Photo of the Day

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2005年10月1日(土) 

2005年10月2日(日) 

2005年10月3日(月) 

2005年10月4日(火) アキれて笑ってしまうほどよく写るズームレンズです

オリンパス・E-500 + ED 35〜100mmF2.0
 E-500はE-300のモデルチェンジ機種で後継機となるカメラですがボディの外観デザインなど“似ても似つかない”ほどの大幅変更をしています。E-300からは一変、いかにも一眼レフカメラらしいスタイルとなりました。E-300は一眼レフらしくない、だから売れない、とナニかと文句の多い営業の人たちの不満を解消するためもあって (これはぼくの想像) ボディ外観デザインを大きく変え、頭部には三角のペンタプリズムを設けたオーソドックスなカタチに仕上げています。これなら外観のデザインについて好きだとか嫌いだとかアレコレ言われることもないでしょうけれど、少なくとも“個性的”ではなくなりました (とはいえ、ぼくはE-300のデザインよりもE-500のほうが好きですけど…)。ボディは軽く (今のところKiss Digital Nよりも*ist DLよりも軽く「世界最軽量」)、そして小さい、ですがホールディング性はとってもよろしいです。




 ベータ版のE-500を使わせてもらうときに同時に発表された「ZUIKO DIGITAL ED 35〜100mmF2.0」ズームレンズを借りました (これもまた量産試作段階のレンズ) 。35mm判換算でちょうど70〜200mm相当となりますが、開放F値がF2.0と明るいことがポイントです。このせいでしょうか、他社の70〜200mmF2.8ズームに比べると大きくて重い印象を受けます。E-500にセットしたときのレンズバランスも決して良いとは言えず、せっかく借りていたのに事務所の片隅に長い間おきっぱなしにしていました。ところがそろそろ返却時期も迫ってきたので (仕方なく) このズームを使ってみました。
 ところがどっこいいやそれが予想外の素晴らしい描写をするズームレンズだったです。はっきり言ってダントツの写りです。呆れて笑ってしまうほどのシャープで切れ味が良く階調描写力に富んだレンズなのです。E-500の画像を見たとき、おおっE-500の画質はこんなにも良かったのか、と驚いたのですが、じつはそれは35〜100mmズームのせいだったわけです。いや、そういう言い方は片手落ちですね、正確に言えば、E-500は良いレンズと組み合わせるととんでもない素晴らしい描写ができる実力を持ったデジタルカメラ、なのかもしれません。

2005年10月5日(水) アタマが痛くなるほど多機能なカメラです

オリンパス・E-500 + ED 35〜100mmF2.0
 「機能てんこ盛り」のカメラです。これでもかっ、というほどに機能を詰め込んでいまして、その整理整頓がウマくなされておらず ―― 操作方法もやや複雑 ―― その結果、統制がとれずかえって使いづらくなっているところもなきにしもあらずです。なんだか、いまのオリンパスフォトイメージングの混乱ぶりを具体化しているようなカメラのように感じなくもない。なかには、かなり複雑な操作をして機能を呼び出すモードもあり、いちどその操作方法を聞いたものの一晩寝るとすっかり忘れてしまったほどヤヤこしかった。でも、たとえばごく一般のユーザーが、こうした機能が搭載されておればいいのになあ、と思ったとすれば、たぶんそうした望みぐらいならカンタンにかなえてくれるでしょう。それほどの多機能ぶりです。使用説明書を読んで理解するのが大変そうですけれど。




 いうまでもなくE-500のそうした多機能をすべて使いこなす必要などなく、自分にとって効果のある機能を選んでじっくりとE-500を使いこなせばいいわけです。ぼくが頻繁に利用した撮影機能は画質調整の「仕上がりモード」でした。ややハデでシャープネスの強い「VIVID」、E-1に似た画像が得られる「NATURAL」、そして階調描写に重点を置き後処理前提の「FLAT」などがあるのですが、もちろんそれぞれでコントラスト、シャープネス、彩度のきめ細かなパラメータ設定もおこなえます。おすすめはNATURALです。VIVIDに比べるとやや大人しい仕上がりの印象を受けるかも知れませんが、色調、階調、コントラストともにもっとも“ハマってる”感じがしました。とくに、ZUIKO DIGITALの高性能タイプのレンズを使うときは迷わずこのNTURALを選ぶことをおすすめします。逆に、ZUIKO DIGITALの通常タイプのレンズ ―― ま、比較的低価格のズームレンズなどですね ―― の場合はVIVIDを選ぶ方がいいでしょう。基本的に画質はE-1やE-300に比べても相当に良くなっていますから、ま、どのモードを選んでもマチガイはありませんけどね。

2005年10月6日(木) 

2005年10月7日(金) 高感度時のノイズリダクション

オリンパス・E-500 + 14〜45mmF3.5〜4.5
 E-1やE-300の高ISO感度での画像について「ノイジーだッ、ヒドい画質だ」と文句を言う人が多かったそうですが、しかしぼくはそれほどワァワァ言うほどの画質ではないと見ていました。たしかに、ノイズについて言えば決して少ないほうだとは思いませんが、でも画質を判断するときに“ノイズがあるなし”だけで良し悪しを決めてはいけない。どうも最近の傾向として、ノイズだけを見て (ノイズしか見ないで) 画質の優劣を決めてしまうシンプルな (素直な) 性格をした人たちが多いようで、これは困ったもんです。たとえば、高ISO感度時に発生しやすく目立ちやすい色ノイズですが、これを除去しようとすれば副作用として高周波成分の描写が犠牲になり、結果的に画像の切れ味が悪くなります。強引に色ノイズを消そうとすると、エッジ部の描写が曖昧になりとても写真的とは言えない、なんとも不自然でじっと見ていると気持ち悪くなるような“写真画像”になります。ところがE-1やE-300では無理をして色ノイズを抑え込もうとせず、シャープ感だとか写真的画像のほうを重視した絵づくりをしているように思えてぼくは好感を持っていました。じじつ、こうした考え方で絵づくり (画像処理) をおこなっているメーカーもいくつかあります。




 で、E-500の高ISO感度での画像ですが、E-1やE-300に比べるとノイズ、とくに色ノイズは少なくなっています。でも、色ノイズを少なくしているのですがシャープ感はそれほどそこなわれているように見えず、切れ味のある写真的画像になっています (100%満足できるまでにはいたっていませんが)。このE-500の高ISO感度での画像処理技術は充分に注目して評価していいと思います。
 E-500にはノイズ除去モードとして、長秒時撮影でノイズを抑える「ノイズリダクション」と、高ISO感度時のノイズ除去の「ノイズフィルター」のふたつがあります。それぞれノイズを除去する方式が違います。両方ともON/OFFが選択できるようになっていて、ノイズフィルター (NF) はONを選択すると、オリンパス独自に開発した高感度ノイズ除去システム (タナカが勝手に命名) が働いてシャープさを残しつつ色ノイズを少なくする画像処理がおこなわれます。ISO400を越えたときから効果を発揮するようです。このNFは「うわっスゴイっ」というほどドラスティックに効くものではありませんが、なんとなくノイズが少なくなったように見えます。無理矢理チカラずくでノイズを抑え込もうとしてないところがいいなあと思いました。

2005年10月8日(土) 

2005年10月9日(日) 

2005年10月10日(月) F10の、文字通りマイナーチェンジ機種です

富士写真フイルム・FinePix F11
 高ISO感度でも低ノイズの良質な画像が得られることで一躍脚光を浴びたFinePix F10のその後継モデル。マイナーチェンジです。CCDや内蔵レンズ、ボディ外観デザインなどはそのままで、少し機能をアップさせた。大きな変更点としては、あたらしく絞り優先AEとシャッタースピード優先AEのモードが入ったことぐらいで、あまり“代わり映えのしない”モデルチェンジだと言えなくもない。ボディデザインやCCD、内蔵レンズを変更するにカネがかかりすぎるからしょうがないとしても、たとえば新しいボディカラーをひとつ、ふたつ加えるとかのしゃれっ気があってもいいのにねえ。




 絞り優先AEではF2.8〜F8まで1/3EVステップで設定が可能です。シャッタースピード優先AEでは3秒〜1/1000秒まで、こちらも1/3EVステップで設定ができます。高ISO感度を選んでとにかく最高速のシャッタースピードで撮影したいと思っても、F10ではそれがままならない場合が何度かあって少し残念に思っていましたが、F11ではシャッタースピード優先AEのモードを選ぶことでその不満が解消されました。ただしシャッタースピードの設定には注意しないとAE連動範囲外でもシャッターが切れてしまうので、どアンダーやどオーバーで写ってしまいます。絞り優先AEではAE連動範囲内でしか設定ができないようになっておりまして、それと同じようにシャッタースピード優先AEでもAE連動範囲外になると設定をロックするようにするとか、範囲外であるぞとの警告をしっかり出すとかしてくれればよろしかったのに。

2005年10月11日(火) 液晶モニターが少し、良くなりましたね

富士写真フイルム・FinePix F11
 絞り優先AEやシャッタースピード優先AEの搭載のほかは、あまり“代わり映えのしない”モデルチェンジでありますが、小さな改良はあれこれされているようです。たとえば動画撮影モードではF10ではISO400相当までしか連動しませんでしたが、F11ではISO800までの高感度でも撮影ができるようになりました。仕様書では最短撮影距離がF10の7.5センチからF11では5センチになって「よりクローズアップが可能」となったそうです。ところがF10とF11とで実際にマクロ撮影の比較をやってみましたら、不思議っ、F10のほうが至近距離が短いのです。なんどやってもスペックとは違ってF11よりもF10のほうが近接でピントがあってクローズアップ撮影ができるのであります。ぼくが使ったベータ機種のF11がヘンだったのかなぁ。でもまあ、7.5センチも5センチも大差ないですからどうでもイイですけど…。




 画質面では、些細なことですが、F10では高ISO感度でわずかにグリーンかぶりが起こることがあったのが、F11ではそれが改善されているように感じました。高感度でのノイズなどにかんしては、ほとんど違いはありません。もともと素性がいいのですからそこまで神経質になってノイズを抑えなくてもよろしいのに、だから画像の切れ味が少し鈍くなってしまっておるなあ、と感じるような画質です。
 液晶モニターも少し改良。F11ではF10に比べると明るくくっきりと見えるようになりました。2.5インチ型のサイズは同じですが、画素数がF10の11.5万画像からF11では15.3万画素になって解像度がアップ。そのおかげでしょうか、見えがよくなった (ような気がする) 。露出補正が相変わらずメニュー画面に切り替えて設定せねばならず (ホワイトバランスモード、もだ) これが不満といえば小さな不満でありました。セルフタイマー設定がメニュー内に移動してしまったのもちょいと残念でした。

2005年10月12日(水) EOS 5Dで2秒セルフタイマー撮影ができるとは、知らなかった

キヤノン・EOS 5D + EF24〜105mmF4L IS
 キヤノンのデジタル一眼カメラに限ってですが、EOS-1Ds Mark2などの「1D系」にはドライブモードに「2秒セルフタイマー」が入っています。ところがEOS 5DやEOS 20D、Kiss Digital Nなどにはその撮影モードがなく「10秒セルフタイマー」のみです。キヤノン以外の他社の一眼には2秒セルフが可能な機種がいっぱいあります。2秒セルフはケーブルレリーズの代用として使用する人も多く (ぼくもそうですが) とっても役立つ撮影モードのひとつです。キヤノンの1D系以外の一眼を使っていて、2秒セルフ撮影をやろうとしてもできなくて、とても戸惑ったことがなんどもありました。仕方なく10秒セルフでゴマかして撮影したことも何度かありました。




 でも、デキるんですよね、EOS 20DでもEOS 5Dでも。
 つい先日、5Dの技術者インタビューでその“裏技”を教えてもらうまで、ぼくはまったく知りませんでした。「使用説明書にちゃんと記載してありますよ、タナカさん」と言われて恥じ入った次第です。 (ほんと、書いてありました)
 方法は、まずカスタムモードで「ミラーアップ」を選びます。つぎにドライブモードで「セルフタイマー」にして (もちろんセルフタイマーを選んでからミラーアップを設定してもよろしい) 、あとはシャッターを押し込めば自動的に“2秒セルフタイマー”撮影ができるのです。シャッターを押し込んだと同時にミラーアップして“2秒後”にシャターがきれますからミラーショックを少なくして撮影ができて、これはなかなか合理的です。でも欠点は設定したり解除したりするのが大変にめんどうなことです。そこでたとえば、1D系のように通常のドライブモードに2秒セルフを加えて、その2秒セルフはシャッターボタンを押しこんだときに自動的にミラーアップするようにしておいてくれればぼくとしてはうれしいですね。

2005年10月13日(木) 

2005年10月14日(金) 京都「村上開新堂」本日閉店

リコー・ GR DIGITAL
 楽しみにして待っていたGR DIGITALですが、ようやく貸してもらえることになりました。ちょっと待ちくたびれました。が、数日前から使い込んでおりまして、るんるんっ、といった気分です。少し“予想”と違った仕上がりになっているところもありましたが、おおむね満足です。初めて手にして数カット撮影をしたときはやや戸惑いもありました。が、使い込んでいくうちに独特の味が伝わってきました。撮影をしていて不思議な愉しさ(うまく説明できないのだ)があるのですが、この愉しさが、いままでデジタルカメラを使っていて感じたことのないもので ―― そう、フィルムカメラを使っていたときのわくわくするようなアナログ的感触を思い出させてくれるのです。ひょっとすると、すばらしい写真が撮れそうな気分にさせてくれます。畏友、田中長徳師が「地の果てまで持っていきたいカメラ」と言ったそうですが (リコーのGRブログだったかなあ)、 「果てまで」は大袈裟にしても、そう感じる気持ちはぼくもわからないでもない。




 GR DIGITALは、高級フィルムコンパクトの「GRシリーズ」をデジタルカメラに仕上げる、ということをコンセプトにしています。フィルムGRシリーズは小型薄型で単焦点の高性能広角レンズを内蔵していました。それと同じようにGR DIGITALも小型薄型で28mm相当の、リコーが描写にこだわって作った単焦点レンズを内蔵させています。少し“生煮え”のところもなきにしもあらずですが ―― そこがまたリコーらしいところでありますが ―― 独特の“味”のある描写をする魅惑的なレンズです。かりかりっとした切れ味の良い“デジタル的”描写とは違います。なんとなく“アナログ的”な描写でして、だから写し手の気分やテクニックなどで“こんな写りやあんな写り”をしそうなレンズでもあります。1/1.8型800万画素CCDを使っての画像処理も、レンズと同じようにリコーのカメラらしい鷹揚なところもあってそれがまた愉しいのですよ、使っていて。
 気分次第で、なんとなく、いままでとは違った写真が撮れそうな、そんな心持ちにさせてくれる(これは大事なことですよね)カメラかなあ、というファーストインプレッションを受けました。

2005年10月15日(土) 専用外部ファインダーはゼッタイおすすめです

リコー・ GR DIGITAL
 すでにたくさん出回っているコンパクトカメラデジタルカメラと“まったく同じだ”と言ってしまえばそれまでですが ―― 撮像素子は小さな1/1.8型の800万画素CCDです ―― でも、既存のコンパクトデジタルカメラとは“ぜんぜん違うぞ”とはっきりと言えるGR DIGITALなのです。それはGR DIGITALのスペックだけを見ていてはちょっとわかりづらい。しかし、ちょっと使ってみるとすぐに「あれっ違うぞ」と感じるはずです。まず、ほかにはない広角単焦点レンズを内蔵してます。もちろん今までにも単焦点レンズ内蔵のコンパクトカメラはありましたけれど、そもそもコンセプトもユーザーターゲットも機能も品質も性能もまったく違ったものです。とにもかくにも、GR DIGITALを使って撮影をしてみると「デジタルカメラ」の新しい発見がいろいろとあります。デジタルカメラでも、ちっちゃなlコンパクトデジタルカメラでも、こんなに楽しい気分でこんな写真が撮れるんだなあと、ぼくは、ここ数日、新しい発見をしています。




 GR DIGITALはアクセサリーシューに外部ファインダーが取り付けられるようになっていて、専用のファインダーが別売として用意されています。28mmと21mmのブライトフレーム付きです。見えはクリアーで、よくできたファインダーです。専用ファインダーでなくてもいいのですが、従来の35mmカメラ用ファインダーはアスペクト比が3:2ですが、このファインダーのブライトフレームのアスペクト比は4:3になっているのでより正確にフレーミングすることができます。ぼくはもっぱらこの専用外部ファインダーをGR DIGITALに取り付けて使っています。しかし取り付けてはいますが、このファインダーを覗いて撮影することがあったり、液晶モニターの画面を見ながら撮影したりとか、そのときの状況や被写体に応じて変えて使っています。たとえば、ぎりぎり正確にフレーミングしたいときやカメラが少しでも傾いてしまっては困る場合などは液晶モニターをじっくりと見ながら撮影しています。でも、素早くスナップするときとか低速シャッタースピードでカメラをブラしたくない場合はファインダーを覗いて撮影します。ま、そんなことはともかくとして、、見た目がカッコいいのですよ、ファインダーを取り付けてるほうが(これがホントの理由かも)。

2005年10月16日(日) 

2005年10月17日(月) 臨済宗建仁寺派大本山、雨の建仁寺

リコー・ GR DIGITAL + ワイドコンバージョンレンズ (GW-1)
 GR DIGITALの画像 (画質) をひと言で表現するなら「あっさりシンプル」です。ヘンなこだわりがありません。色調も階調描写にも押しつけがましいところがなく、だから初見では自己主張がなく少し頼りなく見えるかも知れません。
 GR DIGITALで撮影するときに同じ (メーカーの) 1/1.8型800万画素CCDを使用している (と思う) キヤノンのPowerShot S80を一緒に使って、その画像を比較してみましたが“ぜーんぜん”違うんですよね、これが。誤解を恐れずに断定的な言い方をしますが、S80の画像はどんな悪条件でも色鮮やかでシャープでかりりっとして、安定してますから世界的に万人受けします。ノイズも少ない。誰でもが安心して撮影ができます。さすがキヤノン、さすがDIGIC2です、少しおしつけがましい自己主張を感じなくもない。




 ところがGR DIGITALのそれはといえば、なんとなく遠慮がちで控え目、そしてやや気まぐれ的なのです。シャドー部のシマリもイマイチ頼りなげです。シャドー部のシマリはS80の画像は際だってますから印象的な写真に見えます。だから、GR DIGITALのほうは「なんだ、この地味っぽいパンチのない画像は…」と不満を抱くひとも出てくるかも知れません。でも、強く自己主張しない ―― つまり撮影者にあとはまかせるという姿勢が ―― GR DIGITALの画像のほうにはあって、ぼくは好感を抱きます。だから、融通性のある画像、あるいはフレキシビリティのある画像とでもいえばいいのでしょうか、そんな感じも受けます。
 専用のワイドコンバージョンレンズ・GW-1はなかなかよろしいです。GX8のワイコンにも感心しましたが、こちらのワイコンは“それ以上”と言ってもよいでしょう。28mmが21mm相当の超広角画角となります。もしGR DIGITALを購入するなら (なにかと物入りになりますが) 専用ワイコンと外部ファインダーは、ぜひ一緒に揃えておかれるといいと思います。

2005年10月18日(火) 

2005年10月19日(水) 下京区西本願寺前・芝川骸骨堂

リコー・ GR DIGITAL
 京都に、このGR DIGITALのほかに一眼レフやコンパクトなど3台ほど持っていきました。それらの機種でも相当のカットを写しましたが、東京に戻ってGR DIGITALの撮影カット数だけを見たら、たったの二日半で1800カットほども写していました。そんなにムキになって撮影していたつもりはまったくないし、今回は京都市内のあちこちへの移動はほとんどクルマでしたから歩いてスナップするのに比べると格段に撮影カット数は少ないはずです。なのに、1800カットも写しているということは、つまりは、それだけ気持ちよく撮影ができたということであり、写してみようという気持ちにさせてくれるカメラであった証拠でしょう。「見る」ことと「写す」ことまでの時間的物理的精神的な“距離”をじつに短く感じさせるカメラだったのです。




 ぼくは京都で生まれて育って、東京に来てからも何度も何度も京都に帰って、帰るたびにカメラを持って市内を歩き尽くしていますから、どこを歩いてもなにを見てもそうそう“感動”しなくなっております。ぼくの眼は「京都ボケ」しています。なのに、GR DIGITALを持って歩くと見たり出会ったりする京都の景色が不思議と新鮮に見えてついつい写してしまう。いままでなら「けっ、こんなところ写してナンになる」なんて思っていたような風景に対して自分でもおかしくなるほど素直にカメラを向けてシャッターを切っておるのです。
 もうひとつ、京都でスナップしていて奇妙に感じたことは、GR DIGITALであれだけたくさん撮影していたにもかかわらず ―― 失礼ながら人に面と向かって (無断で) 撮影もさせてもらいましたが ―― あからさまにイヤな顔をされたり不快がられるようなことがなかったことです。一眼レフカメラで撮影しているときと比べると、ぼくの回りの視線がまったく違ってなぜか優しく感じたことも不思議なことでした。

2005年10月20日(木) 

2005年10月21日(金) 

2005年10月22日(土) 季節はずれの“桜”でありますが…

タムロン・ ブロニカRF645 + RF45mmf4 + RDP III + GT-X800
 レンズ交換式レンジファインダー中判カメラのブロニカRF645の生産を今月をもって終了するとタムロンから発表がありました。これでブロニカブランドのカメラはすべてが生産終了となってしまいました。ぼくにとってはまさに「桜、散る」という思いです。話せばキリがありませんがブロニカのカメラはぼくの青春そのものでした。なかでももっとも愛用したのは6×6版のブロニカSQシリーズです。いまでもボディは3〜4台ありますしレンズもけっこう揃えていますし、そして思い出もいっぱいあります。だいぶ前になりますがそのSQシリーズも生産終了となって、最後に残ったブロニカブランドのRF645も、とうとうなくなってしまうことになりました。RF645はブローニー版フィルムを使うカメラなのですがまるで35mm判カメラのようにフットワークよく扱えてぼくの大好きなカメラのひとつでしたが、じつに残念至極です。




 中判フィルムカメラの描写に匹敵するとまでいわれているEOS 5Dの発売に、前後するように生産終了が発表されたというのも、いささか皮肉な感じもします。
 とにかくここ数年、中判大判のフィルムカメラがさっぱり売れなくなっております。CIPA (カメラ映像機器工業会) の統計によりますと、今年7月の中判大判カメラの国内販売数はたったの359台です。ブロニカもペンタックスもマミヤもホースマンもフジもタチハラも、なにもかも国内メーカーのすべてを集めても一ヶ月に359台しか売れなかったのです。ちなみにその同じ7月はヨーロッパ全体で169台、巨大マーケットであるはずの北米ではわずか85台しか売れていません。海外はデジタル化の影響が大なのです。日本のようにアマチュアが中判カメラを愉しむという風潮はまったくなく中判大判カメラは完全にプロのカメラです。これだけの販売数の落ち込みはすなわちプロのほとんどがデジタルカメラに移ってしまったという証拠なのです。それにしても、こうした数字を見ると、ほんと「やってらんないよ」とメーカーが叫ぶのも無理はないです。

・・・・  ・・・・  ・・・・

 2年ほど前の春、桜咲くころにRF645を持ってふらりと京都に行きました。その時に、京都市内の北、鷹ケ峯にあるぼくの好きな、とあるお寺(桜が美しい)で撮影した写真です。

2005年10月23日(日) 

2005年10月24日(月) 

2005年10月25日(火) 

2005年10月26日(水) 

2005年10月27日(木) 

2005年10月28日(金) 

2005年10月29日(土) なんと言いましょうか…

オリンパス・CAMEDIA SP-350
 うーん、なんと言えばよろしいのか、“こまった”カメラでありました。うまく言えませんが、じゃんけんしようと身構えているときにとつぜん手の替わりに片足が目の前に出てきたようなかんじなのです。初めてこのカメラを見たとき (正直に言いますけれど)、 うっ、と絶句しました。少しだけのけぞりました。ぐー、か、ちょき、か、ぱーか、と思ってるところにはだしの右足を出されたようなものですからそりゃあびっくりします。
 なにに驚いたかといいますと ―― いくつかあるのですが ―― ひとつはその外観デザインです。あくまでぼくの感覚的な印象ですが、なにがどうなってこうなったらこんなに“ぶさいく”なカタチのカメラができあがってしまうのだろうかと、そのことに呆然としました。小さなボディサイズのわりにグリップが異常に大きい。見たときのバランスがはなはだよろしくない。ホールディング感はともかくとして (悪くはない)、そのウエッジシェイプというかくさび形のボディデザインが気になる。




 小さくコンパクトなボディなのですが、そのボディ上部にはどう見たって不似合いなアクセサリーシュー (ホットシュー) が取り付けられています。外部ストロボがセットできるのですがそんな姿は想像したくもないです。さらに、こんなに小型のカメラなのに、大型カメラを吊すような立派な大きな吊り金具が二つ付いておりまして、ここにストラップを通して両吊りして首からぶら下げなさいというわけです。そんなことまでして使うカメラかなあ。
 1/1.8型の800万画素CCDを搭載しています。撮影モードはP/A/S/Mのフルスペックで、なおかつ24種類ものシーンモードも持っています。ごくありふれた38〜114mmの3倍ズームレンズ内蔵ですが、オプションとしてワイドコンバージョンレンズ (27mm相当になる) 、テレコンバージョンレンズレンズ (200mm相当になる) などが用意されていて、「ハイエンドユーザー」向けのカメラだそうなのですが、おやっ、と思わせるところもありました。たとえば露出補正ができない (できないはずはない) 。露出補正ボタンやダイヤルなどどこにもないし、メニュー画面のどこを探してもその設定項目が見当たらないのですよ…。結局、解決しましたけれど、まるでパズルを解くようでした。
 あ、ちょっと後出しじゃんけんのようですけど、撮影した画像のクオリティーは大変によろしいです。

2005年10月30日(日) いい素質を持ったカメラなんだけど

オリンパス・CAMEDIA SP-350
 画質はイイです。高ISO感度 ―― と言ってもISO400までですが ―― にしても、それほど画質は悪くなりません。うまいノイズ処理をしています。オートホワイトバランスの安定性もイイです。タングステン光の赤みをムキになって消そうとはせず、タングステン光の暖かな雰囲気を残しつつ少しだけ補正をかけていました。搭載されているカメラ機能、デジタル機能については、なんの文句もない、というほど充実しています。
 ただ、不満なのはカメラ外観デザインと、ナニも考えていないのではないかと感じさせるような操作系のあれこれでした。このへんがもう少し (いや、もっともっと) 良くなっていれば、このカメラは相当に注目、評価して良いかと思われます。いい素質と高い実力を持っています。




 昨日のつづきの露出補正の件ですが、じつはメニュー画面内には設定項目がなく (これもおかしなハナシなのですが) ダイレクトに設定できる“露出補正ボタン”が隠してあったのです。十字キーの左右ボタンがそれでした。でもそのボタンにも回りにも、露出補正ができるとの“案内”はいっさいありません。不親切でよすね、これは。このほかにも、あれっ、と思わせるような (ひとりよがりの) 操作方法も設定方法もありまして、画質がいいだけにかえすがえす残念でした。
 なお、オリンパスではいままでEシリーズを除くデジタルカメラには「CAMEDIA」というサブブランドを付けていましたが、将来的はその名称をなくすらしいというウワサを聞きました。じじつ海外ではCAMEDIAはなくなっています。レンズ交換式の一眼は「Eシリーズ」、コンパクト系では「μシリーズ」、そして作画向けの「SPシリーズ」とお手軽の「FEシリーズ」に整理統合分類されるようです。SPはスペシャル・フィーチャー、FEはフレンドリー&イージーの略だそうです。

2005年10月31日(月) 


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