L IS
 20Dのほうが5Dよりも階調描写性能に優れていた場面もあった、と昨日、述べましたが、それについてちょっと補足をしておきます。あくまで比較撮影したのはそれぞれのディフォルト状態でのハナシで、だから20Dの現像パラメータは「パラメータ2」ですし、5Dのピクチャースタイルは「スタンダード」です。そのパラメータ2とスタンダードとのディフォルトの絵づくりの違いが階調描写の差としてあらわれたのかも知れません。言うまでもないですけど5Dのピクチャースタイルには「ニュートラル」や「忠実設定」などのモードがありますから、階調描写性能を重視するならそれらを選べばいい。さらには、それぞれ選択したモードでシャープネスやコントラストなどのパラメータを単独で (そしてかなりきめ細かく幅広く) 調整できますから、そうした点 (と、1280万画素の高解像度) を考慮するなら5Dの「実力」はかなりのモノといえますね。




 5Dは、同じフルサイズデジタル一眼のEOS-1Ds Mark2と比べると、使い勝手の良し悪しでいえば文句なしに5Dがよろしいです。ただし、ひとつふたつ気になっていることもあります。それは20Dもそうなのですが、ISO感度、ホワイトバランス、ドライブモードなどカメラ上部の情報パネルで設定するモードが、液晶画面内のメニューに入っていないことです。むろん、そうした設定をメニュー画面内でやらそうとするとメニューが煩雑複雑になってしまうことや、せっかくの情報パネル操作部の存在意義がなくなってしまうじゃないかという意見は重々承知の上です。
 でも、たとえばですが、5Dを少しハイアングルぎみに三脚にセットしたりすると、情報パネルで操作しようとしても背伸びをしても見えないことがあります。これがもし、ボディ背面の液晶モニターのメニュー画面で設定ができれば操作はじつにカンタンにすんでしまいます。文字も小さいしモノクロだし見にくい情報パネルよりも、大きな2.5インチ型カラー液晶画面のほうがずっと見やすいはずです。というのも、ニコンのD200ではカメラ上部の情報パネルでも液晶画面のメニューでもISO感度やホワイトバランスなどが設定できるのを見て、ますます5Dや20Dの、その不満が増大しました。

2005年12月12日(月) 

2005年12月13日(火) 

2005年12月14日(水) 来年は1/1.8型CCDでオーバー1000万画素、か

キヤノン・PowerShot S80
 高画素800万画素CCD、28mm相当の広角からの3.6倍ズーム、2.5インチ型の大型液晶モニター、そして新しく十字キー操作も可能なロータリー式のコントローラーホイールなどを搭載したハイエンドコンパクトデジタルカメラ、てなことになりますかね、カンタンに言えば。前モデルのS70などと同じスライドバリア式ですが使用メディアがS70まではCFカードだったのがこのS80ではSDカードに変わりました。でも内蔵の28〜100mm相当のズームレンズはまったく同じです。同じように28mm広角側で画面の四隅で“カクンッ”と描写性能が低下しまうことがあります ―― 周辺光量不足というものではなく解像度そのものが極端に低下してしまう、S70のときからかなり気になっておりました。この使いモノにならない四隅 (ほんのわずかですけど) をカットすると、結局35mm程度の画角にしかなりません。




 ボディの仕上げは、さすがキヤノンでしてウマいです、高級感もありますし都会的センスに溢れたカメラといった印象です。縦横のボディサイズに比べて「厚み」が気になることと、P/A/S/Mなどを切り替えるモードダイヤルの回転クリックが軽すぎて (バックから出し入れしたときなどに) 不用意にセットポジションが変わってしまうこと、ISO感度がメニュー画面に入らずにダイレクト設定ボタンでセットできるのは良いのですが「AUTO ISO」感度にした時にその表示が出ないこと、そしてISO感度がメニュー画面で設定できなくなったこと、などが“些細な不満点”でした。
 でも、良く写ります。画質も色調も (典型的なキヤノン的画質ですが) 良いです。やはり、最新型の800万画素CCDをキヤノンはウマく使いこなしています、さすがですね。来年にはこの1/1.8型でオーバー1000万画素のCCDも出てくるわけですが、これからがいろいろと楽しみです。高画素化することで (高画素化しないと不可能な) 、なにか大きなブレイクスルーがもうそろそろ起きてもいいころではないでしょうか。ぼくがいままでに高画素化に期待してきたことというのは、じつはこのことだったんですが詳細は言えません。

2005年12月15日(木) コンパクトデジタルカメラはこれからがおもしろい

キヤノン・PowerShot S80
 屈曲式、屈折式、あるいは折り曲げ式光学系などとよんでいるレンズや、一時待避式とかスライディング式、あるいはリトラクティング式などの光学系を備えたレンズを搭載したカメラが多くなってきました。いずれもカメラを小型化薄型化するために大いに貢献している技術のひとつです。ところが、キヤノンのコンパクトデジタルカメラには、そうした光学系を採用したレンズを使った機種はひとつもない(たぶん)。スライディング式レンズについては、おそらくキヤノンのものづくりの思想を見る限り採用しないように思えるのですが、もうひとつの屈曲型レンズを採用したカメラがいっこうに出てこないのが奇妙です。キヤノンのレンズ設計技術力からすれば、もうとっくに製品化していても不思議ではありません。




 もうひとつ、キヤノンのコンパクトデジタルカメラを見ていて奇妙に思えるのは、小型の機種にいつまでたっても手ブレ補正 (IS) を内蔵してこないことです。IXY DIGITALなんぞに手ブレ補正を入れてくれればどれだけ嬉しいか、と思っているのはぼくだけではないはずです。でも、キヤノンはナニを考えているかガンとして入れない ―― だいたい想像はつきますけれど、ね。ひょっとすると、屈曲型ズームレンズと手ブレ補正を組み合わせたレンズなどとーっくに設計が終わっていて、それを搭載する“タイミング”をじっと見計らっているのではないか、なんて穿った見方をしてしまう。キヤノンの技術出し惜しみ…、いやこれを言うと嫌がられるので言い替えて、キヤノンの技術温存主義…、ま、同じようなもんか。
 ところでコンパクトデジタルカメラは来年は、あちこちのメーカーからおもしろい製品 (斬新な技術や機能を搭載した製品) がどんどんと出てくるような気がします。いままで、じつにオーソドックスな製品づくりを続けていたキヤノンからも、ようやく「さすがだね、キヤノンっ」と言われるようなカメラが出てくるような気がしないでもないです (期待してますよ) 。

2005年12月16日(金) 

2005年12月17日(土) 

2005年12月18日(日) 

2005年12月19日(月) 

2005年12月20日(火) キヤノンがCIPAで推し進めようとしているワイヤレスシステム?

キヤノン・IXY DIGITAL WIRELESS
 撮影した画像をケーブルを使用せずに、つまりコードレス、ワイヤレスでPCやプリンターに“転送”できるカメラです。同じような機能 (無線LANの機能) を備えたコンパクトデジタルカメラとして、ほぼ同時期にニコンのCOOLPIX P1も発売されました。いちおう、両機種とも無線LANの標準規格であるIEEE802.11bに準拠していますがプロトコルが微妙に違っているようです。実際、両方の機種を使ってみましたが標準規格というには“統一”されたところが少なく、まだまだ発展途上のシステムのようなかんじを受けました。とはいえ、ぼくはだいぶ前から、このようにワイヤレスで誰でもが、いつでもどこででも、気楽に画像を転送できる日がすぐにやってくると思って楽しみにしていましたから、るんるんっ、としながらIXY DIGITAL WIRELESSもCOOLPIX P1も発表されるとすぐに貸してもらって使い込んでみました。




 ところがどっこい、ワイヤレスで画像を転送できるようになるまでにめちゃくちゃ苦労をしました。結論を言えば、P1もIXY WIRELESSもまあナンとかPCに画像が転送できてプリンターでプリントできましたけれど、そりゃあタイヘンなおもいをしました。いまだに解決しないこともいくつかありますし、ぼくがふだん使っている無線LAN内蔵のノートPCの設定がオカシクなったままで元に戻りません。
 でもソンな些細なトラブルや苦労はどうでもいいっ、と思わせるほどに「ワイヤレス画像転送」にぼくは大きな夢を持っているのですが、しかしIXY WIRELESSもP1も、いま、それらが採用しているワイヤレスシステムそのものがあまりにも中途半端すぎてそこが不満おおありなのです。PictBridge対応のプリンターに画像を転送してプリントさせることを“第一目的”にしていて ―― こうした統一規格づくりで例のキヤノンの“強引さ”が見え隠れしますが ―― ぼくが望んでいるようなブロードバンドを利用して、いつでも、どこでも、簡単に画像が転送できる“将来性”がないのがじつにもどかしいのです。

2005年12月21日(水) ブロードバンドに早く対応することを期待します

キヤノン・IXY DIGITAL WIRELESS
 IXY DIGITAL WIRELESSのベースはIXY DIGITAL60です。2.0インチ型の液晶モニター (60は2.5インチ型) をのぞいて、3倍ズームレンズ内蔵で500万画素と同じスペックです。ただし、カメラデザインはだいぶ違っていまして、はっきり言ってじつにダサいデザインです。撮影そのものの基本スペックもタイヘンに平凡です。無線LAN機能内蔵という“未来志向”のあるカメラとは思えぬぼんやりした姿と内容をしていますが、しかし実際にコードレスでPCに画像を転送したりプリントしてみたりすると、これがおもしろいのです。らくちんです。“ひも付き”がなんとわずらわしくてめんどうなことだったかをおもい知らしめてくれます。500万画素の画像のPCへの転送時間はワンカットがざっと5〜6秒です。遅い、という感じはほとんどしません。




 カメラを再生モードにして (接続先があらかじめ決まっていれば) ボディ背面のイージーダイレクトボタンを押すだけで自動的に画像が転送されます。転送が終わるとZoomBrowser EXが立ち上がって一覧表示されます。IXY DIGITAL WIRELESSにはプリンター用の受信アダプターのワイヤレスプリントアダプター (WA-1) が付属されておりますから、これをPictBridge対応のプリンターのUSBコネクタに差し込んでおけばコードレスで簡単にダイレクトプリントすることができます。通信距離は約30メートル。むろん、PCに接続されたプリンターにPC経由でワイヤレスプリントすることも可能です。さらにおもしろいのは、PC側からカメラをワイヤレス遠隔操作して、PCでモニター画像を確認しながらズーミングしたり撮影モードを変えたりしながら撮影し、その画像をリアルタイムでPCに保存することもできます。ただし、こうしたことができるのはPCのOSがWindows XPの、それもSP2にバージョンアップしたものでないとダメです。このほか、まだまだあれこれと「制限」の多いカメラですが使ってみると夢をいっぱい感じさせてくれます。

2005年12月22日(木) 

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2005年12月29日(木) 

2005年12月30日(金) この一、二週間、超多忙とかぁ、でありまして…

オリンパス・E-500 + ZUIKO DIGITAL 35mmF3.5 MACRO
 というわけで久しぶりであります。
 なんだか、わさわさふわふわした一、二週間でした。撮影と打ち合わせと原稿書き ―― というほと大したもんではありませんけど ―― と、そしてほとんど毎日のように事務所に人が尋ねてきたりしてその応対やらしているうちに突発性のカゼをひいたようでして悔しいほどにしばらく元気が出ずナニをするにもめんどうくさいのでした。で、数日前からなんとかモトの戻りつつありまして、さて、ようやくオリンパスの例のマグニファイアーアイキャップ (MF-1) を試してみました。ファインダー接眼部に取り付けることで約1.2倍拡大されて見えるという“ファインダー補助レンズ”であります。ちょっと厚めの外付け視度補正レンズ、と思えばいいでしょう。E-500のファインダー倍率があまりにもプアーで低レベルであったためにファインダー画像がほんとちっぽけにしか見えないという“欠点”をゴマかすためにオリンパスが急遽つくったのがこのアダプターです。でも、それでも5千円近くもします。




 E-500のファインダー倍率は実質的に0.5倍を下回っていますから1.2倍のマグニファイアーを取り付けたところでタカがしれておる、と期待はしていませんでしたが、使ってみて思った通りのヒドい見えでした。とくにぼくは眼鏡をかけておりますから余計、ヒドイ印象を受けたのでしょうね、きっと。もともとのE-500のファインダー光学系とこのマグニファイアーのレンズ (これでも2群2枚構成) の光学的マッチングがとれていない上に (ナニ考えてるんだろうねオリンパスは) 、ぼくの眼鏡のレンズの影響で、ファインダーを覗いたとたん眼と鼻の奥がつーんっとするような不快感を味わいました。何度も視度補正レンズを調整してみましたが、つーんっ、はいっこうに収まりません。眼鏡を外して覗いても見え具合の良し悪しに大差なく、マグニファイアーをハズした方がずっとましで、結局、使用するのをあきらめました。
 ところが、このオリンパス製のマグニファイアーアイキャップが他メーカーの一眼レフカメラにも取り付けることができることを発見しました。さっそく実際に取り付けてみたのは、キヤノンのEOS 10D、EOS 20D、EOS 5D、ニコンのD200、D70、D50、ペンタックスの*ist D、Ds、DL、Ds2などなどです。ナニがどうなっておるのか、E-500に取り付けて見えるファインダー画像よりも他社の他機種にセットした方がずっとずっーと見え具合がよろしいのです。

2005年12月31日(土) オリンパスはxD-ピクチャーカードから手を引くべきです

オリンパス・E-500 + ZUIKO DIGITAL 35mmF3.5 MACRO
 ぼくの知っている範囲でデジタルカメラにxD-ピクチャーカードを使用しているメーカーは、オリンパス、フジ、そして気まぐれ的にコダックの一部の機種だけです。フジはともかくとしてオリンパスはxD-ピクチャーカードをほとほと持て余しているように見受けられます。カメラを見ても使ってみても、オリンパスのカメラ開発者たちがxD-ピクチャーカードを嫌っているイヤがっている気持ちがひしひしと伝わってきます。コンパクトデジタルカメラはとくにそうした“厭世的な気分”が漂っていますし、このE-500でもxD-ピクチャーカード用スロットがまったくもって余分な“お荷物”になっています。やめりゃあイイんですよ、そんなに嫌なら。そして思い切ってSDカード対応にしたほうがすっきりとします。そのほうがずっと、いまよりももっともっと良いカメラができそうな気もします。xD-ピクチャーカードについては語るべきことは(考え違いしていたことも含めて)山のようにあります。




 じつはぼく自身は記録メディアにはまったくこだわっておりません。メディアなんてどうでもいい。とくに最近はその気持ちが強い。なぜかと言いますとデジタルカメラに交換式の記録メディアが必要な時代なんてもうすぐに終わってしまうと思っているからです。撮った画像はカメラ内蔵のメモリに一時保存したり、リアルタイムでブロードバンドを利用して無線LANでどこかのサーバーに保存しておき、必要なときにそこからダウンロードするといった時代が遠からず来るに違いありません。でも、来年とか再来年にその時代がすぐに来るとは思えません。それまでの“場つなぎ”としてまだ記録メディアは必要です。で、記録メディアの流れはSDカードが本流となりつつあります。SDカードは4GBを越えるあたりにひとつ技術的変化が起こってさらに「大河」となりそうな気もします。
 オリンパスはxD-ピクチャーカードを売ってそれで少し儲けを出していて ―― たかが知れた儲けだかでしょうけれど ―― 営業的にやめたくないようですが、いつまでもそんな目先の儲けだけにこだわっていてカメラづくりをしていては取り返しのつかないことになってしまいますよ。

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Akiary v.0.51