Photo of the Day

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2004年3月1日(月) 

2004年3月2日(火) カメラも人も、外観を見ただけで判断してはイカンです

オリンパス・CAMEDIA C-8080 WZ
 その外観デザインや操作スタイルに惑わされて、いささか遠慮していたカメラだったのですが、ちょっと他の800万画素カメラと比較撮影する機会などがありまして、その撮影結果を見て、おおーっ、とあらためてこの8080を見直してしまいました。画質は大変によろしいです。肩書きや外観を見た印象だけでその人のことを判断してはイカン、と死んだ母が言っておったのを思い出し、いま少し反省しております。




 2/3型800万画素CCDを使ったカメラがPMAショーに向けて立て続けに出て、いま5機種になります。その5機種の中では、外観デザインの印象はもっとも無骨で、衆人はばからず、傍若無人てな感じもしないでもないです。内蔵ズームも他の機種が望遠側で200mm相当まであるのに対して(ニコンは280mm相当)、この8080はたった140mmぐらいまでしかありません。そのズームレンズも、なぜこんなに不格好なのかと文句のひとつも言いたくなるような、そんなレンズです。「とにかく描写性能を最優先させたレンズです」と開発者が胸を張っていたのですが、それを聞いていたぼくは「でも、ソンなこと言ってもなあ…」と少し笑っておりました。
 いや、でも、胸を張っていただけであります。レンズはよろしいし、画像処理もそのレンズにぴったりとマッチしていてすこぶる好印象の画像が得られました。画質だけに関して言えば、ナンバーワンがこの8080、そして僅差でキヤノン・Pro1が続く、といった感じでした。ただし、デジタルカメラは画質だけを取り上げて評価してはなりません。使い勝手なども含めて総合的に判断しなけれなりませんから、必ずしも8080が5機種の中のナンバーワンと言えないかもしれません。

2004年3月3日(水) 

2004年3月4日(木) 

2004年3月5日(金) EXILIMの仲間に入れるにはちょっとムリがありそうな新EXILIM

カシオ・EXILIM EX-P600
 EXILIMシリーズの“最高機種”となるのが、このP600。しかし、超薄型をウリにしているEXILIMの仲間に入れるには、ちょっと違和感を感じもないでもないボディで、これならいっそのこと、まったく新しいシリーズをツクればいいのに、とそんなことを思ってしまうようなカメラでありました。ま、それはともかく、ボディデザインが、とくにボディ前面がデコボコしすぎていて、ぼくとしてはもうちょっとスマートにすっきりとしたデザイン処理にして欲しかったなあ。




 1/1.8型の600万画素CCDを使っております。さていったいどこのCCDなんだろうかと、これがイチバン気になりました。どうもアノ、メーカーのものらしいのですがぼくには確信がない(知られてなかったのでちょっと意外)。いずれにしても、このP600が初めて搭載して使用するCCDであることは間違いない。今後、このCCDを使ったカメラがぽつり、ぽつりと出てくるような予感もします。CCDそのもののポテンシャルはありそうで、いやそれとも、カシオの画像処理がウマいのかな。ただし使ったカメラがまだベータ機だったので色調は少し頼りなげだったけれど、画質はそこそこで良かった。

 そのベータ版の機種だろうからか、はてな、と思わせるところの多いカメラでありました。たとえば、1/6秒以下の低速シャッタースピードを選んで撮影をすると自動的にノイズリダクション処理されて、その処理に、1/6秒以下ならすべて処理時間だけで13〜15秒ぐらいかかってしまう。その間カメラはいっさいの操作を受け付けてくれなくなります。

2004年3月6日(土) 素晴らしいぞ、新「EXボタン」

カシオ・EXILIM EX-P600
 P600では「EXボタン」が新設されました。このEXボタンがすこぶるよろしいのです。EXボタンを押すと同時に、ホワイトバランスモード、ISO感度、測光モード、AFモードの設定一覧画面が出てきます。切り替えることの多い撮影モードが素早く呼び出せるショートカットキーのようなものです。
 いままでのカシオのカメラはどれもこれも、ちょっとホワイトバランスを変えて、とか、ISO感度を変更して、なんて思うと、そのつどメニュー画面を表示させて、とんとんとんと ―― 階層の深いところにあるんですよこれが ―― カーソルを移動させ、目的のモードを選んで、そしてから、と、いやはやめんどくさい操作をしなくちゃならんかったのですが、このEXボタンができたことで気分爽快、もうすっかりメニュー画面とは疎遠になってしまいました。




 ところで、P600は4倍ズームレンズを内蔵しておりまして、そのレンズ部には、はっきりと「キヤノンレンズ」と記されています。ま、キヤノンであろうがペンタックスであろうが別になんでもイイのですけど、しかしです、この4倍ズームレンズのレンズ構成や開放F値をじーっと見てみると、なんだなんだおいおい、ソニーのDSC-V1のバリオゾナーと“おんなじ”レンズじゃあないのか…なと。さて、どうなんだろう。
 と、ほんとのことを知りたいのだけれど、キヤノンに「ソニーのあれは」と聞くわけにもいかんし、ソニーにそんなこと聞いたら「あほかっ」と言われそうだしねえ。
 でもキヤノンレンズは、ときどき変幻自在、虚名変身して、しれっと偽名芸名をつかいますから。

2004年3月7日(日) 

2004年3月8日(月) おもしろいぞ、BKTボタン

カシオ・EXILIM EX-P600
 BKTボタン、すなわちブラケッティングボタンが新設されたこともこのP600の特徴のひとつでしょう。BKTボタンを押すと、連写モードやらAEブラケッティング、ホワイトバランスブラケッティング、ピントブラケッティング、その他あれこれブラケッティングのメニュー選択画面が出てきます。その他あれこれブラケッティングには、なかなか楽しく、そして実用にもなりそうなモードもあります。EXボタンと同じようにGUIがわかりやすくて、とってもいいです。




 もうすでに発売されておりますが、ペンタックスの二階建て沈胴式ズームを内蔵したEXILIM EX-Z40とZ30がP600と同時に発表されました。Z40もZ30にも ―― Z4/Z3の後継機種なんですけれど ―― ダイレクトONボタンが新しく搭載されて使い勝手を大幅に向上させておるんですが、P600にはそのダイレクトONボタンがありません。ま、このボタン(起動と再生のために二つ必要)をP600に搭載しようとすると、ボディ背面がボタンだらけで煩雑になってしまいますが、そこをナンとかうまい具合に整理整頓して、ダイレクトONボタンは欲しかった。
 ちなみに、二つでセットになったダイレクトONボタンとは、ひとつのボタンがメインスイッチと同じ機能を持っていて押すだけでON/OFFができて、もうひとつは、メインスイッチとはかかわりなく押すだけで画像再生表示をON/OFFできるわかりやすくてスピーディーに操作ができるボタンであります。

2004年3月9日(火) しかし、P600で気になった点もありました

カシオ・EXILIM EX-P600
 P600は“マニュアル撮影”をコンセプトにした多機能カメラです。こうしたコンパクトデジタルカメラで、いったいどこまで“マニュアル撮影”が必要なのかとの議論はちょっと置いておくとして ―― ぼくの個人的な考えは、オートだけで充分、なのですが ―― それにしても、カシオの考える“マニュアル撮影”がじつに中途半端だよなあ、と残念に思わせられたカメラでした。ユーザーインターフェースはとっても良い、いやじつに素晴らしいカメラなのですが、かんじんの、撮影をする、というカメラとしての基本的機能についてのカシオの考え方が、いささかズレているように感じました。
 発売予定は4月下旬ということですから、ぼくが使わせてもらったP600はまだまだベーター版の機種であることを充分に考慮に入れたとしても、それにしても問題点の多いカメラでした。




 たとえばそのひとつ。P600はプログラムAEのほか、絞り優先AE、シャッタースピード優先AE、そしてマニュアル露出モードを備えております。プログラムAEと絞り優先AEモードでは、シャッタースピードの連動範囲が低速側では1/8秒で止まってしまいます。すなわちこのモードを選ぶ限り1/8秒以下になることが金輪際ないので、低輝度被写体では露出アンダーになって写らないこともあり得ます。これはとても困ったことだと思うのですが、カシオの考え方は「1/8秒というシャッタースピードを手ブレしにくい下限値として考えて設定」しているというのです。
 プログラムAEのときはまあイイとしても、絞り優先AEにまで1/8秒の足かせをかませてしまうというのはナンとしても納得できません。絞り優先AEのモードを選んで撮影をしようとする人なら、低速シャッタースピードになればブレてしまう、てなことは百も承知千も合点のはずです。にもかかわらずカシオの勝手な思い込みで ―― ユーザーなんて所詮、ナンにも知らないんだから、との高飛車な姿勢が見え隠れします ―― せっかくの機能に規制をかけてしまうのはいくらなんでも横柄じゃないでしょうか。
 「1/8秒よりも低速シャッタースピードで撮影したいのなら、シャッタースピード優先AEかマニュアル露出モードを選を選びなさい」とカシオは言っておるんですが、それはちょっと違うんじゃないかなあ。

2004年3月10日(水) 

2004年3月11日(木) まるでパノラマ写真のようなワイド画面

富士フイルム・FinePix F710
 F710が使用しているスーパーCCDハニカムの「SR」についての話をすればキリがないので本日は省略しますけどその同じCCDを初めて使ったF700の後継機種がこのF710なのです。CCDは同じだけれどあちこち大幅に改良されていて、たとえば内蔵ズームレンズが3倍から4倍になったり (約32〜130mm相当に) 、AF補助光が内蔵されたり (ただし困ったことに発光オフにできないんですよこれが) 、そしてこれがこのカメラの目玉なんですけれど、16:9のワイド液晶モニターを備えていて、従来の4:3モードでも横長のワイドモードでも簡単に切り替えて撮影ができる (ワイド液晶モニターは、世界初、だそうです)。




 F710は通常の4:3モードでは最高記録画素数は約600万画素になる。ところがワイドモードを選ぶと最高画素数が約400万画素になってしまう。これはどーしてかといいますと、要するに4:3の約600万画素の画像の上下をカットして16:9の横長ワイド画面にしているからで差分の200万画素が上下カットされた部分であるというわけであります。なんだそんじゃあ、35mm判フルサイズのフィルムの上下を覆い隠してパノラマ写真ふうに仕上げたあの悪名高きパノラマモードと大差ないではないかと思う人もいるでしょうが (じっさい、ぼくもそう思った)、しかしF710を使ってワイドモードで撮影してみたら、フィルム時代のたぶらかしパノラマモードとは印象がぜんぜん違うんですよ。こちらは、おもしろい…だまされたといういう感じがしない。
 冷静に考えてみるとただ4:3画像の上下をカットしているだけだから16:9の横長ワイド画像になったからといって画角が広がったわけではなく水平画角だけを見れば4:3画像とまったく同じ、なのだけれどぐんっとワイド感を感じるから不思議なんですよねこれが。

2004年3月12日(金) 野鳥観察

富士フイルム・FinePix F710
 スーパーCCDハニカムにはHRとSRの二種類があります。乱暴なほどに簡単に言いますと、HRはフォトセンサーを均一に小さくして解像度のアップを狙ったタイプで、SRはフォトセンサーを大小をペアにして広い階調描写を狙ったタイプ。要するに、大きなフォトセンサーでは暗部の、小さなフォトセンサーでは明部の、それぞれの光を確実に受け取るようにしたのがSRタイプというわけです (われながらヒドイ説明だなあと呆れてます) 。
 結果的に、通常の同じ大きさのフォトセンサーを並べた撮像素子よりも、ハイライト部からシャドー部までの広い範囲の階調描写力が高められるというわけです。じっさい、F700やF710でハイコントラストの被写体などを写してみると、グラディエーションは確かに豊かな印象を受けます (かなり微妙ですけどね) 。F710ではF700よりも、そのハイライト部とシャドー部の“重みづけ” ―― これがまた大変に難しい ―― が改善されて良くなっているように感じました。




 先日、600mmもの超望遠レンズを担いで野鳥の撮影に出かけました。東京湾に近いところに「野鳥公園」てのがあります。もちろん、ぼくは野鳥の撮影などはドシロートもいいとこで、さらには鳥の名前も知識もまったくもって不如意です。そんなぼくがじつに安易に600mmぐらいあれば小鳥のクローズアップが写せるだろうと考えてのこのこ行ったわけです。ところがどっこい、600mmなんて焦点距離では鳥は“点”ぐらいにしか見えません。1.4倍のテレコンバーターをかまして840mmにして見ても“点”が“黒丸”になるぐらいで、こりゃあアカン…、と諦めて (諦めの早いのがぼくのトリエです) ポケットに入れていたF710でスナップしてました。
 野鳥観察小屋、てのがありました。その中では熱心に野鳥を観察しているグループがいて、リーダー格とおぼしき人が解説をしておったんですが、いやはや驚きました、その知識に。“点”のようにしか見えない遙か向こうの木々の後ろに見え隠れする鳥を見て「おっ、なんとかかんとか (鳥の名前) のオスの成鳥ですねえ」と。凄い人がいるもんです。

2004年3月13日(土) 

2004年3月14日(日) これじゃあちょっとナンぞ、PictBridge

富士フイルム・FinePix F710
 道を歩いていて、まったく見ず知らずの人から声をかけられたことがありました。「タナカさんでしょッ、こんど新しいデジタルカメラを買いましたよっ」とトツゼン公道でそんなこと言われてもねえ「はぁ、そうですか…」としか答えようがない。
 で、その見ず知らずの人は、じつは16:9のパノラマ撮影モードのあるカメラに買い換えたというんです ―― そう、パナソニックやソニーの機種は早くからそうした撮影モードを入れていますね。見ず知らず人は、おかまいなしに話を続けます、ぼくは少し急いでいたんですけど。前のカメラでは自宅にある横長パノラマテレビに写すと「ウチの家内がね、顔が横長に広がって太って見えるってイヤがるんですよ、でもね、こんど買ったカメラはパノラマモードがあって、それで撮影すると家内の顔が広がらず、いやあ喜んでいますよ」とかなんとか、いっぽうてきに話をして「じゃあね」とアチラのほうに行ってしまいました。




 おおそうか、パノラマモードてのは、ソンな使い方をするのか、とぼくはソノ話を聞いていたく感心しました。お恥ずかしい話ではありますが、パナソニックやソニーの「16:9モード」の使い道が、その見ず知らずの人の話を聞くまでさっぱりわからなかったんですよ。

 さてところで、このF710ですけど、PictBridgeに対応しておるというんで、パノラマモードで撮影した写真をUSBケーブル経由のカメラダイレクトでPictBridge対応のA4サイズインクジェットプリンター (早い話がキヤノンの990iです) でプリントに挑戦してみました。でも、驚いたことに、F710はプリントサイズの指定はもちろん、フチなしフチありなどのプリントモードなどなどいっさいの設定ができない、ばかりか、パノラマモードでせっかく写した写真は、ウムを言わさず、Lサイズで、左右が (無惨にも) カットされてプリントされてしまいました。F710からのPictBridgeダイレクトプリントの場合、強制的にLサイズで、フチなしプリントされてしまうんです。おいおい、なんじゃコレは…です。

2004年3月15日(月) 

2004年3月16日(火) 

2004年3月17日(水) やはり大型の液晶モニターはイイですねえ

リコー・Caplio RX
 28mm相当の広角ズームレンズを内蔵させ、高速起動ハイレスポンスがウリで人気の高かった G4Wide をベースに、あちこちグレードアップさせたのがこのRXです。G4Wideからの最大の変更点は内蔵ズームで、28〜85mm相当からRXでは望遠側が100mmまで伸びてズーム比が約3.6倍となった。にもかかわらずボディサイズはぐんとスリムになりました。G4Wideではレンズ収納時に鏡筒部が少し出っ張っていてそれが気になっていたのだけれど、RXではスリムになった上にその鏡筒部の出っ張りもなくなってヤケにスマートなカメラになりました。




 G4Wideを使っていて望遠側が85mmであることにそれほど不満を感じなかったのだけれど、さてRXを使ってみると、焦点距離でほんのちょっとしか違いはないのだけれど100mmまで伸びたことで俄然、望遠側にズーミングして撮影することが多くなったのはこれまた不思議でありました。
 なんと言ってもRXで嬉しかったのは液晶モニターが1.6インチ型から1.8インチ型に大型化されたことでありましたね。「1.6」と「1.8」なんて数値上ではごくわずかな違いしかないようだけれど、いやいやアナタ、じっさいにG4WideとRXをデスクの上に並べて見比べてみると、ぜーんぜん違うんですよねこれが。もう1.6インチ型のG4Wideには戻れません…。もうひとつ、マクロ撮影モードでAFレスポンスがこれまた“かなり”良くなっておるんですね。G4Wideでは、ナニを悩んでおるんだっ、とつい大声を出したくなることがあったのですがRXではナニかが吹っ切れたようにピントをスピーディーにあわせるようになりました。

2004年3月19日(金) 知らぬ間にONになってしまうメインスイッチ

リコー・Caplio RX
 もとをたどれば、Caplio RR30から始まって、そのRR30をベースにボディ外観デザインを一新させたのがG3でして、そしてG3ボディに28mmからのワイド3倍ズームを内蔵させたのがG4 Wideで、それをさらにワイド4倍ズームと1.8インチ型液晶モニターなどを内蔵させてこのRXに仕上げたわけです。つまりRR30から少しづつ“改良と変更”を重ね重ねた機種で、こうして“改良版”がでるたびに確実にカメラは良くなっていますが (開発者たちのその地味な努力には感心させられます) しかしもうそろそろ心機一転、新しいウツワを使ったリコーらしい機種を期待したいものです。




 RX以前の機種では、メインスイッチがボディ上部にあるモードダイヤルの真ん中にあって、このためにファインダーを覗きながらシャッターを押しこもうとすると、シャッターボタンとそのメインスイッチとを押し間違えてしまう人がどうも多かったそうで、そこでRXではメインスイッチをボディ背面に移動させました。
 だから、シャッターボタンと押し間違える心配はもうなくなったのですが ―― 名誉のために付け加えますけれどぼくは一度も!押し間違えたことはありませんよ ―― 、しかしそのシャッターボタンは軽くチョンっと押されるだけでONになってしまうため、カバンの中に入れていただけで知らぬ間にRXが起動してしまっているということが何度かありました。少し長押しでONに、OFFにするときはチョイ押し、という具合にして欲しかったなあ。

2004年3月20日(土) 

2004年3月21日(日) ワイコン付ければ22.4mmの超広角に

リコー・Caplio 400G Wide+0.8倍ワイドコンバージョンレンズ
 建築や土木などの現場で使用することを前提に開発された業務用カメラでありますから一般向けではないけれどしかし気分を変えればタウンユースにもなるしアウトドアユースとしてももちろんOKでっせのデジタルカメラ。防水 (水中1メートルぐらいなら撮影よしのJIS保護等級7級) 、そして防塵に加え、対衝撃仕様 ―― カタログによりますと、米国・国防省の、なんとかかんとか810Fに準じた落下テストで90センチをクリアするほどのタフさを誇っているそうです ―― になっておりますからかなり手荒に扱っても大丈夫、というんだけど、しかしボディ外観のデザインがちょっと無骨でありまして(ま、しかたないのだろうけど) そこまで業務用荒くれオジサンふうに徹しなくても…と感じさせられました。なんだか、愛嬌、しゃれっ気、遊び心ってもんが感じられずそれが残念。その点、同じ目的で作られたフジの「HD-1」のほうが仕上げがスマートな感じがします。




 ベースはG4Wideですから内蔵ズームは28〜85mm相当ですけれど、この400Gには専用の0.8倍ワイドコンバージョンが別売用意されております。このワイコンを取り付けると22.4mm相当の超広角撮影もできる。400Gのボディサイズはちょっと大きいけれどその専用ワイコンが逆にじつに小さいのです。だから付けっぱなしにしていてもまったく気にならないほどで、ですからぼくはもっぱらワイコンをセットしたまま使っておりました。広角側で多少、ディストーションは目立ってしまいますけれど、でも手軽に22mmの超広角スナップ撮影ができるというのは魅力大です。
 なお前モデルの300G (こちらは35〜105mm相当ズーム内蔵) と違って400Gでは音声の録音再生にも対応して、さらにそれを応用した音声メモで画像管理をする機能も備えておるということです。

2004年3月22日(月) 

2004年3月23日(火) 新型と旧型

リコー・Caplio RX
 RXを借りてしばらくそのRXだけを使って撮影をしていたのですが、その後、前モデルのG4Wideと一緒に比較撮影などを少しやってみました。G4Wideユーザーにはカンに触るようなことを言いますけれど、RXにはあちこち良くなっているところが多すぎまして、新・RXから旧・G4Wideに持ち替えて使うたびに、G4Wideに対する戸惑いやら不満やらが膨れあがってきました。それに引き替えRXはじつにスマートな感じです…G4Wideはそれだけを使っているときはそんなにも不満も感じなかったことなんですけれどねえ。




 勇気のあるG4Wideのユーザーは、いちど、店頭ででもいいですからちょいとRXをチェックされてみるといいでしょう。勇気のないG4Wideユーザーは、悔しくなり羨ましくなるから知らんぷりしていたほうが精神衛生上よろしいでしょう。
 メニュー設定の方法がちょっと変更になって、それはほんの些細なことですが、操作性が格段に良くなりました。ISO感度も従来までの機種は「ISO125」なんて中途半端な感度から「ISO100」になりましたし、あらたに「ISO64」も ―― ISO50でないところがご愛敬ですけど ―― 加わりました。アジャストボタンのキーカスタマイズもできます。画質については、とくに高ISO感度でのノイズが (旧型に比べると) 少なくなりましたし、色調は旧型に比べて (被写体状況によっては) ちょっと彩度が高めの印象になることもありますが、だいぶナチュラルになりました。
 RX、G4Wideに限ったことではありませんが、すべからくデジタルカメラは新型・旧型を比べると、旧型の“陳腐化”が目立ってしまって、なんだか悲しくもあります。

2004年3月24日(水) 

2004年3月25日(木) 

2004年3月26日(金) デジタルカメラには“もったいない”ほどのレンズ

オリンパス・E−1+ZUIKO DIGITAL ED 300mmF2.8
 E−1の交換レンズ群 ―― と、言えるほどのラインナップはまだまだ揃っていないけれど ―― の中では“象徴的”な意味合いを持つ高性能レンズ。E−1発売と同時にラインナップされた僅少、数本のうちの一本。いささか陳腐な言い方でありますが、オリンパスのレンズ技術の粋を集めた高性能レンズ、テなことになりまして、受注生産で価格は87万5千円 (実販は約75万円) 。そりゃあ素晴らしいレンズですが、実質、600mmの焦点距離になるわけでありますから (E−1のスペックなども考えると) その用途はかなり特殊限定されます。




 そんな特殊レンズを、いきなりE−1新製品発表時にラインナップしなければならないものか、ほかに必要なレンズがあったのではないか、と思った人もいたでしょう。
 この300mmF2.8レンズは、オリンパスのレンズ製造部門から選ばれた数人の人たち ―― オリンパスはマイスターと呼んでおるようです ―― によってきわめて高い精度で作られていると聞きました。ずっしり、と重い300mmです。35mmフルサイズ用の300mmF2.8レンズは、いままでに各社のものをさんざん使っておりましたので、そのつもりで、ほいっ、と持ったら、ええーっこれが300mmF2.8のレンズかあ、と思うぐらい重かった。
 でもしかし、このレンズをセットしてE−1のファインダーを覗いたときのファーストインプレッションは、「うーむっ、デジタルカメラで撮影するにはもったいない、フィルムカメラで写してみたい…」と、そんなふうに思わせるほどのデキの良いレンズでありました。

2004年3月27日(土) 

2004年3月28日(日) 

2004年3月29日(月) 「600mm」レンズでスナップ撮影

オリンパス・E−1+ZUIKO DIGITAL ED 300mmF2.8
 この300mmレンズは4/3型撮像素子を持つE−1と組み合わせるとその画角は35mm判相当で「600mm」の超望遠レンズとなる。しかしそんな「600mm」レンズを、それも開放F値がF2.8という大口径のレンズを (その気になれば) 手持ちで、気軽なスナップ撮影にも使えるいうのも、デジタルカメラならではの恩恵ではありませぬか。ただし、近距離被写体を狙っているときに、ホールディングしているからだをわずかに前後させるだけで、ピントは大はずれすることもあるので、そうそう気楽な撮影というわけにもいきませんし、ちょいと重めの300mmですから腕力もそれなりに必要です。




 OMレンズをE−1に取り付けることができる「アダプターリング」が、先日、オリンパスからE−1ユーザーに無料配布されました。その変換アダプターリングについて、それはオリンパスが提唱するフォーサーズシステムの理念からハズれるんではありませんか、というようなことを軽く雑誌のコラムに書きました。そうしたら、読者の方 (おそらくE−1ユーザー) から「マヌケっ、せっかくオリンパスがタダでくれるというモノになぜケチを付けるのかっ」との激越な内容の匿名メールをもらいました。
 いやはや、です。そもそも、そう熱く怒るほどのことではないようにぼくは思うんですが ―― 所詮デジタルカメラごときのことじゃあないですか ―― というわけで、最近、近代インターナショナルなどからOMレンズ以外のニコンやコンタックスのレンズも取り付けられる変換アダプターの発売も始まったようですが、これについては (また怒られそうなので) ノーコメントにします。そしてですが、E−1のフランジバックについても、いやあこれが、じつにおもしろい話があるのですが ―― その話を聞いてぼくはノケぞりました ―― これについても、触らぬ神に祟りなし、ですからヤメときましょう。

2004年3月30日(火) 

2004年3月31日(水) 


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